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ウィンチェスターとバースにおけるチャリティーの実態調査およびボランティア体験

文学部人文社会学科 英語文学文化専攻 4年
藤井 茉里奈

はじめに

 本報告は文学部独自の奨学制度である「文学部学外活動応援奨学金」を利用し、イギリスのウィンチェスターとバースにてボランティア活動を行い、その周辺におけるチャリティーの実態を調査した活動記録である。

目的

 チャリティー精神が根付いているイギリスで実際にボランティアに参加することで、なぜこれほどまでに普及しているのかを考える。それと同時にボランティアがメジャーではない日本とも比較し、日本における問題点や課題について考察を深めることを目的としている。また、この活動報告を通して一人でも多くの人の日本におけるチャリティー、ボランティアに関する興味・関心・知識を深めることができたらと考えた。

概要

 私は学生生活を通して、DiversityとInclusionについて考えてきた。そのように考えるようになったきっかけは大学1年の時に大田美和先生の「イギリスの文化(2)」の授業を履修したことである。授業ではDiversityがテーマとなって進められ、その中で最も印象に残ったのが『The Big Issue』についての講義だった。ホームレスの人々に働く機会を与えて自立を支援する事業がイギリスにも日本にも存在していることに感銘を受け、DiversityとInclusionに興味を持つようになった。また、有限会社ビッグイシュー日本の代表である佐野章二さんの本『社会を変える仕事をしよう』を読み、日本におけるビッグイシューの取り組みについて関心を持つようになった。それから、様々な角度からDiversityとInclusionについて考えてみたいと思い、1年次にはインドのマザー・テレサ施設にボランティアとして訪問し、心身の病気に苦しむ貧しい人たちに寄り添い、治療する活動に参加し、2年次から現在にかけては学内におけるノートテイクボランティアとして、視覚や聴覚に障害を持つ学生の授業参加支援を行って、弱い立場にある人の社会参加をどのように支援するかを、実践を通して、自分なりに考えてきた。また、大学3年次には山田昌弘先生の香港でのグローバルスタディーズに参加し、やりがいのある職場で責任ある職に就いている女性の姿を目の当たりにした。彼女たちは外国人メイドを雇うことで家事労働の負担から解放され、プライベートと仕事の両立を楽しんでいる姿は、日本人である私には大変新鮮に感じられた。このように様々なDiversity とInclusionの実態を国内外で観察し体験した今、私自身の考えのルーツともいえる『The Big Issue』の生まれたイギリスを訪れ、学ぶことで、4年間の私のDiversityとInclusionについての考察の総まとめになるのではないかと考えた。日本にはない、チャリティー精神の根付いているイギリスだからこそされている取り組みが多くあると考え、実際にチャリティー活動を行っている機関を訪れてボランティアを体験した。

活動スケジュール

3月7日 成田発、香港経由
3月8日 ロンドン・ガトウィック着 ウィンチェスターへ移動
3月9日 チャリティーショップボランティア
3月10日 チャリティーショップボランティア
3月11日 バースへ移動、下見
3月12日 バースハーフマラソンボランティア
3月13日 市街観察、ウィンチェスターへ移動
3月14日 チャリティーショップボランティア
3月15日 チャリティーショップボランティア、ロンドンへ移動
3月16日 市街観察
3月17日 ロンドン・ヒースロー発
3月18日 香港経由、成田着

