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フランス語文学文化専攻
ゼミ紹介

ゼミナールの授業内容と卒業論文の主な指導分野

阿部 成樹(あべ・しげき)

この授業ではおもにフランス美術を取り上げて、議論と発表、見学を通じてさまざまなテーマについて考え、学びます。
進め方としては、①西洋美術史の通史を素材とする「講義班」②美術館見学を企画する「見学班」に分かれて議論と企画・立案を進め、その成果をゼミでのレクチャーと見学の実施という形でそれぞれ発表します。
講義班ではテキストを用いながら、ひとつのテーマ(例えば、「ルネサンス以降の西洋美術における女性のイメージとは」など)を決めて、ゼミで連続講義を行います。それによって、西洋美術史の面白さが文字通り「身につく」実感があるでしょう。卒業論文への準備にもなります。
見学班は、10-12月に3回実施するゼミ全体での美術館見学の企画立案を行います。3回の見学を貫くテーマ(例えば、「美術館と地域のつながりとは」)を決め、それに合わせた見学先を選定し、見学のねらいをゼミで紹介し、実際の見学を組織します。それを通じて、美術をめぐる文化の現在を生(なま)で学ぶことができます。
並行して4年次には卒業研究を行います。専門文献を読み、ときには他大学や美術館を訪ね、卒論を執筆します。
上記の全てについて、もちろん担当教員がアシストします。
美術史の奥深さと美術館のアクチュアルな課題についての専門的な知識をつけるとともに、自らテーマを決める積極性と企画力、議論を通じてそれを進めるコミュニケーション能力、面白さを伝えるためのプレゼンテーション能力の獲得も目指しているゼミです。

小野 潮(おの・うしお)

授業内容

2014年度はスタンダールの小説『赤と黒』を翻訳と原文の抜粋で読んでいきます。スタンダールはバルザックと並んで十九世紀前半のフランスを代表する小説家で、『赤と黒』および『パルムの僧院』という二作品によってとりわけよく知られています。主人公ジュリアン・ソレルは地方の貧しい階級の出身者ですが、幼少期に彼の頭の良さを認めた町の司祭によってしっかりとした教育を施され、最初は町長の家の家庭教師として町の上流階級の世界に入り込み、一旦ブザンソンの神学校を経由した後、今度はその神学校長の推薦を得て、パリの大貴族の私設秘書となり、パリの社交界に入り込みます。しかも生まれた町では町長の妻レナール夫人、パリでは自分の主人ラ・モール侯爵の娘マティルドと恋愛関係になり、マティルドと結婚する寸前までになります。しかし侯爵からの問い合わせに答えたレナール夫人からの手紙は、ジュリアンを野心にとらわれ、成り上がるために婦人の誘惑をもっぱらとする人間として描き出すものでした。ジュリアンの野心はついえ、彼は生まれ故郷の町にとって返してレナール夫人への狙撃事件を起こし、裁判にかけられた後、断頭台の露と消えます。しかし、本当のジュリアンはこの梗概で想像されるような単なる野心家ではなく、人の情に感じやすく、自然の美しさへの感受性にも欠けておらず、愛する者、自分が大事に思うことのためには、自分が得た地位・金銭をいつでも投げ出す用意がある独特の倫理観を備えた人物です。授業では翻訳を用いて大筋をとらえつつ、とくに注目すべき箇所を原文抜粋で読み進めていきます。
ゼミのもうひとつの軸は卒業論文の準備です。3年生からやってもらう作業を折々に提示し、無理なく卒業論文の執筆に進んでいけるようにしたいと考えています。卒業論文で取り上げる題材は作家論でも、作品論でも、文化論でも結構です。

主な指導分野

小野自身の関心は作家としては19世紀前半の作家、スタンダール、コンスタン、スタール夫人、シャトーブリアンでフランス革命期にも大いに関心があります。現代の著述家としてはブルガリア出身の歴史家、エッセイスト、ツヴェタン・トドロフの著作にはよく親しんでいて、何冊か翻訳も出しています。

加藤 京二郎(かとう・きょうじろう)

