社会科学研究所

研究チーム

当研究所では、共同研究チームを組織するという形で研究活動を行っています。活動内容は、研究会等の開催や、現地調査、合宿研究会などです。研究期間は原則として3年間で、最長5年間まで延長することができます。研究成果は、刊行物の発行やシンポジウム等で公表されています。公開の研究会、講演会等は、研究員以外の方も参加できます。また、外国人研究者の受入等、国際的な研究交流も積極的に行われています。毎年10程度のプロジェクトが採択されており、現在下記のプロジェクトが稼働中です。

これ以前の研究チームはこちらから

2023年度

多様化する家族
Plurality of Families
2018.4~2024.3 山田 昌弘 文学部
ジェンダーの変容は世界規模で進んでいる。それに伴って男女の関係、夫婦のあり方、家族の様相も変容し続けている。未婚、卒婚、同性婚等、変容する家族のあり方を日本のみならず、アジア、そして世界の視点で考える。
うごきの比較学
Towards Comparatology of Nascent Moments
2019.4~2024.3 新原 道信 文学部
「可視的局面」の背後で諸個人の深部で不断に醸成されている「潜在的局面」に着目し、その“うごき(nascent moments)”と、社会そのものの変動(transformation/ transcendence/ changing form/ metamorphose)との関係性の動態を理解することを目的とする。個々人の深部における微細でリフレクシヴ(再帰的/内省的/照射的)な“うごき”に着目し、その“うごき”の方向性に応ずるかたちでの社会構想―問題のなかに予め答えが含まれているような「問題解決」ではなく既存の領域を横断して新たな問いを立てる「学」の創出を企図する。
生存保障システムの形成と変容
Transformation of Life Security System
2020.4~2025.3 天田 城介 文学部
本研究の目的は、それぞれの国家・地域において「生存保障システム」と呼ぶべき社会的仕組みが時代的・歴史的な文脈のもとでいかに変容してきたのか、それは1990年代以降のグルーバル化・高度情報化・少子高齢化のもとでどのような綻びを示してきたのかを社会学的に解明することを目的とする。本研究は、これまで「戦後日本型生存保障システム」や「福祉レジーム論」として論じられてきたことを緻密かつ詳細な比較分析を通じて解明すること、そしてその結果をダイナミックな社会理論から解読することを通じて、「生存保障システム」の複数性・重層性を析出することになる点にもっとも大きな意義を有する。
文化現象の政治的、歴史的、法的分析:学際的挑戦
Political ,Historical and Legal Analysis of Cultural Phenomena :Interdisciplinary Challenge
2020.4~2026.3 西海 真樹 法学部
本研究は、以下の3つの問いにたいして、学際的に応答することを目的とする。
(1)広い意味の文化を、人間の意味ある生に必須の(自然環境と並ぶ)文化環境として捉えることが妥当かどうか?
(2) 20世紀の欧米中心的な文化現象と、新たに生じつつある多文化・多文明化という文化現象とは、いかなる相互作用を営んでいるか?この相互作用を通じて、双方はどのような変容を被りつつあるか?
(3)文化現象を捉えるためのより適切で普遍的な仮説または認識枠組とは、いかなるものか?
これらはいずれも、これまで十分検討されることがなかった重要な問いであり、それへの学際的な応答の模索は、学問的に大いに意義あるものと言えるだろう。
政治意識と行動
Political Awareness and Behavior
2020.4~2025.3 三船 毅 経済学部
現代日本における有権者の政治意識と行動を分析し、その経時変化及び政治体制への影響を分析する。
東アジアにおける社会変容
Globalization and Social Change in East Asia
2021.4~2026.3 野宮 大志郎 文学部
本研究チームでは、今日の東アジアにおけるマクロ変動が人々の生活にもたらす影響や帰結を同定し、あわせてそこに潜む社会的リスクを指摘することを目的とする。今日の東アジアは、世界で最も変化の激しい地域のひとつである。これは「一帯一路」建設などの流通基盤の変化、民主主義と非民主主義の相克、情報基盤の拡大と情報流通経路の複雑化といった政治・経済・文化における大きなインフラ変化に起因するところが大きい。こうした変化は、生活する個人のレベルでは、経済機会の拡大や政治的発言権の増大をもたらすこともあるが、同時に、伝統文化の崩壊やコミュニティ・家族の瓦解をも引き起こしかねない。一帯一路政策を例に取れば、2012年以降、それがもたらすと想定された経済圏の再編と経済的向上に多くの視線が注がれたが、2019年辺りから、この政策がもたらす搾取と経済的困窮(国家のレベルでは「借金漬け」)に多くの視線が注がれるようになっている。他方、この研究領域では、未だわからないことが多い。社会変化があまりにも巨大すぎることや今まさに起こっていることを対象とするということが一定の質を保った研究を妨げているように思われる。それゆえ、この研究プロジェクトでは、まず人々の生活に視点を固定し、社会変化を同定することを第一の目的とする。観察の結果、大きな社会変動が人々の生活のリスクを増大させると考えられる場合には、警鐘を鳴らす努力を行う。
「外国」に関する日本人の知識:私たちは何を「知って」いるのか
Japanese people’s knowledge of other countries
2021.4~2025.3 安野 智子 文学部
安野・榎本(2020『中央大学文学部紀要』)は、日本人が中国・韓国についてどのような知識を持っているのか、ウェブモニタ調査を用いて検討した。その結果、中国に関する日本人の知識は、歴史と日中対立に、また韓国に関する知識はポップスターと日韓対立に偏る傾向にあり、現代の中国・韓国社会の知識は乏しいものであることが明らかになった。本研究チームでは、これらの知見を踏まえ、「日本人が外国の何を知っているのか、それがその国への感情にどのような影響を与えるのか」を検討する。「知識」の測定は難しく、大規模な調査は世界的にもほとんど行われていない。この研究チームの成果をきっかけに、諸外国の研究者とも連携をとりながら、国際比較調査に結び付けていきたいと考えている。
気候変動法と政策:超域的視点の形成
Climate Change Law and Policy Beyond Borders: Interdisciplinary Approach
2022.4~2025.3 牛嶋 仁 法学部
本研究の目的は、気候変動に関する法と政策の形成における超域的な動態を研究することである。本研究にいう「超域的」視点とは、グローバル社会・地域・国家・地方自治体等の多層間、政府・市民・企業等のアクター間、学際(学問領域間)、理論と実務、理論と実証などの領域を超えた気候変動政策・規範形成に関する相互影響や関係を分析・評価・創造する視点を意味する。
本研究の学術的意義は、気候変動に関する法と政策の形成プロセスや世界各地で起こっている気候変動訴訟をとりまく状況の超域的な側面を分析・評価し、シナジーにより新たな視点を創造することにより、研究チームのメンバーが問題意識を共有し、調査・分析にそれを役立てることにある。本研究は、当初、法律学・政治学分野の研究者により着手されるが、気候変動問題の性質上、社会科学分野の研究者のみならず、自然科学分野の研究者や実務家を交えて研究を行う必要がある。このため、研究チーム発足後に共同研究者を広く募ることを予定している。また、研究協力者として、海外の研究者、官公庁職員、企業やN G Oの職員にも参加していただく。
本研究の社会的意義は、気候変動問題における超域的な研究から得た知見を生かして、メンバーが気候変動法政策について実態解明と提言を行うことなどにより、日本における気候変動政策・規範の形成を促し、ひいてはグローバル社会に貢献する点にある。
本研究の先行研究として、本学において研究クラスター形成支援課題「気候変動政策・規範形成に関する超域間動態の研究」(牛嶋代表)が2021年8月より2022年7月まで実施される予定である。本共同研究は、当初この研究の基盤としても位置づけられ、その後、それを引き継ぎ実施する。
ジェンダーと政治、歴史、思想の交差点
Gender and its Intersection of Politics,History and Thought
2022.4~2025.3 鳴子博子 経済学部
コロナ禍の収束が見通せない中、「女性の貧困」、「生理の貧困」は全世界で非正規雇用、世話(ケア)労働の担い手に大きな偏りのある社会の矛盾、歪みを表す時代の言葉となっている。
本研究は、なぜジェンダー構造は変容しつつも維持されるのか、格差解消のために必要なものは何かという問いを掘り下げ、分析することを目的とする。政治学、歴史学、思想史など多様なアプローチからの研究成果を持ち寄り討議する交差点となることを目指している。
東アジアの共生の作法
Manners of the Symbiosis in East Asia
2022.4~2025.3 首藤明和 文学部
今日、世界人口の2割あまりをムスリムが占めており、イスラーム世界を排除しない形での、持続可能なプラネタリー・ソサイエティの構築が求められている。信仰を異にする人びととのあいだで、ムスリム自身は、いかなる共生の作法を実践しているのだろうか。また、そうした作法が、特定の文脈だけでなく他の文脈においても問題解決の道筋を示しうるとしたら、どのような条件が必要なのだろうか。
また、ムスリムに限らず、エスニシティや地域社会、市民社会などの多様なアクターにおいて、いかなる共生の作法が実践されているのだろうか。
本研究ではアジアのムスリムや、イスラームとは信仰を異にするエスニシティ、あるいは地域や市民社会のアクターを対象にして、ヨーロッパ、アフリカ、中南米などアジア世界とは異なる世界との比較も行いながら、歴史的かつ現在的なアジアの共生の作法を、実態と言説の両側面から明らかにする。
大学の教養教育に関する国内的および国際的比較
Comparative Studies on Liberal Arts Education in Universities in Japan and other countries.
2022.4~2025.3 中坂恵美子 文学部
本研究のテーマは、これからの大学における教養教育の方法の考察である。日本では、1991年の大学設置基準大綱化により、一般教育と専門教育の区分が廃止され、一般教育内の科目区分も廃止された。その後、教養教育の在り方は、それぞれの大学で異なるものとなったが、30年を経た現在、特徴的な教養教育のカリキュラム等が開発されているのかどうか、そして、それらにはどのようなものがあるのかを調査する。また、日本以外の国における、大学での教養教育の位置づけや特色ある実践に関しても調査を行い、比較、検討する。
ヨーロッパ研究ネットワーク 1996.4~ 新原 道信 文学部
1996年4月からスタートした「ヨーロッパ研究ネットワーク(International Network of European Studies:INES)」はさまざまな研究交流を行ってきたが、プロジェクト発足以来長い時間がたち、研究所内での位置づけも変化してきているため、プロジェクトのあり方について検討がなされ、実質的な活動の運営方法は他の研究チームと同様に研究期間を定めたプロジェクト方式で行うこととした。2013~2015年度は研究チーム「3.11以降の『惑星社会』」、2016~2018年度は研究チーム「惑星社会と臨場・臨床の智」、2020~2021年度は研究チーム「グローバリゼーションへの抵抗」を設立し、実質的な活動を行っている。また、「ヨーロッパ研究ネットワーク」の名称は、国内外との研究機関と継続的な研究交流を行う際に引き続き使用することが、研究員会で認められている。