事前活動

・ビッグイシュージャパン ワークショップ

 日本での事前活動として、Diversity & Inclusionに興味を持つようになったきっかけでもある、ビッグイシューのワークショップに参加した。7月9日にビッグイシュー東京事務所を訪れ、活動は私を含め5人の参加者と東京事務所長の佐野未来さんで行われた。まずホームレスの現状、ビッグイシューの取り組みやビッグイシュー基金についての説明を受け、それからホームレス問題について考えた。二人一組になり、「ホームレス状態の方々の排除」という問題について「排除は仕方ない」という意見と「排除はすべきでない」という意見の両方について意見交換をした。私はまず佐野未来さんとペアになり話し合った。最初はどうしてもホームレスの方々の立場に立って考えてしまい、私は排除すべきでない、という意見だった。しかし佐野未来さんから「ではあなたの家の目の前にホームレスが居座ったらどうですか?」と聞かれ、なかなか上手く反論することができなかった。ホームレス問題の一言では片づけられない難しさを改めて痛感した。その後全体で話し合いが進められ、「ホームレス状態となってしまった人々を救う策がないにも関わらず、排除すること自体が間違っている。行く当てもないのに排除してもまた違う場所に移動するだけで何も解決しない。社会問題となっている以上、国や自治体しっかりと救済すべきではないか。」などといった意見が出た。ホームレスというと「汚い、怖い」などと考える人が大半であろう。しかし、今の時代誰しもが突然ホームレスになり得るのだ。「失業して収入をなくし、家賃を払えなくなり住居をなくす。それから友人や家族などの身近な繋がりを失い、独りぼっちなり希望をなくす。ホープレスになり、人はホームレスになる。」という言葉がワークショップで最も印象的であった。

 ワークショップ終了後、佐野未来さんや社員の方と直接お話しさせていただき、運営について、財務について詳しくお話を伺った。そしてホームレスの方々と一緒に料理を作る、定例サロンに参加させていただいた。料理教室の先生と社員の皆さん、ボランティアとホームレスの皆さんでわいわいと楽しい時間を過ごすことができた。ビッグイシューを街中で買うときくらいしかホームレスの方と話す機会がなかったため、非常に良い経験となった。参加者の中には、販売員の方はもちろん、販売員を経てホームレスを脱した方もいた。ホームレスの皆さんと実際に接し、楽しそうに参加されている姿を見て、ビッグイシューの活動の大切さを改めて実感すると共に、このような取り組みが生まれたイギリスに対する関心が非常に高まった。

活動報告

主な活動地域

イギリスの数ある都市の中でも歴史と伝統のあるウィンチェスターを主な活動地とした。ジェーン・オースティンのゆかりの地でもあることから観光地でもありながら住宅地でもあるウィンチェスターでボランティアをすることで、短い期間ではあるがイギリスのより多くの面を知ることができるのではないかと考え、ここに決めた。また、アングロ・サクソン時代には、ウェセックス王国の都として栄えた小さな街だからこそ、イギリスの本質が見えてくるのではないかと思った。

チャリティーイベントの参加を決めたバースも同様、歴史と伝統ある都市である。しかし小ぢんまりとしたウィンチェスターとは全く異なり、バースは大きな観光都市である。そこの違いも感じることができたらと思い、活動地に決めた。

・Cancer Reserch UK

私はチャリティーショップとハーフマラソンのイベントのどちらもCancer Reserch UKというNPOに登録して活動した。Cancer Reserch UKとはバイオメディカル研究チャリティー機関で主に「研究」、「情報提供」、および「公的政策への提言」などの活動を行っており、主に募金活動で集めた資金を研究助成に充てている。具体的には医師、看護師の助成に加え、ガン患者やその家族に向けたきめ細やかな情報提供や健康意識向上へのキャンペーン・パンフレットの作成、政治家や政策立案者に政策提言などをしている。総勢44,500人以上のボランティア・メンバーが運営、イベントやその他募金活動に携わっている。そのうち、17,000人が全国に570店あるチャリティーショップの運営、15,000人が「Race for Life」などのイベント運営、12,000人が地域ごとの募金活動、500人がオフィスワークに従事している。

イギリスでは他にもBritish Heart Foundationなど、医学研究への多額の助成をしている大規模なチャリティー機関もある。その中でも今回受け入れ先としてこちらを選んだ理由は各機関のホームページを読み、最も広く門が開かれていると感じたからである。また、チャリティーショップが全国に展開していることはもちろんのこと、チャリティーイベントが充実している点も魅力に感じた。

英国の医学系研究助成チャリティー機関には、ばく大な基本財産の投資運用益を研究助成に振り向けるチャリティー機関と、Cancer Reserch UKやBritish Heart Foundationのように基本財産はほとんど持たずに、遺産の寄贈や募金活動やチャリティーショップの運営によってもたらされる多額の寄付金を研究助成に向けているチャリティー機関の2種類の形態が存在する。Cancer Reserch UKの収入は以下の通りである。遺産が最大の収入源となっているのは非常に興味深い。

