国文学専攻

国文学専攻教授 吉野朋美ゼミ 合宿を実施

2026年08月07日

中世ゼミ(担当:吉野朋美教授) ゼミ合宿を実施

 国文学専攻の専門科目「ゼミナール(1)・(2)」(中世文学ゼミ/担当:吉野朋美 文学部教授)では、7月27日から29日まで岐阜でゼミ合宿をおこない、鵜飼いを見たり美濃和紙の紙漉き体験をしたりしました。鵜飼いは、中世文学作品の重要なモチーフのひとつでもあり、美濃和紙は障子紙や書写に重宝された和紙です。また、岐阜は東海道と中山道が通り、戦国時代の城が点在してもいます。こうした文学作品にゆかりのある事柄や土地を実際に体感することで、中世という時代や作品の理解を深めることが目的です。
 初日は新幹線と東海道本線を乗り継いで岐阜へ向かい、まずは斎藤道三の居城でもあり、その後織田信長が天下統一の本拠地とした岐阜城(稲葉山城)に向かいました。今夏は改修工事中で城には入れませんでしたが、眼下の眺望で往時に思いをはせつつ、次にうかいミュージアムに行き、鵜飼いの歴史や鵜飼いでの魚の捕り方を学び、その後長良川の鵜飼いを屋形船に乗って鑑賞しました。古く、奈良時代からおこなわれ、信長の時代に保護と鑑賞の対象となり、現在の鵜匠は宮内庁式部職の職員という由緒ある鵜飼いを間近に見、その迫力に皆で感動しました。「鵜飼舟高瀬さしこすほどなれやむすぼほれ行く篝火の影」(新古今集・夏・寂蓮)の闇の中の篝火の幻想的な光景や、「久方の中なる河の鵜飼舟いかに契りて闇を待つらん」(同・定家)の光と闇を対照させ鵜飼いの罪業を詠む歌などを、まざまざと想起させる光景でした。
 二日目は自由行動で、宿泊地の岐阜を中心に、各自、事前に調べた岐阜や愛知の名所――関ヶ原や高山、大垣、犬山城、名古屋城などを自由にめぐりました。この日は全員がどこかでゲリラ雷雨に遭ってしまいましたが、皆無事に楽しんだようです。
 三日目は、在来線を乗り継いで美濃市へ行き、美濃和紙の里会館で、紙漉き体験をしてきました。和本の判型に「美濃判」というのがあるくらい代表的な和紙である美濃紙を実際に自分たちで漉いてみることで、紙の重要性や日本の製紙技術を学びました。
 暑さ厳しい真夏の旅でしたが、二日目の雷雨以外はお天気にも恵まれ、参加者全員が元気に、何事もなく旅行を終えることができました。個人ではなかなか体験できないことを、自身の専攻する中世文学にゆかりのある地でゼミの仲間と一緒にしたことは、今後中世文学を学んでいく上での一助になるでしょう。
 なお、この合宿は文学部「特色ある学部教育補助予算」の助成を受けて実施しました。助成に感謝いたします。