2022年度

情報社会の成長と発展
Development and Evolution of Information Society
2017.4~2023.3 飯尾 淳 国際情報学部
日本における情報社会の成長と発展を支えてきたFLOSS(Free/Libre/Open-Source Software)の歴史を振り返るとともに、現代における活用の状況を探ることを目的とする。これまであまり明文化されてこなかった1990年代から2000年代にかけて日本にFLOSSが導入されてきた状況を詳らかにしたうえで、現代の活用例についてケーススタディを中心として明らかにする。
多様化する家族
Plurality of Families
2018.4~2023.3 山田 昌弘 文学部
ジェンダーの変容は世界規模で進んでいる。それに伴って男女の関係、夫婦のあり方、家族の様相も変容し続けている。未婚、卒婚、同性婚等、変容する家族のあり方を日本のみならず、アジア、そして世界の視点で考える。
うごきの比較学
Towards Comparatology of Nascent Moments
2019.4~2024.3 新原 道信 文学部
「可視的局面」の背後で諸個人の深部で不断に醸成されている「潜在的局面」に着目し、その“うごき(nascent moments)”と、社会そのものの変動(transformation/ transcendence/ changing form/ metamorphose)との関係性の動態を理解することを目的とする。個々人の深部における微細でリフレクシヴ(再帰的/内省的/照射的)な“うごき”に着目し、その“うごき”の方向性に応ずるかたちでの社会構想―問題のなかに予め答えが含まれているような「問題解決」ではなく既存の領域を横断して新たな問いを立てる「学」の創出を企図する。
生存保障システムの形成と変容
Transformation of Life Security System
2020.4~2024.3 天田 城介 文学部
本研究の目的は、それぞれの国家・地域において「生存保障システム」と呼ぶべき社会的仕組みが時代的・歴史的な文脈のもとでいかに変容してきたのか、それは1990年代以降のグルーバル化・高度情報化・少子高齢化のもとでどのような綻びを示してきたのかを社会学的に解明することを目的とする。本研究は、これまで「戦後日本型生存保障システム」や「福祉レジーム論」として論じられてきたことを緻密かつ詳細な比較分析を通じて解明すること、そしてその結果をダイナミックな社会理論から解読することを通じて、「生存保障システム」の複数性・重層性を析出することになる点にもっとも大きな意義を有する。
文化現象の政治的、歴史的、法的分析:学際的挑戦
Political ,Historical and Legal Analysis of Cultural Phenomena :Interdisciplinary Challenge
2020.4~2025.3 石山 文彦 法学部
本研究は、以下の3つの問いにたいして、学際的に応答することを目的とする。
(1)広い意味の文化を、人間の意味ある生に必須の(自然環境と並ぶ)文化環境として捉えることが妥当かどうか?
(2) 20世紀の欧米中心的な文化現象と、新たに生じつつある多文化・多文明化という文化現象とは、いかなる相互作用を営んでいるか?この相互作用を通じて、双方はどのような変容を被りつつあるか?
(3)文化現象を捉えるためのより適切で普遍的な仮説または認識枠組とは、いかなるものか?
これらはいずれも、これまで十分検討されることがなかった重要な問いであり、それへの学際的な応答の模索は、学問的に大いに意義あるものと言えるだろう。
政治意識と行動
Political Awareness and Behavior
2020.4~2025.3 三船 毅 経済学部
現代日本における有権者の政治意識と行動を分析し、その経時変化及び政治体制への影響を分析する。
東アジアにおける社会変容
Globalization and Social Change in East Asia
2021.4~2025.3 野宮 大志郎 文学部
本研究チームでは、今日の東アジアにおけるマクロ変動が人々の生活にもたらす影響や帰結を同定し、あわせてそこに潜む社会的リスクを指摘することを目的とする。今日の東アジアは、世界で最も変化の激しい地域のひとつである。これは「一帯一路」建設などの流通基盤の変化、民主主義と非民主主義の相克、情報基盤の拡大と情報流通経路の複雑化といった政治・経済・文化における大きなインフラ変化に起因するところが大きい。こうした変化は、生活する個人のレベルでは、経済機会の拡大や政治的発言権の増大をもたらすこともあるが、同時に、伝統文化の崩壊やコミュニティ・家族の瓦解をも引き起こしかねない。一帯一路政策を例に取れば、2012年以降、それがもたらすと想定された経済圏の再編と経済的向上に多くの視線が注がれたが、2019年辺りから、この政策がもたらす搾取と経済的困窮(国家のレベルでは「借金漬け」)に多くの視線が注がれるようになっている。他方、この研究領域では、未だわからないことが多い。社会変化があまりにも巨大すぎることや今まさに起こっていることを対象とするということが一定の質を保った研究を妨げているように思われる。それゆえ、この研究プロジェクトでは、まず人々の生活に視点を固定し、社会変化を同定することを第一の目的とする。観察の結果、大きな社会変動が人々の生活のリスクを増大させると考えられる場合には、警鐘を鳴らす努力を行う。
「外国」に関する日本人の知識:私たちは何を「知って」いるのか
Japanese people’s knowledge of other countries
2021.4~2025.3 安野 智子 文学部
安野・榎本(2020『中央大学文学部紀要』)は、日本人が中国・韓国についてどのような知識を持っているのか、ウェブモニタ調査を用いて検討した。その結果、中国に関する日本人の知識は、歴史と日中対立に、また韓国に関する知識はポップスターと日韓対立に偏る傾向にあり、現代の中国・韓国社会の知識は乏しいものであることが明らかになった。本研究チームでは、これらの知見を踏まえ、「日本人が外国の何を知っているのか、それがその国への感情にどのような影響を与えるのか」を検討する。「知識」の測定は難しく、大規模な調査は世界的にもほとんど行われていない。この研究チームの成果をきっかけに、諸外国の研究者とも連携をとりながら、国際比較調査に結び付けていきたいと考えている。
気候変動法と政策:超域的視点の形成
Climate Change Law and Policy Beyond Borders: Interdisciplinary Approach
2022.4~2025.3 小島千枝 法学部
本研究の目的は、気候変動に関する法と政策の形成における超域的な動態を研究することである。本研究にいう「超域的」視点とは、グローバル社会・地域・国家・地方自治体等の多層間、政府・市民・企業等のアクター間、学際(学問領域間)、理論と実務、理論と実証などの領域を超えた気候変動政策・規範形成に関する相互影響や関係を分析・評価・創造する視点を意味する。
本研究の学術的意義は、気候変動に関する法と政策の形成プロセスや世界各地で起こっている気候変動訴訟をとりまく状況の超域的な側面を分析・評価し、シナジーにより新たな視点を創造することにより、研究チームのメンバーが問題意識を共有し、調査・分析にそれを役立てることにある。本研究は、当初、法律学・政治学分野の研究者により着手されるが、気候変動問題の性質上、社会科学分野の研究者のみならず、自然科学分野の研究者や実務家を交えて研究を行う必要がある。このため、研究チーム発足後に共同研究者を広く募ることを予定している。また、研究協力者として、海外の研究者、官公庁職員、企業やN G Oの職員にも参加していただく。
本研究の社会的意義は、気候変動問題における超域的な研究から得た知見を生かして、メンバーが気候変動法政策について実態解明と提言を行うことなどにより、日本における気候変動政策・規範の形成を促し、ひいてはグローバル社会に貢献する点にある。
本研究の先行研究として、本学において研究クラスター形成支援課題「気候変動政策・規範形成に関する超域間動態の研究」(牛嶋代表)が2021年8月より2022年7月まで実施される予定である。本共同研究は、当初この研究の基盤としても位置づけられ、その後、それを引き継ぎ実施する。
ジェンダーと政治、歴史、思想の交差点
Gender and its Intersection of Politics,History and Thought
2022.4~2025.3 鳴子博子 経済学部
コロナ禍の収束が見通せない中、「女性の貧困」、「生理の貧困」は全世界で非正規雇用、世話(ケア)労働の担い手に大きな偏りのある社会の矛盾、歪みを表す時代の言葉となっている。
本研究は、なぜジェンダー構造は変容しつつも維持されるのか、格差解消のために必要なものは何かという問いを掘り下げ、分析することを目的とする。政治学、歴史学、思想史など多様なアプローチからの研究成果を持ち寄り討議する交差点となることを目指している。
東アジアの共生の作法
Manners of the Symbiosis in East Asia
2022.4~2025.3 首藤明和 文学部
今日、世界人口の2割あまりをムスリムが占めており、イスラーム世界を排除しない形での、持続可能なプラネタリー・ソサイエティの構築が求められている。信仰を異にする人びととのあいだで、ムスリム自身は、いかなる共生の作法を実践しているのだろうか。また、そうした作法が、特定の文脈だけでなく他の文脈においても問題解決の道筋を示しうるとしたら、どのような条件が必要なのだろうか。
また、ムスリムに限らず、エスニシティや地域社会、市民社会などの多様なアクターにおいて、いかなる共生の作法が実践されているのだろうか。
本研究ではアジアのムスリムや、イスラームとは信仰を異にするエスニシティ、あるいは地域や市民社会のアクターを対象にして、ヨーロッパ、アフリカ、中南米などアジア世界とは異なる世界との比較も行いながら、歴史的かつ現在的なアジアの共生の作法を、実態と言説の両側面から明らかにする。
大学の教養教育に関する国内的および国際的比較
Comparative Studies on Liberal Arts Education in Universities in Japan and other countries.
2022.4~2025.3 中坂恵美子 文学部
本研究のテーマは、これからの大学における教養教育の方法の考察である。日本では、1991年の大学設置基準大綱化により、一般教育と専門教育の区分が廃止され、一般教育内の科目区分も廃止された。その後、教養教育の在り方は、それぞれの大学で異なるものとなったが、30年を経た現在、特徴的な教養教育のカリキュラム等が開発されているのかどうか、そして、それらにはどのようなものがあるのかを調査する。また、日本以外の国における、大学での教養教育の位置づけや特色ある実践に関しても調査を行い、比較、検討する。
フォーラム「科学論」(再編) 1990.4~ 宮野 勝 文学部
このフォーラムは、研究所の設立当初から、各研究チームと研究活動の一層の高揚を図るために、哲学及び自然科学の研究者の参加を得て、社会科学の基本的かつ原理的諸問題を現代的な課題意識から、公開討論の場を設けて提起、かつ究明し、これによって社会諸科学の進歩と統合化を追求しようとするようとする目的の元に設立されたものであって、本研究所の特色ある企画の一つであると言える。また、「科学者の社会的責任」について考える場として位置づけている。これまで、外部講師を招き、社会科学が直面している共通の問題について、1,2年に1回程度シンポジウム形式での討論を行ってきた。発足以来数度の再編を経て、研究所内での位置づけも変化してきているため、そのあり方について検討を行っている。
ヨーロッパ研究ネットワーク 1996.4~ 新原 道信 文学部
1996年4月からスタートした「ヨーロッパ研究ネットワーク(International Network of European Studies:INES)」はさまざまな研究交流を行ってきたが、プロジェクト発足以来長い時間がたち、研究所内での位置づけも変化してきているため、プロジェクトのあり方について検討がなされ、実質的な活動の運営方法は他の研究チームと同様に研究期間を定めたプロジェクト方式で行うこととした。2013~2015年度は研究チーム「3.11以降の『惑星社会』」、2016~2018年度は研究チーム「惑星社会と臨場・臨床の智」、2020~2021年度は研究チーム「グローバリゼーションへの抵抗」を設立し、実質的な活動を行っている。また、「ヨーロッパ研究ネットワーク」の名称は、国内外との研究機関と継続的な研究交流を行う際に引き続き使用することが、研究員会で認められている。

