文学部

英語文学文化専攻教授 大田美和の講演と対談が『歌壇』9月号に掲載

2025年08月21日

英語文学文化専攻教授 大田美和による道浦母都子歌集『無援の抒情』についての講演と、著書の道浦母都子さんとの対談が、『歌壇』9月号(本阿弥書店)に掲載されました。

この講演と対談は、2025年6月18日に現代歌人協会主催の公開講座「協会賞歌集を読み直す」の第3回として、市ヶ谷のプラザエフで実施されたものです。

講演は、作者や同時代人が消えた後に見えてくるものを見ようとする努力が批評行為であるという問題提起から始まり、全共闘世代の歌集として名高い『無援の抒情』を世界文学として開く試みがなされました。講演の中で引用言及されたのは、水田宗子、近藤芳美、朝日歌壇、土屋文明、『ミャンマー証言詩集 いくら新芽を摘んでも春は止まらない』、映画『わが青春尽きるとも 伊藤千代子の生涯』、来年公開の映画『金子文子 何が私をこうさせたか』、小説『あん』、『道浦母都子全歌集』資料篇に収録されている中央大学元教授の関礼子の論考等でした。

対談では、道浦母都子さんが普通の女子学生として全共闘運動に参加し、騒乱罪で逮捕された経験などが語られました。歌人の近藤芳美から受けた教えとして、丸木位里・丸木俊の『原爆の図』『沖縄戦の図』のような短歌を作りなさいと言われたことも語られました。最後に、道浦母都子さんの新著のエッセイが紹介され、ハンセン病療養所を、そして沖縄を訪問しましょうということで対談は閉じられました。

ぜひお読み下さい。『歌壇』9月号は、書店やインターネット書店等で発売中です。