文学部

【新刊紹介】文学部教授 川喜田敦子 訳『ヒトラー 1889-1936 傲慢』/文学部兼任講師 福永美和子 訳『ヒトラー 1936-1945 天罰』(白水社創立百周年記念出版)

2016年05月05日

文学部教授 川喜田敦子訳『ヒトラー(上)1889-1936 傲慢』(白水社2015)、および文学部兼任講師 福永美和子訳『ヒトラー(下)1936-1945 天罰』(白水社2016)(上下巻とも東京大学大学院総合文化研究科教授 石田勇治氏の監修)が刊行されました。本書は、ナチズム研究の世界的権威である英国のドイツ史家イアン・カーショーの手になるヒトラー伝です。「ヒトラー研究の金字塔」ともいえる本書では、上巻『1889-1936 傲慢』でヒトラーの誕生から1936年までの前半生、下巻『1936-1945 天罰』で1945年の死にいたるまでの後半生が描かれています。

 

ヒトラー(上)1889-1936 傲慢

内容

「ヒトラーの歴史は、したがってヒトラーの権力の歴史として書かれなければならない。いかにしてヒトラーが権力を手にしたか、その権力の特質は何だったか、ヒトラーはその権力をいかに行使したか、なぜヒトラーはあらゆる制度上の障壁を越えてその権力を拡大しえたか、ヒトラーの権力に対してなぜあれほど弱い抵抗しかみられなかったのか。ただし、こうした問いは、ヒトラーだけではなく、ドイツ社会に向けられねばならない。」(本文「ヒトラー省察」より抜粋)

 

目次

ヒトラー省察

第1章 夢と挫折

第2章 転落

第3章 高揚と憤激

第4章 才能の発見

第5章 ビアホールの扇動家

第6章 「太鼓たたき」

第7章 指導者(フューラー)の登場

第8章 運動の掌握

第9章 躍進

第10章 権力に向かって

第11章 独裁体制の確立

第12章 権力の全面的掌握

第13章 総統のために

 

▽単行本:802頁

▽出版社:白水社

▽ISBN:9784560084489

 

上巻の詳細は、白水社のウェブサイトをご覧ください。

 

ヒトラー(下)1936-1945 天罰

内容

「ヒトラーは手にすることを許された絶対的な権力を一体どのように行使したのだろうか。どうしてドイツの最高権力者は、近代国家では類のない、高度に個人化された支配形態に縛られるようになったのだろうか。[…]そしてまた、この近代国家の市民は一体なぜ、人類がこれまで経験したことのないジェノサイド的絶滅戦争に加担することになったのだろうか。その戦争は、国家が計画し実行した未曽有の規模の大量殺戮、ヨーロッパ全土の荒廃、そしてついには彼ら自身の祖国の最終的破壊に行き着いたのだった。」(本文「序文」より抜粋)

 

目次

一九三六年―勝ち誇るヒトラー

第1章 不断の急進化

第2章 膨張への推進力

第3章 ジェノサイド・メンタリティの兆し

第4章 誤算

第5章 一か八か

第6章 解き放たれた野蛮

第7章 権力の絶頂

第8章 「絶滅戦争」の構想

第9章 決戦

第10章 「予言」の実行

第11章 最後の大博打

第12章 包囲されて

第13章 奇跡を願って

第14章 悪運

第15章 絶体絶命

第16章 奈落へ

第17章 破滅

 

▽単行本:1144頁

▽出版社:白水社

▽ISBN:9784560084496

下巻の詳細は、白水社のウェブサイトをご覧ください。