授業内容

フランスの歴史と文学について学びます。19世紀フランスに起きた様々な出来事と、それらを背景とした文学作品を取りあげ、歴史を学びつつ作品を鑑賞します。たとえば2年次の専門科目「フランス文学入門演習」の教科書 «CODEX» にはランボーの「谷間に眠る者」が取りあげられていますが、これは普仏戦争を背景に書かれた反戦の詩です。普仏戦争はフランスといまのドイツ(当時はプロイセン)の間に起きた戦争ですが、有名なドーデの「最後の授業」やモーパッサンのいくつかの短編などもこの戦争が背景となっています。19世紀はナポレオンの皇帝即位に始まって、王政復古、七月革命、二月革命、ルイ・ナポレオンのクーデター、普仏戦争、パリ・コミューンなど様々な政治的出来事がありました。さらに国外ではフランスも関わったギリシアの独立戦争やクリミア戦争などが起きています。これら歴史的事件を辿りながら、それと深く関わる文学作品(詩と短い散文)を読んでゆくことにします。フランスの近代史を復習しながら同時代の文学作品を深く味わい、歴史と文学の関係を考察してみます。
以上の作業とは別に、時折われわれが生きている現代に立ち戻って、時事的な文章も読むことにします。こちらはNHKが毎日インターネット上で配信している World Daily Newsのフランス語版をコピーして配布します。文章自体は簡単なので、日本の新聞に目を通しておけば比較的楽に読むことができるでしょう。さらに、Le Monde や Le Figaro、Le Point などフランスの代表的な新聞や雑誌がインターネット上で公開している文化的・社会的記事も折に触れ読んでみます。ジャーナリズムを通して日本とは異質な社会的傾向や文化的特色、日仏双方の思考形態や感性の相違などを読み取ることが目的です。

指導分野

卒業論文の主題に制限は設けませんが、主な指導範囲は19・20世紀のフランス近・現代詩です。

注意事項

基本的には卒業論文を作成することが履修条件となります。

斉木 眞一(さいき・しんいち) 

授業内容

テーマはフランスの食文化です。人間にとって極めて身近な食べるという行為については、それを中心にして広大な文化が形成されていますが、とりわけフランスではその傾向に顕著なものがあります。フランス文化の隅々にまで波及しており、ゼミではすでに十年もこのテーマを掲げていますが、毎年いろいろなことがわかってきて、なかなかやめられません。
まずは前期を通して、日本語で書かれたものを中心に、基礎的な文献を読みながら、フランス食文化の特色や由来などを学びます。今年度は鯖田豊之『肉食の思想』を取り上げました。肉とパンで構成された食生活の伝統が、ヨーロッパに根強い階層意識や社会意識をいかに規定しているか、というのが主なテーマです。
後期に入ってからは、前期に学んだことを具体的な作品(一年交代で小説か映画)に読み取る作業を行います。フランス語に細心の注意をはらいながら、作中の食事風景や食べ物の話題などを手掛りに、分析および解釈をしていきます。一編の作品にはさまざまな事象が互いに関連しながら渾然一体となって描き込まれているわけですから、食を入口としながらも多くのことを考える契機となるでしょう。現在はモーパッサンの短編小説『首飾り』に前期のテーマがどのように表れているか探っているところです。
授業は個人あるいは3人前後のグループによる口頭発表をもとに、自由に議論する形で進めています。教材に沿った課題を各学期のはじめに提示しますので、それにしたがって準備して教室で発表、という段取りです。

主な指導分野

専門はプルーストをはじめとする近・現代小説です。人間のことなら何でも書いてあるような長い小説に惹かれる原因となったのか、あるいはそれに長年つき合ってしまった結果なのか、19世紀から20世紀にかけてのフランス文化全般にも広く関心があります。

永見 文雄(ながみ・ふみお)