2021年度

情報社会の成長と発展
Development and Evolution of Information Society
2017.4~2023.3 飯尾 淳 国際情報学部
日本における情報社会の成長と発展を支えてきたFLOSS(Free/Libre/Open-Source Software)の歴史を振り返るとともに、現代における活用の状況を探ることを目的とする。これまであまり明文化されてこなかった1990年代から2000年代にかけて日本にFLOSSが導入されてきた状況を詳らかにしたうえで、現代の活用例についてケーススタディを中心として明らかにする。
多様化する家族
Plurality of Families
2018.4~2022.3 山田 昌弘 文学部
ジェンダーの変容は世界規模で進んでいる。それに伴って男女の関係、夫婦のあり方、家族の様相も変容し続けている。未婚、卒婚、同性婚等、変容する家族のあり方を日本のみならず、アジア、そして世界の視点で考える。
うごきの比較学
Towards Comparatology of Nascent Moments
2019.4~2023.3 新原 道信 文学部
「可視的局面」の背後で諸個人の深部で不断に醸成されている「潜在的局面」に着目し、その“うごき(nascent moments)”と、社会そのものの変動(transformation/ transcendence/ changing form/ metamorphose)との関係性の動態を理解することを目的とする。個々人の深部における微細でリフレクシヴ(再帰的/内省的/照射的)な“うごき”に着目し、その“うごき”の方向性に応ずるかたちでの社会構想―問題のなかに予め答えが含まれているような「問題解決」ではなく既存の領域を横断して新たな問いを立てる「学」の創出を企図する。
生存保障システムの形成と変容
Transformation of Life Security System
2020.4~2023.3 天田 城介 文学部
本研究の目的は、それぞれの国家・地域において「生存保障システム」と呼ぶべき社会的仕組みが時代的・歴史的な文脈のもとでいかに変容してきたのか、それは1990年代以降のグルーバル化・高度情報化・少子高齢化のもとでどのような綻びを示してきたのかを社会学的に解明することを目的とする。本研究は、これまで「戦後日本型生存保障システム」や「福祉レジーム論」として論じられてきたことを緻密かつ詳細な比較分析を通じて解明すること、そしてその結果をダイナミックな社会理論から解読することを通じて、「生存保障システム」の複数性・重層性を析出することになる点にもっとも大きな意義を有する。
文化現象の政治的、歴史的、法的分析:学際的挑戦
Political ,Historical and Legal Analysis of Cultural Phenomena :Interdisciplinary Challenge
2020.4~2024.3 石山 文彦 法学部
本研究は、以下の3つの問いにたいして、学際的に応答することを目的とする。
(1)広い意味の文化を、人間の意味ある生に必須の(自然環境と並ぶ)文化環境として捉えることが妥当かどうか?
(2) 20世紀の欧米中心的な文化現象と、新たに生じつつある多文化・多文明化という文化現象とは、いかなる相互作用を営んでいるか?この相互作用を通じて、双方はどのような変容を被りつつあるか?
(3)文化現象を捉えるためのより適切で普遍的な仮説または認識枠組とは、いかなるものか?
これらはいずれも、これまで十分検討されることがなかった重要な問いであり、それへの学際的な応答の模索は、学問的に大いに意義あるものと言えるだろう。
政治意識と行動
Political Awareness and Behavior
2020.4~2024.3 三船 毅 経済学部
現代日本における有権者の政治意識と行動を分析し、その経時変化及び政治体制への影響を分析する。
東アジアにおける社会変容
Globalization and Social Change in East Asia
2021.4~2024.3 野宮 大志郎 文学部
本研究チームでは、今日の東アジアにおけるマクロ変動が人々の生活にもたらす影響や帰結を同定し、あわせてそこに潜む社会的リスクを指摘することを目的とする。今日の東アジアは、世界で最も変化の激しい地域のひとつである。これは「一帯一路」建設などの流通基盤の変化、民主主義と非民主主義の相克、情報基盤の拡大と情報流通経路の複雑化といった政治・経済・文化における大きなインフラ変化に起因するところが大きい。こうした変化は、生活する個人のレベルでは、経済機会の拡大や政治的発言権の増大をもたらすこともあるが、同時に、伝統文化の崩壊やコミュニティ・家族の瓦解をも引き起こしかねない。一帯一路政策を例に取れば、2012年以降、それがもたらすと想定された経済圏の再編と経済的向上に多くの視線が注がれたが、2019年辺りから、この政策がもたらす搾取と経済的困窮(国家のレベルでは「借金漬け」)に多くの視線が注がれるようになっている。他方、この研究領域では、未だわからないことが多い。社会変化があまりにも巨大すぎることや今まさに起こっていることを対象とするということが一定の質を保った研究を妨げているように思われる。それゆえ、この研究プロジェクトでは、まず人々の生活に視点を固定し、社会変化を同定することを第一の目的とする。観察の結果、大きな社会変動が人々の生活のリスクを増大させると考えられる場合には、警鐘を鳴らす努力を行う。
「外国」に関する日本人の知識:私たちは何を「知って」いるのか
Japanese people’s knowledge of other countries
2021.4~2024.3 安野 智子 文学部
安野・榎本(2020『中央大学文学部紀要』)は、日本人が中国・韓国についてどのような知識を持っているのか、ウェブモニタ調査を用いて検討した。その結果、中国に関する日本人の知識は、歴史と日中対立に、また韓国に関する知識はポップスターと日韓対立に偏る傾向にあり、現代の中国・韓国社会の知識は乏しいものであることが明らかになった。本研究チームでは、これらの知見を踏まえ、「日本人が外国の何を知っているのか、それがその国への感情にどのような影響を与えるのか」を検討する。「知識」の測定は難しく、大規模な調査は世界的にもほとんど行われていない。この研究チームの成果をきっかけに、諸外国の研究者とも連携をとりながら、国際比較調査に結び付けていきたいと考えている。
フォーラム「科学論」(再編) 1990.4~ 宮野 勝 文学部
このフォーラムは、研究所の設立当初から、各研究チームと研究活動の一層の高揚を図るために、哲学及び自然科学の研究者の参加を得て、社会科学の基本的かつ原理的諸問題を現代的な課題意識から、公開討論の場を設けて提起、かつ究明し、これによって社会諸科学の進歩と統合化を追求しようとするようとする目的の元に設立されたものであって、本研究所の特色ある企画の一つであると言える。また、「科学者の社会的責任」について考える場として位置づけている。これまで、外部講師を招き、社会科学が直面している共通の問題について、1,2年に1回程度シンポジウム形式での討論を行ってきた。発足以来数度の再編を経て、研究所内での位置づけも変化してきているため、そのあり方について検討を行っている。
ヨーロッパ研究ネットワーク 1996.4~ 新原 道信 文学部
1996年4月からスタートした「ヨーロッパ研究ネットワーク(International Network of European Studies:INES)」はさまざまな研究交流を行ってきたが、プロジェクト発足以来長い時間がたち、研究所内での位置づけも変化してきているため、プロジェクトのあり方について検討がなされ、実質的な活動の運営方法は他の研究チームと同様に研究期間を定めたプロジェクト方式で行うこととした。2013~2015年度は研究チーム「3.11以降の『惑星社会』」、2016~2018年度は研究チーム「惑星社会と臨場・臨床の智」、2020~2021年度は研究チーム「グローバリゼーションへの抵抗」を設立し、実質的な活動を行っている。また、「ヨーロッパ研究ネットワーク」の名称は、国内外との研究機関と継続的な研究交流を行う際に引き続き使用することが、研究員会で認められている。

2020年度

研究チーム名 研究期間 幹事 所属
国際関係の理論と実際
Theory and Practice of International Relations
2017.4~2021.3 星野 智 法学部
21世紀の複雑化する国際関係を捉えるための理論枠組を探るとともに、経済・政治・エネルギー・環境などさまざまな視点から考察する。
情報社会の成長と発展
Development and Evolution of Information Society
2017.4~2022.3 飯尾 淳 国際情報学部
日本における情報社会の成長と発展を支えてきたFLOSS(Free/Libre/Open-Source Software)の歴史を振り返るとともに、現代における活用の状況を探ることを目的とする。これまであまり明文化されてこなかった1990年代から2000年代にかけて日本にFLOSSが導入されてきた状況を詳らかにしたうえで、現代の活用例についてケーススタディを中心として明らかにする。
有権者と政治
Electorate and Politics
2017.4~2021.3 宮野 勝 文学部
この20年余り、日本の政治は大きな変化を経験した。政権交代のみに注目しても、自民党の分裂・下野、社会党総理の下での自民党と社会党の連立政権、自民党と公明党の連立政権、民主党政権とその崩壊、安倍長期政権、など目まぐるしいほどの変化がある。この間の、有権者・選挙・政治の関係について共同研究してきたが、さらに進めて、有権者の視点から、この変化への理解を深める。
多様化する家族
Plurality of Families
2018.4~2021.3 山田 昌弘 文学部
ジェンダーの変容は世界規模で進んでいる。それに伴って男女の関係、夫婦のあり方、家族の様相も変容し続けている。未婚、卒婚、同性婚等、変容する家族のあり方を日本のみならず、アジア、そして世界の視点で考える。
うごきの比較学
Towards Comparatology of Nascent Moments
2019.4~2022.3 新原 道信 文学部
「可視的局面」の背後で諸個人の深部で不断に醸成されている「潜在的局面」に着目し、その“うごき(nascent moments)”と、社会そのものの変動(transformation/ transcendence/ changing form/ metamorphose)との関係性の動態を理解することを目的とする。個々人の深部における微細でリフレクシヴ(再帰的/内省的/照射的)な“うごき”に着目し、その“うごき”の方向性に応ずるかたちでの社会構想―問題のなかに予め答えが含まれているような「問題解決」ではなく既存の領域を横断して新たな問いを立てる「学」の創出を企図する。
生存保障システムの形成と変容
Transformation of Life Security System
2020.4~2023.3 天田 城介 文学部
本研究の目的は、それぞれの国家・地域において「生存保障システム」と呼ぶべき社会的仕組みが時代的・歴史的な文脈のもとでいかに変容してきたのか、それは1990年代以降のグルーバル化・高度情報化・少子高齢化のもとでどのような綻びを示してきたのかを社会学的に解明することを目的とする。本研究は、これまで「戦後日本型生存保障システム」や「福祉レジーム論」として論じられてきたことを緻密かつ詳細な比較分析を通じて解明すること、そしてその結果をダイナミックな社会理論から解読することを通じて、「生存保障システム」の複数性・重層性を析出することになる点にもっとも大きな意義を有する。
文化現象の政治的、歴史的、法的分析:学際的挑戦
Political ,Historical and Legal Analysis of Cultural Phenomena :Interdisciplinary Challenge
2020.4~2023.3 西海 真樹 法学部
本研究は、以下の3つの問いにたいして、学際的に応答することを目的とする。
(1)広い意味の文化を、人間の意味ある生に必須の(自然環境と並ぶ)文化環境として捉えることが妥当かどうか?
(2) 20世紀の欧米中心的な文化現象と、新たに生じつつある多文化・多文明化という文化現象とは、いかなる相互作用を営んでいるか?この相互作用を通じて、双方はどのような変容を被りつつあるか?
(3)文化現象を捉えるためのより適切で普遍的な仮説または認識枠組とは、いかなるものか?
これらはいずれも、これまで十分検討されることがなかった重要な問いであり、それへの学際的な応答の模索は、学問的に大いに意義あるものと言えるだろう。
政治意識と行動
Political Awareness and Behavior
2020.4~2023.3 三船 毅 経済学部
現代日本における有権者の政治意識と行動を分析し、その経時変化及び政治体制への影響を分析する。
フォーラム「科学論」(再編) 1990.4~ 宮野 勝 文学部
このフォーラムは、研究所の設立当初から、各研究チームと研究活動の一層の高揚を図るために、哲学及び自然科学の研究者の参加を得て、社会科学の基本的かつ原理的諸問題を現代的な課題意識から、公開討論の場を設けて提起、かつ究明し、これによって社会諸科学の進歩と統合化を追求しようとするようとする目的の元に設立されたものであって、本研究所の特色ある企画の一つであると言える。また、「科学者の社会的責任」について考える場として位置づけている。これまで、外部講師を招き、社会科学が直面している共通の問題について、1,2年に1回程度シンポジウム形式での討論を行ってきた。発足以来数度の再編を経て、研究所内での位置づけも変化してきているため、そのあり方について検討を行っている。
ヨーロッパ研究ネットワーク 1996.4~ 新原 道信 文学部
1996年4月からスタートした「ヨーロッパ研究ネットワーク(International Network of European Studies:INES)」はさまざまな研究交流を行ってきたが、プロジェクト発足以来長い時間がたち、研究所内での位置づけも変化してきているため、プロジェクトのあり方について検討がなされ、実質的な活動の運営方法は他の研究チームと同様に研究期間を定めたプロジェクト方式で行うこととした。2013~2015年度は研究チーム「3.11以降の『惑星社会』」、2016~2018年度は研究チーム「惑星社会と臨場・臨床の智」、2020~2021年度は研究チーム「グローバリゼーションへの抵抗」を設立し、実質的な活動を行っている。また、「ヨーロッパ研究ネットワーク」の名称は、国内外との研究機関と継続的な研究交流を行う際に引き続き使用することが、研究員会で認められている。