収入項目 年間収入額
遺産 1億5,700万ポンド(212億円)
直接的寄付 9,400万ポンド(127億円)
募金活動収入 8,300万ポンド(112億円)
イベント収入 4,700万ポンド(63億円)
慈善事業活動 6,600万ポンド(89億円)
その他ボランティア活動収入 4,500万ポンド(61億円)
その他収入 1,700万ポンド(23億円)
投資収入 1,700万ポンド(23億円)
合計 5億1,500万ポンド(695億円)

2009年・2010年

・ボランティア
【チャリティーショップ】

ウィンチェスター中心部にあるチャリティーショップで計4日間ボランティアを行った。ショップの二階がオフィス兼作業場になっており、私はそこで作業をした。内容は毎回異なり、その都度マネージャーが指示した仕事をこなした。4日間をそれぞれ分けて記述する。

 

 

1日目

マネージャーと白髪の女性と二人と一緒だった。まずカゴに入れられた洋服をハンガーにかけ、サイズをみてキューブを付ける作業。紅茶を飲んで話しながら行った。マネージャーは1階にいることも多かったので、作業をしながら白髪の女性に話を伺った。このお店でボランティアを初めて今年で9年目で、以前は自分のお店で骨董品やグラス、ジュエリーなどを売っていた。その経験を活かして寄付されたグラスやジュエリーなどを綺麗にし、値段をつける仕事をしていて、週2,3回のペースで働いているようだ。このお店には主婦や退職後にボランティアをしている方が多いようだった。女性が退勤した後、スチーマーの作業をマネージャーから教わった。ハンガーにかかった洋服が皺のない状態になったら1階のショップに随時持っていく。スチーマーをかけながら、マネージャーにお店について聞くことができた。現在ウィンチェスターのお店には20名程のボランティアがいて一番若い人で16歳の学生。お店で売られている商品は全てウィンチェスターに住む人々からの寄付。電子機器と生き物を除く全ての物を受け取っている。商品が足りなくて困ることは全くなく、毎日多くの人がお店に寄付してくれる。その言葉通り、作業場には常に洋服や雑貨が山のように積まれていた。その寄付された物のほとんどにマネージャーが値段をつけ、商品にする。マネージャーはウィンチェスター大学の学生だった頃からこのお店でボランティアを続けていて、前のマネージャーが去るタイミングでマネージャーに就任した。現在マネージャー2年目で27歳。趣味も特にないため、ショップで仕事をしているときが一番幸せだと話してくれた。

  

2日目

マネージャーとダウン症の男性と一緒だった。この日は到着してまず緊急時のマニュアルに沿って説明をしてくれた。私のような数日間しか活動できない学生に対しても細かく説明してくれ、母体のしっかりとしたお店であることを実感した。ダウン症の男性は26歳で毎週金曜日にボランティアをしている。非常に明るく、作業をしながらも常にニコニコと楽しそうにしていた。彼はボランティアをする日は1日中スチーマーをかけているが、全く飽きないしやりがいを感じると教えてくれた。彼はスチーマーをかける作業しかできないため、私はハンガーにかける作業に加えて、DVDにステッカーを貼り、値段を書く作業をした。

  

3日目

マネージャーと2人で作業をした。現地に留学しに来ている留学生がボランティアをすることはあるが、日本人がボランティアをしに来るのは初めてのようで色々と質問をされた。他のロンドンやバースに比べ、ウィンチェスターは街中を歩いていても本当に日本人がいないので納得できる。他にもチャリティーショップはあるがなぜCancer Reserchを選んだのか。なぜウィンチェスターなのか、など。翌日、4日目はマネージャーが休みの日で不在ということで、一緒に活動できる最後の日だったので、私も何点か質問させてもらうことにした。「なぜこれほどまでにイギリス人はボランティアに対して理解があり、協力的なのか。宗教と何か関係があるのだろうか。」と聞くと、「イギリス人はみんな人のために何かをしたい、人の役に立ちたいと思っているからそれを行動に移すだけ。宗教は関係なくて、人を思いやる気持ちがあるからチャリティーに協力する。」と教えてくれた。

