文学部

英語文学文化専攻 教授 大田美和が映画『金子文子 何が私をこうさせたか』のプログラムに寄稿

2025年11月06日

英語文学文化専攻 教授 大田美和が 浜野佐知監督の映画『金子文子 何が私をこうさせたか』のプログラムに寄稿し、その一部がチラシと映画のHPにも掲載されました。

浜野佐知監督の映画『金子文子 何が私をこうさせたか』は、アナキスト 金子文子の最後の121日間を描いた映画です。金子文子は朴烈とともに、皇太子を狙った爆弾犯としてフレームアップ(でっち上げ)され、大逆罪によって死刑判決を受けますが、恩赦により無期懲役となり、宇都宮刑務所栃木支所に収監されました。女子刑務所の所長、支所長、特高警察、教誨師たち、女監たち、女囚たちとの人間ドラマが展開します。今年、原爆の図丸木美術館で開催された「自由を扶く人 望月桂」展で再評価されたアナキストの画家 望月桂も、同志として登場します。

映画『百合子、ダスヴィダーニャ』や『雪子さんの足音』に出演した菜葉菜をはじめとして、実力派の俳優たちが熱演し、緊迫した画面を作っています。映画『百合祭』以来、浜野監督の映画に出演して来た吉行和子は、これが遺作となりました。

この映画の中で、121日間の金子文子の心境と思想的深まりを語るのは、金子文子が残した短歌12首です。そのうち3首をご紹介しましょう。

 我が心嬉しかりけれ公判で死の宣告を受けし其の時
 月は照る 月は照らせど 人の子は果てなき闇路を辿りつつあり 
 手足まで不自由なりとも死ぬというただ意志あらば死は自由なり

映画『金子文子 何が私をこうさせたか』は、来年2月28日から渋谷ユーロスペース、3月末から横浜シネマリンなど、全国の映画館で公開されます。ぜひごらん下さい。

詳しくは、映画のHPをお読み下さい。https://kanekofumiko-movie.com/

映画『金子文子 何が私をこうさせたか』
監督 浜野佐知
製作・配給 旦々舎
2026年、121分