2019年度

研究チーム名 研究期間 幹事 所属
国際関係の理論と実際
Theory and Practice of International Relations
2017.4~2020.3 星野 智 法学部
21世紀の複雑化する国際関係を捉えるための理論枠組を探るとともに、経済・政治・エネルギー・環境などさまざまな視点から考察する。
環境社会的配慮と国際連携
Environmental and Social Considerations and International Collaborations
2017.4~2020.3 西川 可穂子 商学部
昨今、環境と社会のサステナビリティ(持続可能性)の追求と、地球規模課題の解決のために、産学官が国際的に連携する動きが活発化している。産学官連携による、各分野における環境的配慮・社会的配慮の新しい動きと連携の取組について、研究を行う。
情報社会の成長と発展
Development and Evolution of Information Society
2017.4~2020.3 飯尾 淳 国際情報学部
日本における情報社会の成長と発展を支えてきたFLOSS(Free/Libre/Open-Source Software)の歴史を振り返るとともに、現代における活用の状況を探ることを目的とする。これまであまり明文化されてこなかった1990年代から2000年代にかけて日本にFLOSSが導入されてきた状況を詳らかにしたうえで、現代の活用例についてケーススタディを中心として明らかにする。
社会変動
Social Transformation
2017.4~2020.3 野宮 大志郎 文学部
グローバル化、トランスナショナル化など様々な潮流の共存が、現代世界の大きな特徴である。しかし、その過程や動態については、解明されていないことが多い。本共同研究では、それらの諸潮流を大きく社会変動と捉え、理論と実証の2側面から研究する。前者では今日の社会変動を捉える理論的条件を明らかにする。後者では、信頼感、価値観、社会運動などの具体的研究領域、また国家や地域といった一定地理的境界内で生起する具体的な変動事例を解析する。
有権者と政治
Electorate and Politics
2017.4~2020.3 宮野 勝 文学部
この20年余り、日本の政治は大きな変化を経験した。政権交代のみに注目しても、自民党の分裂・下野、社会党総理の下での自民党と社会党の連立政権、自民党と公明党の連立政権、民主党政権とその崩壊、安倍長期政権、など目まぐるしいほどの変化がある。この間の、有権者・選挙・政治の関係について共同研究してきたが、さらに進めて、有権者の視点から、この変化への理解を深める。
多様化する家族
Plurality of Families
2018.4~2021.3 山田 昌弘 文学部
ジェンダーの変容は世界規模で進んでいる。それに伴って男女の関係、夫婦のあり方、家族の様相も変容し続けている。未婚、卒婚、同性婚等、変容する家族のあり方を日本のみならず、アジア、そして世界の視点で考える。
うごきの比較学
Towards Comparatology of Nascent Moments
2019.4~2022.3 新原 道信 文学部
「可視的局面」の背後で諸個人の深部で不断に醸成されている「潜在的局面」に着目し、その“うごき(nascent moments)”と、社会そのものの変動(transformation/ transcendence/ changing form/ metamorphose)との関係性の動態を理解することを目的とする。個々人の深部における微細でリフレクシヴ(再帰的/内省的/照射的)な“うごき”に着目し、その“うごき”の方向性に応ずるかたちでの社会構想―問題のなかに予め答えが含まれているような「問題解決」ではなく既存の領域を横断して新たな問いを立てる「学」の創出を企図する。
フォーラム「科学論」(再編) 1990.4~ 宮野 勝 文学部
このフォーラムは、研究所の設立当初から、各研究チームと研究活動の一層の高揚を図るために、哲学及び自然科学の研究者の参加を得て、社会科学の基本的かつ原理的諸問題を現代的な課題意識から、公開討論の場を設けて提起、かつ究明し、これによって社会諸科学の進歩と統合化を追求しようとするようとする目的の元に設立されたものであって、本研究所の特色ある企画の一つであると言える。また、「科学者の社会的責任」について考える場として位置づけている。これまで、外部講師を招き、社会科学が直面している共通の問題について、1,2年に1回程度シンポジウム形式での討論を行ってきた。発足以来数度の再編を経てきたが、「ヨーロッパ研究ネットワーク」と同様、発足以来長い時間がたち、研究所内での位置づけも変化してきているため、そのあり方について検討を行っている。今年度の具体的な活動はそのため未定となっている。
ヨーロッパ研究ネットワーク 1996.4~ 新原 道信 文学部
1996年4月からスタートした「ヨーロッパ研究ネットワーク(International Network of European Studies:INES)」はさまざまな研究交流を行ってきたが、プロジェクト発足以来長い時間がたち、研究所内での位置づけも変化してきているため、プロジェクトのあり方について検討がなされ、実質的な活動の運営方法は他の研究チームと同様に研究期間を定めたプロジェクト方式で行うこととした。2013~2015年度は研究チーム「3.11以降の『惑星社会』」、2016~2018年度は研究チーム「惑星社会と臨場・臨床の智」を設立し、実質的な活動を行っている。また、「ヨーロッパ研究ネットワーク」の名称は、国内外との研究機関と継続的な研究交流を行う際に引き続き使用することが、研究員会で認められている。

2018年度

研究チーム名 研究期間 幹事 所属
暴力・国家・ジェンダー 2016.4~2019.3 中島 康予 法学部
現代アメリカの認知科学者S.Pinkerは「人類史における暴力の減少」という仮説の実証を試みるが、近現代の国民国家は幾多の戦争を誘発し、人類は巨大な暴力のコントロールにも、真の平和構築にも成功していないと言わざるを得ない。いかにすれば、戦争をする国家を、戦争をしない国家に転換させうるのか。女性は戦争をしない国家を実現させるために何ができるのか。暴力と国家とジェンダーの関係を軸に、専門を異にする共同研究者がさまざまなアプローチからこの難問に挑戦する。
惑星社会と臨場・臨床の智 2016.4~2019.3 新原 道信 文学部
イタリアの社会学者A.メルッチの惑星社会論に基づき、個々人のレベルにおける<”惑星社会の諸問題”への”知覚”と”生存の在り方”の見直し>について、社会運動論・臨床社会学・歴史社会学などによる複合的アプローチである"リフレクシヴな調査研究”を行う。日本とイタリアの研究者の協力体制により、1980年代以降の日本とイタリアの地域社会と社会運動の動態、その構造とメカニズムに焦点を合わせ、「可視的な社会運動」の”深層/深淵”で萌芽する”臨場・臨床の智(living knowledge)”の把握を試みることによって、「3.11以降」の”生存の場としての地域社会”形成の指針を提示する。
国際関係の理論と実際 2017.4~2020.3 星野 智 法学部
21世紀の複雑化する国際関係を捉えるための理論枠組を探るとともに、経済・政治・エネルギー・環境などさまざまな視点から考察する。
環境社会的配慮と国際連携 2017.4~2020.3 西川 可穂子 商学部
昨今、環境と社会のサステナビリティ(持続可能性)の追求と、地球規模課題の解決のために、産学官が国際的に連携する動きが活発化している。産学官連携による、各分野における環境的配慮・社会的配慮の新しい動きと連携の取組について、研究を行う。
情報社会の成長と発展 2017.4~2020.3 飯尾 淳 文学部
日本における情報社会の成長と発展を支えてきたFLOSS(Free/Libre/Open-Source Software)の歴史を振り返るとともに、現代における活用の状況を探ることを目的とする。これまであまり明文化されてこなかった1990年代から2000年代にかけて日本にFLOSSが導入されてきた状況を詳らかにしたうえで、現代の活用例についてケーススタディを中心として明らかにする。
社会変動 2017.4~2020.3 野宮 大志郎 文学部
グローバル化、トランスナショナル化など様々な潮流の共存が、現代世界の大きな特徴である。しかし、その過程や動態については、解明されていないことが多い。本共同研究では、それらの諸潮流を大きく社会変動と捉え、理論と実証の2側面から研究する。前者では今日の社会変動を捉える理論的条件を明らかにする。後者では、信頼感、価値観、社会運動などの具体的研究領域、また国家や地域といった一定地理的境界内で生起する具体的な変動事例を解析する。
有権者と政治 2017.4~2020.3 宮野 勝 文学部
この20年余り、日本の政治は大きな変化を経験した。政権交代のみに注目しても、自民党の分裂・下野、社会党総理の下での自民党と社会党の連立政権、自民党と公明党の連立政権、民主党政権とその崩壊、安倍長期政権、など目まぐるしいほどの変化がある。この間の、有権者・選挙・政治の関係について共同研究してきたが、さらに進めて、有権者の視点から、この変化への理解を深める。
多様化する家族 2018.4~2021.3 山田 昌弘 文学部
ジェンダーの変容は世界規模で進んでいる。それに伴って男女の関係、夫婦のあり方、家族の様相も変容し続けている。未婚、卒婚、同性婚等、変容する家族のあり方を日本のみならず、アジア、そして世界の視点で考える。
フォーラム「科学論」(再編) 1990.4~ 宮野 勝
(2018年度)
文学部
このフォーラムは、研究所の設立当初から、各研究チームと研究活動の一層の高揚を図るために、哲学及び自然科学の研究者の参加を得て、社会科学の基本的かつ原理的諸問題を現代的な課題意識から、公開討論の場を設けて提起、かつ究明し、これによって社会諸科学の進歩と統合化を追求しようとするようとする目的の元に設立されたものであって、本研究所の特色ある企画の一つであると言える。また、「科学者の社会的責任」について考える場として位置づけている。これまで、外部講師を招き、社会科学が直面している共通の問題について、1,2年に1回程度シンポジウム形式での討論を行ってきた。発足以来数度の再編を経てきたが、「ヨーロッパ研究ネットワーク」と同様、発足以来長い時間がたち、研究所内での位置づけも変化してきているため、そのあり方について検討を行っている。今年度の具体的な活動はそのため未定となっている。
ヨーロッパ研究ネットワーク 1996.4~ 新原 道信 文学部
1996年4月からスタートした「ヨーロッパ研究ネットワーク(International Network of European Studies:INES)」はさまざまな研究交流を行ってきたが、プロジェクト発足以来長い時間がたち、研究所内での位置づけも変化してきているため、プロジェクトのあり方について検討がなされ、実質的な活動の運営方法は他の研究チームと同様に研究期間を定めたプロジェクト方式で行うこととした。2013~2015年度は研究チーム「3.11以降の『惑星社会』」、2016~2018年度は研究チーム「惑星社会と臨場・臨床の智」を設立し、実質的な活動を行っている。また、「ヨーロッパ研究ネットワーク」の名称は、国内外との研究機関と継続的な研究交流を行う際に引き続き使用することが、研究員会で認められている。