ゼミのテーマ

J.-J.ルソーの『ジュリー』(『新エロイーズ』、1756年夏から58年夏に執筆、1761年初頭刊)を研究します。この書簡体の恋愛小説は「18世紀のもっとも美しい作品」と言われていますが、文学作品として高く評価されるだけでなく、ルソーの哲学・思想を理解する上でも見逃せない著作です。主要登場人物5名とその他数名が1733年秋から1745年秋の終わりまでと思しき12年間に渡って交わす163通の手紙から構成されるこの小説(全6部)は、構想の大きさ、内容、いずれの点でも十分に読み応えがあります。何ものをも打ち負かす抗い難い「時」の暴力に抗って生き延びる「愛」を主題にした恋愛小説と一応は言えますが、ふたりの若い恋人と彼らを取り巻き支え見守る人々との間の手紙であるだけに、そこには恋愛のみならず、友情、結婚、家庭、夫婦、親子関係、子供の教育、芸術、信仰、死など、およそ人生のあらゆる問題が盛り込まれています。この魅力的な長編小説を是非皆さんに知ってもらいたい―これが私の希望です。2014年度は第3部の途中から読み進めます。

授業の進め方

授業は(1)上記『ジュリー』のフランス語読解と、(2)卒論のための個人発表の2本立てで構成されます。学年初めに著者ルソーの人と作品・思想について私が概説的な講義を行い、『ジュリー』の執筆から刊行に至る経緯、全体の構成、作品の興味、これまでの物語の展開について解説し、参考文献・邦訳を紹介します。毎回1名の学生が書簡ひとつを担当し、内容要約を発表します。これと並行して卒論に向けた個人発表も随時行います。夏休みに行われるゼミ合宿の際には、ゼミのテーマ(『ジュリー』研究)に即して、または卒論に向けて、各自口頭発表をします。オペラや映画の鑑賞も行います。永見ゼミ参加者は卒業後も「ジュリー会」のメンバーとして末永く交流を続けます。

指導分野

私の専門は17・18世紀の古典・啓蒙主義時代の文学・思想ですが、演劇・音楽・絵画・哲学・映画などフランスとヨーロッパの文化に関することなら幅広く指導します。

テキスト・参考書

<テキスト>
J.-J. Rousseau, Julie ou La Nouvelle Héloîse, Garnier-Flammarion(研究室扱い)。翻訳は、白水社『ルソー全集』第9・10巻(松本勤訳『新エロイーズ』)、岩波文庫『新エロイーズ』(安士正夫訳、全4巻)、ただしどちらも現在絶版のため、図書館で借りるかアマゾンなどで中古本を探してください。

<参考書>
永見文雄『ジャン=ジャック・ルソー-自己充足の哲学』(勁草書房、2012年)、ブリューノ・ベルナルディ『ジャン=ジャック・ルソーの政治哲学-一般意思・人民主権・共和国』(勁草書房、2014年刊行予定)。

Michaël FERRIER (ミカエル・フェリエ)

テーマ

Langue, littérature et politique chez les écrivains d'expression française

  1. 授業概要・内容 :
    il s'agit d'étudier dans ce cours des écrivains d'expression française d'Europe, d'Afrique, des Caraïbes et de l'Océan indien. Pour chacune de ces zones géographiques, nous lirons des extraits de textes (écrivains du XXe siècle et contemporains), en portant notre attention sur leur extraordinaire fécondité linguistique, leurs ressources poétiques et politiques, et les enjeux dont ils sont porteurs – pour l'écriture et pour la pensée – en ce début de XXIe siècle.
  2. 作家 :
    Aimé CESAIRE (Martinique), Patrick CHAMOISEAU (Martinique), Ahmadou KOUROUMA (Côte d'Ivoire), Amadou HAMPATE BA (Mali), Agota KRISTOF (Hongrie), Antonine MAILLET (Canada), Kateb YACINE (Algérie), Abdelkebir KHATIBI (Maroc), Axel GAUVIN (La Réunion)
  3. 成績評価の方法・課題 :
    1 examen en juillet, 1 examen en décembre. Le dictionnaire japonais-français est autorisé pendant l'examen.
  4. テキスト・参考書 :
    les textes sont distribués à l'avance, sous forme de photocopies.