  

4日目

マネージャーは不在だったが、メモで指示を残していってくれたため、それに従って行った。初日に一緒だった白髪の女性と、ダウン症の女性と一緒に作業をした。その日は寄付された洋服にプラスティックのタグを取り付け、サイズを記入する作業をした。このショップに在籍しているダウン症のボランティアは2日目にあった男性とこの日の彼女の二人。彼女の方が少し症状が重く、なかなかスムーズに作業が進まなかった。彼女も男性同様スチーマーのみかけることができるが、一通り自分自身でスチーマーをかけた洋服でも気に入るまで何度もやり直すため、白髪の女性は手を焼いていた。根気強く向き合っても受け入れてくれないことも多く、難しいと言っていた。それでも毎週彼女なりに頑張っているから、とボランティアの方々は非常に優しくしていたのが印象的であった。彼女がボランティアをするために、お店まで送迎してくれるソーシャルワーカーの方もいて、どんな人でもボランティアを受け入れる体制が整っているからこそ、これほどまでに多くの人が参加できているのであろう。この日は一階に洋服を持っていく作業もしたため、お客様と接する機会もあった。このお店で見慣れない顔だからか、常連の方が話しかけてくださったり、手伝ってくださったりした。小さい店内でありながらも、常にお客様が数名店内にいらっしゃるのが予想外であるのと同時に嬉しく感じた。

  

【チャリティーイベント】

バースでは、ハーフマラソンのチャリティーイベントに参加した。待ち合わせ場所で担当の方に挨拶をして、活動を開始した。私が所属したのはCheering Teamで 屋根のない二階建てバスを貸し切り、コースの中腹部分に停車させたバスの二階部分からランナーを応援するものだった。まずボランティアのTシャツを着て、社員であるお母さんと8歳の息子さんと一緒にバスに風船などで飾り付けをした。他のボランティア参加者は皆現地の大学生だった。応援グッズなどの準備をしている間にレースはスタート、選手が来ると大きな声で声援を送った。選手の友人や家族、近隣に住む人々でコースの左右は埋め尽くされた。その声援に負けないよう、精一杯グッズを使って応援した。

 

ランナーの中には着ぐるみを着ている人や仮装をしている人もいた。乳がんの検診を勧める団体のものもあった。このボランティアが終了後、担当の社員の方にカフェでお話しを伺うことができた。彼は昨年大学を卒業したばかりで、チャリティーに関わる仕事がしたいと思い、就職した。現在はこのマラソンイベントのようなイベントの企画や運営、広報の仕事をしている。広報とはガン患者のステージ(軽度とされるステージ1から末期とされるステージ4、等)の説明をイベントやデパートなどで行い、定期検診を勧めることなどをしているらしい。そんな彼にこのイベントのことなどについて聞いてみた。ランナーはこのマラソンイベントに申し込む際に1人10ポンドCancer Reserchに参加費として支払う。それをイベント活動費やがん研究に使っているようだ。日本ではこれほどまでにチャリティー、ボランティアが普及していないし、参加する人もほとんどいないということを伝えると、「日本人はお金のためじゃないと動かないと思う。人のために何かしたいという気持ちよりも自分たちの利益優先の人が多いのではないか。イギリス人はみんな他人に優しいからね。」と言われてしまった。けれど確かに日本でチャリティーショップとリサイクルショップがあったら、多くの人がリサイクルショップに物を持っていくであろう。文化の違い、根本的な考え方の違いと言ってしまえばそれまでだが、胸に刺さるものを感じた。チャリティーショップのマネージャーと同様に「なぜこれほどまでにイギリス人はボランティアに対して理解があり、協力的なのか。宗教と何か関係があるのだろうか。」と聞いてみた。すると「人の役に立ちたいという気持ちでみんなやっていると思う。本当にそれだけの理由でこの仕事をやっている」と答えてくれた。全く同じ返答に感銘を受けると共に、イギリスにおけるチャリティーのありかたがわかったような気がした。