2017年度

研究チーム名 研究期間 幹事 所属
暴力・国家・ジェンダー 2016.4~2019.3 中島 康予 法学部
現代アメリカの認知科学者S.Pinkerは「人類史における暴力の減少」という仮説の実証を試みるが、近現代の国民国家は幾多の戦争を誘発し、人類は巨大な暴力のコントロールにも、真の平和構築にも成功していないと言わざるを得ない。いかにすれば、戦争をする国家を、戦争をしない国家に転換させうるのか。女性は戦争をしない国家を実現させるために何ができるのか。暴力と国家とジェンダーの関係を軸に、専門を異にする共同研究者がさまざまなアプローチからこの難問に挑戦する。
惑星社会と臨場・臨床の智 2016.4~2019.3 新原 道信 文学部
イタリアの社会学者A.メルッチの惑星社会論に基づき、個々人のレベルにおける<”惑星社会の諸問題”への”知覚”と”生存の在り方”の見直し>について、社会運動論・臨床社会学・歴史社会学などによる複合的アプローチである"リフレクシヴな調査研究”を行う。日本とイタリアの研究者の協力体制により、1980年代以降の日本とイタリアの地域社会と社会運動の動態、その構造とメカニズムに焦点を合わせ、「可視的な社会運動」の”深層/深淵”で萌芽する”臨場・臨床の智(living knowledge)”の把握を試みることによって、「3.11以降」の”生存の場としての地域社会”形成の指針を提示する。
国際関係の理論と実際 2017.4~2020.3 星野 智 法学部
21世紀の複雑化する国際関係を捉えるための理論枠組を探るとともに、経済・政治・エネルギー・環境などさまざまな視点から考察する。
環境社会的配慮と国際連携 2017.4~2020.3 西川 可穂子 商学部
昨今、環境と社会のサステナビリティ(持続可能性)の追求と、地球規模課題の解決のために、産学官が国際的に連携する動きが活発化している。産学官連携による、各分野における環境的配慮・社会的配慮の新しい動きと連携の取組について、研究を行う。
情報社会の成長と発展 2017.4~2020.3 飯尾 淳 文学部
日本における情報社会の成長と発展を支えてきたFLOSS(Free/Libre/Open-Source Software)の歴史を振り返るとともに、現代における活用の状況を探ることを目的とする。これまであまり明文化されてこなかった1990年代から2000年代にかけて日本にFLOSSが導入されてきた状況を詳らかにしたうえで、現代の活用例についてケーススタディを中心として明らかにする。
社会変動 2017.4~2020.3 野宮 大志郎 文学部
グローバル化、トランスナショナル化など様々な潮流の共存が、現代世界の大きな特徴である。しかし、その過程や動態については、解明されていないことが多い。本共同研究では、それらの諸潮流を大きく社会変動と捉え、理論と実証の2側面から研究する。前者では今日の社会変動を捉える理論的条件を明らかにする。後者では、信頼感、価値観、社会運動などの具体的研究領域、また国家や地域といった一定地理的境界内で生起する具体的な変動事例を解析する。
有権者と政治 2017.4~2020.3 宮野 勝 文学部
この20年余り、日本の政治は大きな変化を経験した。政権交代のみに注目しても、自民党の分裂・下野、社会党総理の下での自民党と社会党の連立政権、自民党と公明党の連立政権、民主党政権とその崩壊、安倍長期政権、など目まぐるしいほどの変化がある。この間の、有権者・選挙・政治の関係について共同研究してきたが、さらに進めて、有権者の視点から、この変化への理解を深める。
フォーラム「科学論」(再編) 1990.4~ 辻 泉(2017年度) 文学部
このフォーラムは、研究所の設立当初から、各研究チームと研究活動の一層の高揚を図るために、哲学及び自然科学の研究者の参加を得て、社会科学の基本的かつ原理的諸問題を現代的な課題意識から、公開討論の場を設けて提起、かつ究明し、これによって社会諸科学の進歩と統合化を追求しようとするようとする目的の元に設立されたものであって、本研究所の特色ある企画の一つであると言える。また、「科学者の社会的責任」について考える場として位置づけている。これまで、外部講師を招き、社会科学が直面している共通の問題について、1,2年に1回程度シンポジウム形式での討論を行ってきた。発足以来数度の再編を経てきたが、「ヨーロッパ研究ネットワーク」と同様、発足以来長い時間がたち、研究所内での位置づけも変化してきているため、そのあり方について検討を行っている。今年度の具体的な活動はそのため未定となっている。
ヨーロッパ研究ネットワーク 1996.4~ 新原 道信 文学部
1996年4月からスタートした「ヨーロッパ研究ネットワーク(International Network of European Studies:INES)」はさまざまな研究交流を行ってきたが、プロジェクト発足以来長い時間がたち、研究所内での位置づけも変化してきているため、プロジェクトのあり方について検討がなされ、実質的な活動の運営方法は他の研究チームと同様に研究期間を定めたプロジェクト方式で行うこととした。2013~2015年度は研究チーム「3.11以降の『惑星社会』」、2016~2018年度は研究チーム「惑星社会と臨場・臨床の智」を設立し、実質的な活動を行っている。また、「ヨーロッパ研究ネットワーク」の名称は、国内外との研究機関と継続的な研究交流を行う際に引き続き使用することが、研究員会で認められている。

2016年度

研究チーム名 研究期間 幹事 所属
グローバル・エコロジー 2014.4~2017.3 星野 智 法学部
気候変動をはじめとする地球環境の構造変化は、開発、資源、水、エネルギー、食糧、災害、人権、移住などに大きな影響を与え、グローバルな「人間・自然」生態系を脅かしている。本研究チームでは、世界の各地域あるいは国内のこうした諸問題を取り上げ、それらに関する未来予測とその対応についての問題提起を行いたい。
政治的空間における有権者 2014.4~2017.3 三船 毅 経済学部
現在の有権者をとりまく政治的空間は、55年体制のそれと比較して加速度的に変化していると考えられる。政党の離合集散、低投票率、市民運動や住民運動の多発などの背景には、有権者と政治家の基底にある政治・社会意識の大きな変化があると推測されるが、先行研究では未だに解明されていない部分も多い。本研究チームは、現代日本の政治的空間に生起する政治的事象を対象として、学際的なアプローチと多様な分析方法から、発生の要因、メカニズム、経時変化を分析し現代日本政治の問題点を闡明する。
情報化社会その成長の記録 2014.4~2017.3 飯尾 淳 文学部
インターネットやモバイルコンピューティングの普及など、現在はかねてから指摘されていた高度情報化社会が実現した。2013年はインターネットの商用利用から20年、高度情報化社会を支えるコンピュータシステムの代表例であるUnixシステムについてその日本ユーザ会(JUS)が30年、また日本発のプログラム言語で世界的に普及したRubyの生誕20周年など、節目の年にあたる。一方で、その高度情報化を支えてきた人材の高齢化が進み、口頭伝承による実態の記録が今後は難しくなると予想されている。したがって、このタイミングでデータを集め、その情報を整理することには大きな意義があると考えられる。
「信頼感」の国際比較研究(2) 2014.4~2017.3 矢野 善郎 文学部
「信頼感」において、我々研究チームが2011年度から2013年度までの3年間に実施した研究では、主に調査対象者の「属性」、「対人関係」並びに「一般的意識構造」と「信頼」の関連性を、8カ国の国際比較研究を基に解明した。その研究成果は社会科学研究所の叢書第26号『信頼感の国際比較研究』として2014年3月に刊行された。14年度からは、研究を「信頼感の国際比較研究(2)」として、主に既存の国際調査データの分析を基軸に、継続して「信頼感」の意識構造の解明をさらに進める。
暴力・国家・ジェンダー 2016.4~2019.3 中島 康予 法学部
現代アメリカの認知科学者S.Pinkerは「人類史における暴力の減少」という仮説の実証を試みるが、近現代の国民国家は幾多の戦争を誘発し、人類は巨大な暴力のコントロールにも、真の平和構築にも成功していないと言わざるを得ない。いかにすれば、戦争をする国家を、戦争をしない国家に転換させうるのか。女性は戦争をしない国家を実現させるために何ができるのか。暴力と国家とジェンダーの関係を軸に、専門を異にする共同研究者がさまざまなアプローチからこの難問に挑戦する。
惑星社会と臨場・臨床の智 2016.4~2019.3 新原 道信 文学部
イタリアの社会学者A.メルッチの惑星社会論に基づき、個々人のレベルにおける<"惑星社会の諸問題"への"知覚"と"生存の在り方"の見直し>について、社会運動論・臨床社会学・歴史社会学などによる複合的アプローチである"リフレクシヴな調査研究"を行う。日本とイタリアの研究者の協力体制により、1980年代以降の日本とイタリアの地域社会と社会運動の動態、その構造とメカニズムに焦点を合わせ、「可視的な社会運動」の"深層/深淵"で萌芽する"臨場・臨床の智(living knowledge)"の把握を試みることによって、「3.11以降」の"生存の場としての地域社会"形成の指針を提示する。
ヨーロッパ研究ネットワーク 1996.4~ 新原 道信 文学部
1996年4月からスタートした「ヨーロッパ研究ネットワーク(International Network of European Studies:INES)」はさまざまな研究交流を行ってきたが、プロジェクト発足以来長い時間がたち、研究所内での位置づけも変化してきているため、プロジェクトのあり方について検討がなされ、実質的な活動の運営方法は他の研究チームと同様に研究期間を定めたプロジェクト方式で行うこととした。2013~2015年度は研究チーム「3.11以降の『惑星社会』」、2016~2018年度は研究チーム「惑星社会と臨場・臨床の智」を設立し、実質的な活動を行っている。また、「ヨーロッパ研究ネットワーク」の名称は、国内外との研究機関と継続的な研究交流を行う際に引き続き使用することが、研究員会で認められている。
フォーラム「科学論」(再編) 1990.4~ 宮野 勝 文学部
このフォーラムは、研究所の設立当初から、各研究チームと研究活動の一層の高揚を図るために、哲学及び自然科学の研究者の参加を得て、社会科学の基本的かつ原理的諸問題を現代的な課題意識から、公開討論の場を設けて提起、かつ究明し、これによって社会諸科学の進歩と統合化を追求しようとするようとする目的の元に設立されたものであって、本研究所の特色ある企画の一つであると言える。また、「科学者の社会的責任」について考える場として位置づけている。これまで、外部講師を招き、社会科学が直面している共通の問題について、1,2年に1回程度シンポジウム形式での討論を行ってきた。発足以来数度の再編を経てきたが、「ヨーロッパ研究ネットワーク」と同様、発足以来長い時間がたち、研究所内での位置づけも変化してきているため、そのあり方について検討を行っている。今年度の具体的な活動はそのため未定となっている。

2015年度

研究チーム名 研究期間 幹事 所属
3.11以降の「惑星社会」 2013.4~2016.3 新原 道信 文学部
「ヨーロッパ研究ネットワーク」での活動を母体とする本研究チームは、とりわけヨーロッパでも強い関心をもって受け止められている「3.11以降の"惑星社会の諸問題(the multiple problems in the planetary society)"」を研究テーマとして、ヨーロッパと日本も含めた諸地域との比較研究を、"探究/探求型社会調査(Exploratory Social Research)"に基づき行う。テーマの背景には、グローバリゼーション/ポスト・モダン下の"惑星社会の諸問題"(メルッチ)への認識があり、フィールドリサーチに基づき、原発・震災問題等への個々人の応答のなかに現れつつある"社会文化的な島々のつらなり"(メルレル)を析出することで持続可能な社会の方向性を提示することを目的とする。
グローバル・エコロジー 2014.4~2017.3 星野 智 法学部
気候変動をはじめとする地球環境の構造変化は、開発、資源、水、エネルギー、食糧、災害、人権、移住などに大きな影響を与え、グローバルな「人間・自然」生態系を脅かしている。本研究チームでは、世界の各地域あるいは国内のこうした諸問題を取り上げ、それらに関する未来予測とその対応についての問題提起を行いたい。
政治的空間における有権者 2014.4~2017.3 三船 毅 経済学部
現在の有権者をとりまく政治的空間は、55年体制のそれと比較して加速度的に変化していると考えられる。政党の離合集散、低投票率、市民運動や住民運動の多発などの背景には、有権者と政治家の基底にある政治・社会意識の大きな変化があると推測されるが、先行研究では未だに解明されていない部分も多い。本研究チームは、現代日本の政治的空間に生起する政治的事象を対象として、学際的なアプローチと多様な分析方法から、発生の要因、メカニズム、経時変化を分析し現代日本政治の問題点を闡明する。
情報化社会その成長の記録 2014.4~2017.3 飯尾 淳 文学部
インターネットやモバイルコンピューティングの普及など、現在はかねてから指摘されていた高度情報化社会が実現した。2013年はインターネットの商用利用から20年、高度情報化社会を支えるコンピュータシステムの代表例であるUnixシステムについてその日本ユーザ会(JUS)が30年、また日本発のプログラム言語で世界的に普及したRubyの生誕20周年など、節目の年にあたる。一方で、その高度情報化を支えてきた人材の高齢化が進み、口頭伝承による実態の記録が今後は難しくなると予想されている。したがって、このタイミングでデータを集め、その情報を整理することには大きな意義があると考えられる。
「信頼感」の国際比較研究(2) 2014.4~2017.3 矢野 善郎 文学部
「信頼感」において、我々研究チームが2011年度から2013年度までの3年間に実施した研究では、主に調査対象者の「属性」、「対人関係」並びに「一般的意識構造」と「信頼」の関連性を、8カ国の国際比較研究を基に解明した。その研究成果は社会科学研究所の叢書として13年度中に刊行される。14年度からは、研究を「信頼感の国際比較研究(2)」として、主に既存の国際調査データの分析を基軸に、継続して「信頼感」の意識構造の解明をさらに進める。
ヨーロッパ研究ネットワーク 1996.4~ 新原 道信 文学部
1996年4月からスタートした「ヨーロッパ研究ネットワーク(International Network of European Studies:INES)」はさまざまな研究交流を行ってきたが、プロジェクト発足以来長い時間がたち、研究所内での位置づけも変化してきているため、プロジェクトのあり方について検討がなされ、実質的な活動の運営方法は他の研究チームと同様に研究期間を定めたプロジェクト方式で行うこととし、2013年から新規チーム「3.11以降の『惑星社会』」を設立した。また、「ヨーロッパ研究ネットワーク」の名称は、国内外との研究機関と継続的な研究交流を行う際に引き続き使用することが、研究員会で認められている。
フォーラム「科学論」(再編) 1990.4~ 宮野 勝 文学部
 このフォーラムは、研究所の設立当初から、各研究チームと研究活動の一層の高揚を図るために、哲学及び自然科学の研究者の参加を得て、社会科学の基本的かつ原理的諸問題を現代的な課題意識から、公開討論の場を設けて提起、かつ究明し、これによって社会諸科学の進歩と統合化を追求しようとするようとする目的の元に設立されたものであって、本研究所の特色ある企画の一つであると言える。また、「科学者の社会的責任」について考える場として位置づけている。これまで、外部講師を招き、社会科学が直面している共通の問題について、1,2年に1回程度シンポジウム形式での討論を行ってきた。発足以来数度の再編を経てきたが、「ヨーロッパ研究ネットワーク」と同様、発足以来長い時間がたち、研究所内での位置づけも変化してきているため、そのあり方について検討を行っている。今年度の具体的な活動はそのため未定となっている。

