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ドイツ語文学文化「ゼミ演習」(『2018年度文学部ガイドブック』より) 林 明子 教授

文学部教授 林 明子
日本語とドイツ語の対照研究(文章・談話の分析)、外国語教授法と日本語教育、会話における沈黙の研究などを行っている。

テーマの発見から文献・データの収集、論文作成に至るまで大学での研究活動の基本が鍛えられます

授業のテーマ 「ゼミ生の関心領域に合わせて設定します」

毎年、ゼミ生の関心領域に配慮しながらテーマを設定します。2016 年度は、語用論とテクスト言語学を取り上げました。どちらも、ことばを使うコミュニケーション行動に深く関連します。情報のやり取りをめぐっては、「発信する側」「受容する側」の意図や態度、「情報」の実現のされ方(たとえば、語彙や表現、場面、メディア)など、少し考えただけでも、さまざまな角度からの分析・考察が可能です。

授業の進め方 「各個人のゼミ論文経過報告を基に討議を進めます」

まず、ゼミのテーマに関する文献を読み、基本的な用語や方法論を確認します。その後、ゼミ生がそれぞれ自分の研究テーマを決めて、それに必要な専門分野の文献リサーチ、言語データの収集を始めます。自分の研究に関連する先行研究の紹介、収集したデータの分析と考察、とステップを踏みながら途中経過を発表します。発表前の個人指導と授業中の討議を通して、理解を深め、ゼミ論文をまとめます。

身につく力 「ドイツ語と比較することで日本語にも新しい発見があります」

普段、当たり前のように考えて見過ごしていることばのおもしろさに気づきます。文学作品でも、新聞や雑誌でも、映画でも、会話でも、広告でも、ことばを使ったものは日常生活の中に溢れています。身の回りを観察する力、自力でデータを集める力、データを客観的に分析し、それに基づいて考察する力(印象論ではなく!)が身につきます。ドイツ語や他の言語と日本語を比べてみると、日本語についても新しい発見があります。言語分析には、自分の頭の後ろを合わせ鏡で見るような側面があり、「技術」(方法論)を要しますが、当たり前に思っていること、思い込んでいることを客観的に見てみることで、思いがけない世界が開けます。