まとめ

イギリスとチャリティー、ボランティアについて。これまで大学生活で学んできたこと、活動に際して読んだ本の中ではどれも宗教が関係していると学んできたし、私もそれを全く疑わなかった。だから宗教色の薄い日本ではそれほど普及していないのだろう、とばかり考えていた。しかし実際にイギリスを訪れ、体験してみるとその考え方が大きく変わった。私が出した答えは簡単に言ってしまえば「イギリス人は優しい」ということだ。こんな結論に至るとは渡英する前では到底想像もしていなかったので驚いた。もちろん、宗教が全く関係ないわけではないと思う。しかしイギリス人の人を思いやる心、人の役に立ちたいという気持ちでイギリスの社会は回っているのだと思う。ウィンチェスターのような小さな街でも、バースのような観光都市でもそこら中にチャリティーショップがある。人のために何かをすることが当たり前になっていることの表れであろう。それに加えて、ボランティア以外でそのように感じたきっかけとなる出来事が2つある。

まず1つは移動の合間に訪れた、ロンドンのウェストミンスター大聖堂付近での出来事だ。私が雨の中、大聖堂の写真を撮っていると親子連れが現れて、寝ているホームレスの傍に温かいコーヒーをそっと置いた。ホームレスは寝ていてそれに気づいていないが、親子連れはすぐにその場を立ち去った。誰かに強いられたわけでもなく、ホームレスに有難がられたいからでもない。ただそうすることが彼らの当たり前なのだろう。一瞬の出来事だったが、私の記憶に深く刻まれる出来事となった。また、この環境で育てば彼らが大人になっても当たり前のように人に優しくできるのも納得ができる。2つ目はウィンチェスターのスーパーでの出来事だ。買い物をしてレジを済ませると、このようなボックスが置いてあった。私は気づかずにいたが、目の前の人が中に何かを入れていることに気付き見つけることができた。

これは食べ物の寄付を集めるためのボックスである。しかもただボックスが置いてあるだけではなく、実際に食べ物が沢山中に入れられているのだ。イギリス人にとって寄付は日常的に、当たり前にすることで、生活に溶け込んでいるのであろう。

私はイギリスのチャリティーに興味をもって訪れているからこそ、このような部分に気付くことができたのだと思う。単に旅行で来ていたら絶対に気づかないくらい、皆本当に自然に、当たり前に行動に移している。日本ではまず見かけないことの連続に驚くと共に、感銘を受ける日々を過ごすことができた。宗教がどうこうという前に、身近なところから人に優しく、人のためを思って行動することがまず日本人には求められるような気がした。当たり前のことのようだが、最も大切な部分だと思う。それが多様性への理解にも繋がると、本活動を通して私は確信した。

最後に、チャリティーとは関連はないが、大学4年間英文専攻で学んできた「英米の違い」が随所で見られたのが面白かった。チャリティーショップで何気なく使ったtrashという単語が通じず、「それはrubbishよ」と教えてもらったりするようなことが何度もあり、学んできたことの意味を肌で感じることができた。大学4年間の集大成ともいえる本活動がDiversity & Inclusionの面だけでなく、英文専攻の面でもまとめとなったような、そんな活動となった。この経験を活かして社会人となってからも、Diversity & Inclusionの考え方を忘れることなく、「人に優しく」できるよう努めていきたいと思う。

謝辞

 本活動を行うに際し、本当に多くの方々にご指導、サポートしていただきました。現地のCRUKの皆さま、エントリーシート提出時から事前活動、渡航前後まで本当に熱心にご指導して下さった大田美和先生、訪問先についてアドバイスをしてくださった眞鍋倫子先生、チャリティーやホームレスについてお話を聞かせてくださった天田城介先生、そしてこのような機会を与えてくださった文学部事務室の皆さま、本当にありがとうございました。

参考文献

佐野章二(2013)『社会を変える仕事をしよう―10年続けてわかった大事なこと』

白波瀬達也(2015)『宗教の社会貢献を問い直す―ホームレス支援の現場から』

科学技術振興機構 サイエンスポータル
『キャンサーリサーチUK<英国の大規模医学研究チャリティー機関>』

https://scienceportal.jst.go.jp/reports/britain/20110901_01.html (ヒット日時:2017.3.20)