2014年度

研究チーム名 研究期間 幹事 所属
モバイル社会と若者 2011.4~2015.3 松田 美佐 文学部
本研究の目的は、若者の間での携帯電話の利用実態をそのパーソナル・ネットワークに焦点をあてながら分析することで、定着期から成熟期へ向かうモバイル・メディア社会の将来像を具体的に構想することにある。これは携帯電話の普及がほぼ完了し、それを前提にした社会設計が各所で要求されている日本社会の現状を考えればきわめて重要な課題だといえる。
研究活動を1年延長して各自の研究を行う予定である。
平和学の再構築 2012.4~2015.3 西海 真樹 法学部
2011.3.11の東日本大震災は、改めて平和とは何かという問題を我々につきつけた形となった。そもそも日本での平和学は、戦争、核兵器のない平和を考えるところから始まり、その後、世界の貧困の撲滅など、より広い射程で考えるようになった。しかし、広い平和であっても、社会や個人一人一人に密接にかかわる平和学であったかどうかは疑問が残るところである。今こそ、我々の日常生活の安全性ということと密接に関係づけて論じなければならないことは明らかである。そこで本研究では、平和概念の再考察を通して、21世紀の平和学への新たな展望を開き、今後の日本の世界とのかかわりの中での復興、発展、平和への提言を試みるものである。
2014年度は幹事が都留康子研究員から西海真樹研究員に交替して研究活動を引き続き行う予定である。
3.11以降の「惑星社会」 2013.4~2016.3 新原 道信 文学部
「ヨーロッパ研究ネットワーク」での活動を母体とする本研究チームは、とりわけヨーロッパでも強い関心をもって受け止められている「3.11以降の“惑星社会の諸問題(the multiple problems in the planetary society)”」を研究テーマとして、ヨーロッパと日本も含めた諸地域との比較研究を、“探究/探求型社会調査(Exploratory Social Research)”に基づき行う。テーマの背景には、グローバリゼーション/ポスト・モダン下の“惑星社会の諸問題”(メルッチ)への認識があり、フィールドリサーチに基づき、原発・震災問題等への個々人の応答のなかに現れつつある“社会文化的な島々のつらなり”(メルレル)を析出することで持続可能な社会の方向性を提示することを目的とする。
グローバル・エコロジー 2014.4~2017.3 星野 智 法学部
気候変動をはじめとする地球環境の構造変化は、開発、資源、水、エネルギー、食糧、災害、人権、移住などに大きな影響を与え、グローバルな「人間・自然」生態系を脅かしている。本研究チームでは、世界の各地域あるいは国内のこうした諸問題を取り上げ、それらに関する未来予測とその対応についての問題提起を行いたい。
政治的空間における有権者 2014.4~2017.3 三船 毅 経済学部
現在の有権者をとりまく政治的空間は、55年体制のそれと比較して加速度的に変化していると考えられる。政党の離合集散、低投票率、市民運動や住民運動の多発などの背景には、有権者と政治家の基底にある政治・社会意識の大きな変化があると推測されるが、先行研究では未だに解明されていない部分も多い。本研究チームは、現代日本の政治的空間に生起する政治的事象を対象として、学際的なアプローチと多様な分析方法から、発生の要因、メカニズム、経時変化を分析し現代日本政治の問題点を闡明する。
情報化社会その成長の記録 2014.4~2017.3 飯尾 淳 文学部
インターネットやモバイルコンピューティングの普及など、現在はかねてから指摘されていた高度情報化社会が実現した。2013年はインターネットの商用利用から20年、高度情報化社会を支えるコンピュータシステムの代表例であるUnixシステムについてその日本ユーザ会(JUS)が30年、また日本発のプログラム言語で世界的に普及したRubyの生誕20周年など、節目の年にあたる。一方で、その高度情報化を支えてきた人材の高齢化が進み、口頭伝承による実態の記録が今後は難しくなると予想されている。したがって、このタイミングでデータを集め、その情報を整理することには大きな意義があると考えられる。
「信頼感」の国際比較研究(2) 2014.4~2017.3 佐々木正道 文学部
「信頼感」において、我々研究チームが2011年度から2013年度までの3年間に実施した研究では、主に調査対象者の「属性」、「対人関係」並びに「一般的意識構造」と「信頼」の関連性を、8カ国の国際比較研究を基に解明した。その研究成果は社会科学研究所の叢書として13年度中に刊行される。14年度からは、研究を「信頼感の国際比較研究(2)」として、主に既存の国際調査データの分析を基軸に、継続して「信頼感」の意識構造の解明をさらに進める。
ヨーロッパ研究ネットワーク 1996.4~ 新原 道信 文学部
1996年4月からスタートした「ヨーロッパ研究ネットワーク(International Network of European Studies:INES)」はさまざまな研究交流を行ってきたが、プロジェクト発足以来長い時間がたち、研究所内での位置づけも変化してきているため、プロジェクトのあり方について検討がなされ、実質的な活動の運営方法は他の研究チームと同様に研究期間を定めたプロジェクト方式で行うこととし、2013年から新規チーム「3.11以降の『惑星社会』」を設立した。また、「ヨーロッパ研究ネットワーク」の名称は、国内外との研究機関と継続的な研究交流を行う際に引き続き使用することが、研究員会で認められている。
フォーラム「科学論」(再編) 1990.4~ 馬場 政孝 商学部
このフォーラムは、研究所の設立当初から、各研究チームと研究活動の一層の高揚を図るために、哲学及び自然科学の研究者の参加を得て、社会科学の基本的かつ原理的諸問題を現代的な課題意識から、公開討論の場を設けて提起、かつ究明し、これによって社会諸科学の進歩と統合化を追求しようとするようとする目的の元に設立されたものであって、本研究所の特色ある企画の一つであると言える。また、「科学者の社会的責任」について考える場として位置づけている。これまで、外部講師を招き、社会科学が直面している共通の問題について、1,2年に1回程度シンポジウム形式での討論を行ってきた。発足以来数度の再編を経てきたが、「ヨーロッパ研究ネットワーク」と同様、発足以来長い時間がたち、研究所内での位置づけも変化してきているため、そのあり方について検討を行っている。今年度の具体的な活動はそのため未定となっている。

2013年度

研究チーム名 研究期間 幹事 所属
グローバル化と社会科学 2009.4~2014.3 星野 智 法学部
グローバル化と地球規模の問題群についてはさまざまな領域について膨大な研究があるが、それらと社会科学との関係については、あまり先行研究・調査は存在しない。本学社会科学研究所設立30周年を記念して開催した国際シンポジウムにおいて、環境、開発、貧困、紛争、グローバル・ガバナンスなどに関する社会科学の関与と貢献、そして今後の課題について討議した結果を併せ、その研究成果を広く世界に発信する。
選挙と政治 2010.4~2014.3 宮野 勝 文学部
選挙についての研究を中心に、政治意識や政治制度などの問題も視野におさめる。選挙研究には多くの蓄積があるが、近年の変化も大きく、それらを含めた研究の必要性は増大している。
「信頼感」の国際比較研究 2011.4~2014.3 佐々木正道 文学部
グローバル化・情報化社会での「価値観」について新たな研究は緊要の研究課題となっている。社会学においては「信頼」は個人、社会関係、及び社会システムの特性と捉えられ、対人関係における「信頼」は民主主義の根底をなす重要な要素であり、社会や市民共同体の持続の基本であるとされている。また「信頼」を社会関係に巻き込むことで「市民」を成立させ、そのことにより安定した「市民社会」を形成使用とすることにおいては、アダム・スミス以来、フーコーに至るまで繰り返し論じられてきた。本研究では対人関係と「信頼」の関連性を、アーモンドとバーバーの「市民文化」に関する理論や、「信頼」に関するルーマン、ギデンズ、ミツタルなどの最近の社会学理論と対照させながら、一般的意識構造と「信頼」の関連をも解明する。
モバイル社会と若者 2011.4~2014.3 松田 美佐 文学部
本研究の目的は、若者の間での携帯電話の利用実態をそのパーソナル・ネットワークに焦点をあてながら分析することで、定着期から成熟期へ向かうモバイル・メディア社会の将来像を具体的に構想することにある。これは携帯電話の普及がほぼ完了し、それを前提にした社会設計が各所で要求されている日本社会の現状を考えればきわめて重要な課題だといえる。
こうした課題に応えるため、既に申請者は平成22年度科学研究費補助金(基盤研究B)「モバイル・メディア社会の将来構想へ向けた社会学的実証研究」(課題番号22330153、代表:松田美佐)を得て、本研究の共同研究者とも調査研究を進めているが、さらに家族社会学や親密性研究を専門とする山田教授とプロジェクトを組んで大都市と地方都市で調査研究を行うことで、モバイル・メディア社会における若者のネットワークをより重層的に把握したいと考える。
平和学の再構築 2012.4~2015.3 都留 康子 法学部
2011.3.11の東日本大震災は、改めて平和とは何かという問題を我々につきつけた形となった。そもそも日本での平和学は、戦争、核兵器のない平和を考えるところから始まり、その後、世界の貧困の撲滅など、より広い射程で考えるようになった。しかし、広い平和であっても、社会や個人一人一人に密接にかかわる平和学であったかどうかは疑問が残るところである。今こそ、我々の日常生活の安全性ということと密接に関係づけて論じなければならないことは明らかである。そこで本研究では、平和概念の再考察を通して、21世紀の平和学への新たな展望を開き、今後の日本の世界とのかかわりの中での復興、発展、平和への提言を試みるものである。
3.11以降の「惑星社会」 2013.4~2016.3 新原 道信 文学部
「ヨーロッパ研究ネットワーク」での活動を母体とする本研究チームは、とりわけヨーロッパでも強い関心をもって受け止められている「3.11以降の“惑星社会の諸問題(the multiple problems in the planetary society)”」を研究テーマとして、ヨーロッパと日本も含めた諸地域との比較研究を、“探究/探求型社会調査(Exploratory Social Research)”に基づき行う。テーマの背景には、グローバリゼーション/ポスト・モダン下の“惑星社会の諸問題”(メルッチ)への認識があり、フィールドリサーチに基づき、原発・震災問題等への個々人の応答のなかに現れつつある“社会文化的な島々のつらなり”(メルレル)を析出することで持続可能な社会の方向性を提示することを目的とする。
ヨーロッパ研究ネットワーク 1996.4~ 新原 道信 文学部
1995年12月に中央大学駿河台記念館において、当研究所主催の国際シンポジウム「冷戦後の欧州新秩序と日欧関係」が開催された。このシンポジウムは、フランス、イギリス、ドイツ、イタリア、オーストリア、スウェーデン、ハンガリー、スロヴァキアからの16名の研究者と21名の日本人研究者が参加して行われた。このシンポジウムの開催を契機として、ヨーロッパと日本の大学及び研究所の研究者が学術・研究交流を通じて自由に研究プロジェクトを組織することができるよう、1996年4月から「ヨーロッパ研究ネットワーク(International Network of European Studies:INES)」をスタートさせた。事業としては、1)ヨーロッパから研究者を招聘して「ヨーロッパおよび日欧関係」について研究交流を図る,2)国内の研究者を招いて同テーマについて研究交流を図る,3)同テーマについて関心のある国内外の研究機関・研究者のリストを作りディレクトリーを作成する,の3つを目標とした。1999年度にはその基盤つくりとして、イタリアのナポリ大学"フェデリコⅡ世"社会学部をはじめとする研究機関と研究交流協定を締結し、2001年度からさまざまな研究交流を開始した。2003年度以降協定を結んだ大学のうち、全学協定を締結した大学とは、研究所独自の研究交流協定は自動的に解消された。また、ナポリ大学との協定は、2008年度をもって終了している。今後は新たな研究交流の基盤となる外国大学との協定を検討している。プロジェクト発足以来長い時間がたち、研究所内での位置づけも変化してきているため、プロジェクトのあり方について検討がなされ、実質的な活動の運営方法は他の研究チームと同様に研究期間を定めたプロジェクト方式で行うこととなり、2013年から新規チーム「3.11以降の『惑星社会』」を設立することとなった。また、「ヨーロッパ研究ネットワーク」の名称は、国内外との研究機関と継続的な研究交流を行う際に引き続き使用することが、研究員会で認められている。
フォーラム「科学論」(再編) 1990.4~ 馬場 政孝 商学部
このフォーラムは、研究所の設立当初から、各研究チームと研究活動の一層の高揚を図るために、哲学及び自然科学の研究者の参加を得て、社会科学の基本的かつ原理的諸問題を現代的な課題意識から、公開討論の場を設けて提起、かつ究明し、これによって社会諸科学の進歩と統合化を追求しようとするようとする目的の元に設立されたものであって、本研究所の特色ある企画の一つであると言える。また、「科学者の社会的責任」について考える場として位置づけている。これまで、外部講師を招き、社会科学が直面している共通の問題について、1,2年に1回程度シンポジウム形式での討論を行ってきた。発足以来数度の再編を経てきたが、「ヨーロッパ研究ネットワーク」と同様、発足以来長い時間がたち、研究所内での位置づけも変化してきているため、そのあり方について検討を行っている。

2012年度

研究チーム名 研究期間 幹事 所属
グローバル化と社会科学 2009.4~2013.3 星野 智 法学部
グローバル化と地球規模の問題群についてはさまざまな領域について膨大な研究があるが、それらと社会科学との関係については、あまり先行研究・調査は存在しない。本学社会科学研究所設立30周年を記念して開催した国際シンポジウムにおいて、環境、開発、貧困、紛争、グローバル・ガバナンスなどに関する社会科学の関与と貢献、そして今後の課題について討議した結果を併せ、その研究成果を広く世界に発信する。
「満州」移民と地域社会の研究 2010.4~2013.3 吉見 義明 商学部
1930年代から終戦までに実施された満州移民政策と、移民を送出した側及び受容させられた側の地域社会との関係を調査・分析することを目的とする。残留孤児・残留夫人という重大な問題を残しながらも、なぜ、かつどのように満州移民が送出されたのか、現地での受容状況の実態、引揚げの実態、帰国後の実態はどうであったのか、解明されていない部分が多い。満州移民体験者の高齢化のため、聞き取り調査のタイムリミットが迫っており、緊急性を要する研究である。
東京の社会変動 2010.4~2013.3 川崎 嘉元 文学部
先進国の大都市と比べて、東京は特異な様相を示してきた都市である。たとえば長い間男性人口が多く、産業も金融・保険・サービスに特化されることなく、工業を含む多様を含む多様な産業を抱え込んできた都市であった。しかし世紀の境目あたりから、かつての特徴を維持しながらも、先進諸国の大都市に類似した都市に変貌しつつある。近年の東京の人口・経済社会・文化の変動に研究の焦点を当て、世界の大都市と比べて、東京の社会変動の個性的パターンを追求してみたい。
選挙と政治 2010.4~2013.3 宮野 勝 文学部
選挙についての研究を中心に、政治意識や政治制度などの問題も視野におさめる。選挙研究には多くの蓄積があるが、近年の変化も大きく、それらを含めた研究の必要性は増大している。
「信頼感」の国際比較研究 2011.4~2014.3 佐々木正道 文学部
グローバル化・情報化社会での「価値観」について新たな研究は緊要の研究課題となっている。社会学においては「信頼」は個人、社会関係、及び社会システムの特性と捉えられ、対人関係における「信頼」は民主主義の根底をなす重要な要素であり、社会や市民共同体の持続の基本であるとされている。また「信頼」を社会関係に巻き込むことで「市民」を成立させ、そのことにより安定した「市民社会」を形成使用とすることにおいては、アダム・スミス以来、フーコーに至るまで繰り返し論じられてきた。本研究では対人関係と「信頼」の関連性を、アーモンドとバーバーの「市民文化」に関する理論や、「信頼」に関するルーマン、ギデンズ、ミツタルなどの最近の社会学理論と対照させながら、一般的意識構造と「信頼」の関連をも解明する。
モバイル社会と若者 2011.4~2014.3 松田 美佐 文学部
本研究の目的は、若者の間での携帯電話の利用実態をそのパーソナル・ネットワークに焦点をあてながら分析することで、定着期から成熟期へ向かうモバイル・メディア社会の将来像を具体的に構想することにある。これは携帯電話の普及がほぼ完了し、それを前提にした社会設計が各所で要求されている日本社会の現状を考えればきわめて重要な課題だといえる。
こうした課題に応えるため、既に申請者は平成22年度科学研究費補助金(基盤研究B)「モバイル・メディア社会の将来構想へ向けた社会学的実証研究」(課題番号22330153、代表:松田美佐)を得て、本研究の共同研究者とも調査研究を進めているが、さらに家族社会学や親密性研究を専門とする山田教授とプロジェクトを組んで大都市と地方都市で調査研究を行うことで、モバイル・メディア社会における若者のネットワークをより重層的に把握したいと考える。
平和学の再構築 2012.4~2015.3 都留 康子 法学部
2011.3.11の東日本大震災は、改めて平和とは何かという問題を我々につきつけた形となった。そもそも日本での平和学は、戦争、核兵器のない平和を考えるところから始まり、その後、世界の貧困の撲滅など、より広い射程で考えるようになった。しかし、広い平和であっても、社会や個人一人一人に密接にかかわる平和学であったかどうかは疑問が残るところである。今こそ、我々の日常生活の安全性ということと密接に関係づけて論じなければならないことは明らかである。そこで本研究では、平和概念の再考察を通して、21世紀の平和学への新たな展望を開き、今後の日本の世界とのかかわりの中での復興、発展、平和への提言を試みるものである。
ヨーロッパ研究ネットワーク 1996.4~ 新原 道信 文学部
1995年12月に中央大学駿河台記念館において、当研究所主催の国際シンポジウム「冷戦後の欧州新秩序と日欧関係」が開催された。このシンポジウムは、フランス、イギリス、ドイツ、イタリア、オーストリア、スウェーデン、ハンガリー、スロヴァキアからの16名の研究者と21名の日本人研究者が参加して行われた。このシンポジウムの開催を契機として、ヨーロッパと日本の大学及び研究所の研究者が学術・研究交流を通じて自由に研究プロジェクトを組織することができるよう、1996年4月から「ヨーロッパ研究ネットワーク(International Network of European Studies:INES)」をスタートさせた。事業としては、1)ヨーロッパから研究者を招聘して「ヨーロッパおよび日欧関係」について研究交流を図る,2)国内の研究者を招いて同テーマについて研究交流を図る,3)同テーマについて関心のある国内外の研究機関・研究者のリストを作りディレクトリーを作成する,の3つを考えており、1999年度にはその基盤つくりとして、イタリアのナポリ大学"フェデリコⅡ世"社会学部をはじめとする研究機関と研究交流協定を締結し、2001年度からさまざまな研究交流を開始した。2003年度以降協定を結んだ大学のうち、全学協定を締結した大学とは、研究所独自の研究交流協定は自動的に解消された。また、ナポリ大学との協定は、2008年度をもって終了している。今後は新たな研究交流の基盤となる外国大学との協定を検討している。
フォーラム「科学論」(再編) 1990.4~ 小林 道正 経済学部
このフォーラムは、研究所の設立当初から、各研究チームと研究活動の一層の高揚を図るために、哲学及び自然科学の研究者の参加を得て、社会科学の基本的かつ原理的諸問題を現代的な課題意識から、公開討論の場を設けて提起、かつ究明し、これによって社会諸科学の進歩と統合化を追求しようとするようとする目的の元に設立されたものであって、本研究所の特色ある企画の一つであると言える。また、「科学者の社会的責任」について考える場として位置づけている。これまで、外部講師を招き、社会科学が直面している共通の問題について、年に一回程度シンポジウム形式での討論を行ってきた。発足以来数度の再編を経て今日に至っている。

2011年度

研究チーム名 研究期間 幹事 所属
日本政治の構想と実践 2007.4~2012.3 菅原 彬州 法学部
本チームは、幕末から現代までの日本政治の史的展開を対象とする。開国から150年、日露戦争から100年、そして敗戦から60年が経過し、日本の近現代をめぐっては、その史実をいかに現実の諸問題とかかわり合わせて考えていくかが、今日の課題となっている。そこで、本チームでは、それぞれの時代状況において、人びとがいかなる問題意識を起点に、どういった構想を抱き、どう実践したのかという「日本政治の構想と実践」のプロセスを、あらためて問い直していきたい。その際、背景となる社会の変化を総体として把握しないかぎり、政治事象の本質的な意義をつかむことはできない。そのため、政治を基軸にすえつつも、法律・経済・軍事・思想・教育・文化・地域・国際関係といった複眼的な視角も積極的に採りいれながら、検討を進めていく。こうした分析の積み重ねが、これまでの歴史像をとらえ直すとともに、日本政治の未来を切り拓く指針を手にすることにつながるといえよう。
グローバル化と社会科学 2009.4~2012.3 星野 智 法学部
グローバル化と地球規模の問題群についてはさまざまな領域について膨大な研究があるが、それらと社会科学との関係については、あまり先行研究・調査は存在しない。本学社会科学研究所設立30周年を記念して、国際ワークショップを開催し、環境、開発、貧困、紛争、グローバル・ガバナンスなどに関する社会科学の関与と貢献、そして今後の課題について討議し、その成果を広く世界に発信する。
多摩キャンパスの自然Ⅱ 2009.4~2012.3 武田 直邦 商学部
自然環境に恵まれた多摩キャンパスにおける生物相の実態を広く広範囲に明らかにし、併せて植物や小動物にみられる絶滅危惧種や貴重種の増殖と保全を計っていく。前回同様成果は学部の自然教育やFLPの環境教育に供し、一般教職員の方にも随時機を得てお伝えする。
「満州」移民と地域社会の研究 2010.4~2013.3 吉見 義明 商学部
1930年代から終戦までに実施された満州移民政策と、移民を送出した側及び受容させられた側の地域社会との関係を調査・分析することを目的とする。残留孤児・残留夫人という重大な問題を残しながらも、なぜ、かつどのように満州移民が送出されたのか、現地での受容状況の実態、引揚げの実態、帰国後の実態はどうであったのか、解明されていない部分が多い。満州移民体験者の高齢化のため、聞き取り調査のタイムリミットが迫っており、緊急性を要する研究である。
東京の社会変動 2010.4~2013.3 川崎 嘉元 文学部
先進国の大都市と比べて、東京は特異な様相を示してきた都市である。たとえば長い間男性人口が多く、産業も金融・保険・サービスに特化されることなく、工業を含む多様を含む多様な産業を抱え込んできた都市であった。しかし世紀の境目あたりから、かつての特徴を維持しながらも、先進諸国の大都市に類似した都市に変貌しつつある。近年の東京の人口・経済社会・文化の変動に研究の焦点を当て、世界の大都市と比べて、東京の社会変動の個性的パターンを追求してみたい。
選挙と政治 2010.4~2013.3 宮野 勝 文学部
選挙についての研究を中心に、政治意識や政治制度などの問題も視野におさめる。選挙研究には多くの蓄積があるが、近年の変化も大きく、それらを含めた研究の必要性は増大している。
「信頼感」の国際比較研究 2011.4~2014.3 佐々木正道 文学部
グローバル化・情報化社会での「価値観」について新たな研究は緊要の研究課題となっている。社会学においては「信頼」は個人、社会関係、及び社会システムの特性と捉えられ、対人関係における「信頼」は民主主義の根底をなす重要な要素であり、社会や市民共同体の持続の基本であるとされている。また「信頼」を社会関係に巻き込むことで「市民」を成立させ、そのことにより安定した「市民社会」を形成使用とすることにおいては、アダム・スミス以来、フーコーに至るまで繰り返し論じられてきた。本研究では対人関係と「信頼」の関連性を、アーモンドとバーバーの「市民文化」に関する理論や、「信頼」に関するルーマン、ギデンズ、ミツタルなどの最近の社会学理論と対照させながら、一般的意識構造と「信頼」の関連をも解明する。
モバイル社会と若者 2011.4~2014.3 松田 美佐 文学部
本研究の目的は、若者の間での携帯電話の利用実態をそのパーソナル・ネットワークに焦点をあてながら分析することで、定着期から成熟期へ向かうモバイル・メディア社会の将来像を具体的に構想することにある。これは携帯電話の普及がほぼ完了し、それを前提にした社会設計が各所で要求されている日本社会の現状を考えればきわめて重要な課題だといえる。
こうした課題に応えるため、既に申請者は平成22年度科学研究費補助金(基盤研究B)「モバイル・メディア社会の将来構想へ向けた社会学的実証研究」(課題番号22330153、代表:松田美佐)を得て、本研究の共同研究者とも調査研究を進めているが、さらに家族社会学や親密性研究を専門とする山田教授とプロジェクトを組んで大都市と地方都市で調査研究を行うことで、モバイル・メディア社会における若者のネットワークをより重層的に把握したいと考える。
ヨーロッパ研究ネットワーク 1996.4~ 新原 道信 文学部
1995年12月に中央大学駿河台記念館において、当研究所主催の国際シンポジウム「冷戦後の欧州新秩序と日欧関係」が開催された。このシンポジウムは、フランス、イギリス、ドイツ、イタリア、オーストリア、スウェーデン、ハンガリー、スロヴァキアからの16名の研究者と21名の日本人研究者が参加して行われた。このシンポジウムの開催を契機として、ヨーロッパと日本の大学及び研究所の研究者が学術・研究交流を通じて自由に研究プロジェクトを組織することができるよう、1996年4月から「ヨーロッパ研究ネットワーク(International Network of European Studies:INES)」をスタートさせた。事業としては、1)ヨーロッパから研究者を招聘して「ヨーロッパおよび日欧関係」について研究交流を図る,2)国内の研究者を招いて同テーマについて研究交流を図る,3)同テーマについて関心のある国内外の研究機関・研究者のリストを作りディレクトリーを作成する,の3つを考えており、1999年度にはその基盤つくりとして、イタリアのナポリ大学“フェデリコⅡ世”社会学部をはじめとする研究機関と研究交流協定を締結し、2001年度からさまざまな研究交流を開始した。2003年度以降協定を結んだ大学のうち、全学協定を締結した大学とは、研究所独自の研究交流協定は自動的に解消された。また、ナポリ大学との協定は、2008年度をもって終了している。今後は新たな研究交流の基盤となる外国大学との協定を検討している。
フォーラム「科学論」(再編) 1990.4~ 小林 道正 経済学部
このフォーラムは、研究所の設立当初から、各研究チームと研究活動の一層の高揚を図るために、哲学及び自然科学の研究者の参加を得て、社会科学の基本的かつ原理的諸問題を現代的な課題意識から、公開討論の場を設けて提起、かつ究明し、これによって社会諸科学の進歩と統合化を追求しようとするようとする目的の元に設立されたものであって、本研究所の特色ある企画の一つであると言える。また、「科学者の社会的責任」について考える場として位置づけている。これまで、外部講師を招き、社会科学が直面している共通の問題について、年に一度シンポジウム形式での討論を行ってきている。発足以来数度の再編を経て今日に至っている。

2010年度

研究チーム名 研究期間 幹事 所属
日本政治の構想と実践 2007.4~2012.3 菅原 彬州 法学部
本チームは、幕末から現代までの日本政治の史的展開を対象とする。開国から150年、日露戦争から100年、そして敗戦から60年が経過し、日本の近現代をめぐっては、その史実をいかに現実の諸問題とかかわり合わせて考えていくかが、今日の課題となっている。そこで、本チームでは、それぞれの時代状況において、人びとがいかなる問題意識を起点に、どういった構想を抱き、どう実践したのかという「日本政治の構想と実践」のプロセスを、あらためて問い直していきたい。その際、背景となる社会の変化を総体として把握しないかぎり、政治事象の本質的な意義をつかむことはできない。そのため、政治を基軸にすえつつも、法律・経済・軍事・思想・教育・文化・地域・国際関係といった複眼的な視角も積極的に採りいれながら、検討を進めていく。こうした分析の積み重ねが、これまでの歴史像をとらえ直すとともに、日本政治の未来を切り拓く指針を手にすることにつながるといえよう。
現代企業文化の国際比較研究 2007.4~2011.3 佐々木 正道 文学部
主要各国はそれ固有の産業文明の中で独自の企業文化を発達させてきたが、それが今日、グローバリゼーションと産業構造の変化のもとで、新自由主義思想と画一的マネジメント技法の浸透(米国型主導の)で大きく変容してきているように見える。この研究は日・独・露・中・伊5カ国を軸としてその変容と現代的特徴を追及し、あわせて従業員福祉と企業の社会的責任の今日的課題を問う。
グローバル化と社会科学 2009.4~2012.3 星野 智 法学部
グローバル化と地球規模の問題群についてはさまざまな領域について膨大な研究があるが、それらと社会科学との関係については、あまり先行研究・調査は存在しない。本学社会科学研究所設立30周年を記念して、国際ワークショップを開催し、環境、開発、貧困、紛争、グローバル・ガバナンスなどに関する社会科学の関与と貢献、そして今後の課題について討議し、その成果を広く世界に発信する。
多摩キャンパスの自然Ⅱ 2009.4~2012.3 武田 直邦 商学部
自然環境に恵まれた多摩キャンパスにおける生物相の実態を広く広範囲に明らかにし、併せて植物や小動物にみられる絶滅危惧種や貴重種の増殖と保全を計っていく。前回同様成果は学部の自然教育やFLPの環境教育に供し、一般教職員の方にも随時機を得てお伝えする。
「満州」移民と地域社会の研究 2010.4~2013.3 吉見 義明 商学部
1930年代から終戦までに実施された満州移民政策と、移民を送出した側及び受容させられた側の地域社会との関係を調査・分析することを目的とする。残留孤児・残留夫人という重大な問題を残しながらも、なぜ、かつどのように満州移民が送出されたのか、現地での受容状況の実態、引揚げの実態、帰国後の実態はどうであったのか、解明されていない部分が多い。満州移民体験者の高齢化のため、聞き取り調査のタイムリミットが迫っており、緊急性を要する研究である。
東京の社会変動 2010.4~2013.3 川崎 嘉元 文学部
先進国の大都市と比べて、東京は特異な様相を示してきた都市である。たとえば長い間男性人口が多く、産業も金融・保険・サービスに特化されることなく、工業を含む多様を含む多様な産業を抱え込んできた都市であった。しかし世紀の境目あたりから、かつての特徴を維持しながらも、先進諸国の大都市に類似した都市に変貌しつつある。近年の東京の人口・経済社会・文化の変動に研究の焦点を当て、世界の大都市と比べて、東京の社会変動の個性的パターンを追求してみたい。
選挙と政治 2010.4~2013.3 宮野 勝 文学部
選挙についての研究を中心に、政治意識や政治制度などの問題も視野におさめる。選挙研究には多くの蓄積があるが、近年の変化も大きく、それらを含めた研究の必要性は増大している。
ヨーロッパ研究ネットワーク 1996.4~ 中島 康予 法学部
1995年12月に中央大学駿河台記念館において、当研究所主催の国際シンポジウム「冷戦後の欧州新秩序と日欧関係」が開催された。このシンポジウムは、フランス、イギリス、ドイツ、イタリア、オーストリア、スウェーデン、ハンガリー、スロヴァキアからの16名の研究者と21名の日本人研究者が参加して行われた。このシンポジウムの開催を契機として、ヨーロッパと日本の大学及び研究所の研究者が学術・研究交流を通じて自由に研究プロジェクトを組織することができるよう、1996年4月から「ヨーロッパ研究ネットワーク(International Network of European Studies:INES)」をスタートさせた。事業としては、1)ヨーロッパから研究者を招聘して「ヨーロッパおよび日欧関係」について研究交流を図る,2)国内の研究者を招いて同テーマについて研究交流を図る,3)同テーマについて関心のある国内外の研究機関・研究者のリストを作りディレクトリーを作成する,の3つを考えており、1999年度にはその基盤つくりとして、イタリアのナポリ大学“フェデリコⅡ世”社会学部をはじめとする研究機関と研究交流協定を締結し、2001年度からさまざまな研究交流を開始した。2003年度以降協定を結んだ大学のうち、全学協定を締結した大学とは、研究所独自の研究交流協定は自動的に解消された。また、ナポリ大学との協定は、2008年度をもって終了している。今後は新たな研究交流の基盤となる外国大学との協定を検討している。
フォーラム「科学論」(再編) 1990.4~ 小林 道正 経済学部
このフォーラムは、研究所の設立当初から、各研究チームと研究活動の一層の高揚を図るために、哲学及び自然科学の研究者の参加を得て、社会科学の基本的かつ原理的諸問題を現代的な課題意識から、公開討論の場を設けて提起、かつ究明し、これによって社会諸科学の進歩と統合化を追求しようとするようとする目的の元に設立されたものであって、本研究所の特色ある企画の一つであると言える。また、「科学者の社会的責任」について考える場として位置づけている。これまで、外部講師を招き、社会科学が直面している共通の問題について、年に一度シンポジウム形式での討論を行ってきている。発足以来数度の再編を経て今日に至っている。

2009年度

研究チーム名 幹事 所属
国際政治の理論と現実 酒井 由美子 法学部
世界は転換期にある。冷戦が終わったが、新しい世界秩序は見えていない。90年代に入り、国際政治の世界では新しい事象が、グローバルな舞台、地域レベル、ナショナルやイントラナショナルなレベル、さらに民間レベルで生起している。そのような現実に対して国際政治理論の分野でどのような展開がなされてきたかを明らかにする。
社会科学におけるオントロジ 斉藤 孝 文学部
オントロジは哲学存在論に起源があるが、応用オントロジはITの意味論や知識論といえる。この場合の知識とはコンピュータ可読知識に限定される。IT時代では、社会科学の情報は電子化されていき、Webに浮かぶ電子知識と呼ばれることだろう。したがって、電子知識の獲得と表現に関わる研究意義は、高く評価される。応用オントロジの研究方法は、対象とする分野の主題分析を行い、情報と知識の構造を明らかにし、それをオントロジ言語OWLによって表現する。この研究では、主題として社会科学を選び、そのオントロジを明らかにする。具体的には(Y1)特定の社会科学文献を対象に選び、その情報・知識の関係性を(Y2)意味ネットワークとして定義し、知識モデルを組み立て、それを(Y3)OWL記述して評価する。研究の目標は、「社会科学における情報学的方法論」を構築することである。
地域社会変動の国際比較 川崎 嘉元 文学部
具体的な研究テーマは次の二つである。(1)若い男性の町であった江戸・東京が、世紀の変わり目を境に女性と高齢者の町に変貌し、欧米の先進国の大都市同様成熟化しつつあると言われるが、それは正しいのかどうか。国際比較を通して、東京の実態に迫る。(2)ヨーロッパ各国(イタリア,イギリス,チェコ,スロヴァキアなど)の中小の地方都市を取り上げ、同じEU内における地域社会の変化の文脈を国際比較する。
日本政治の構想と実践 菅原 彬州 法学部
本チームは、幕末から現代までの日本政治の史的展開を対象とする。開国から150年、日露戦争から100年、そして敗戦から60年が経過し、日本の近現代をめぐっては、その史実をいかに現実の諸問題とかかわり合わせて考えていくかが、今日の課題となっている。そこで、本チームでは、それぞれの時代状況において、人びとがいかなる問題意識を起点に、どういった構想を抱き、どう実践したのかという「日本政治の構想と実践」のプロセスを、あらためて問い直していきたい。その際、背景となる社会の変化を総体として把握しないかぎり、政治事象の本質的な意義をつかむことはできない。そのため、政治を基軸にすえつつも、法律・経済・軍事・思想・教育・文化・地域・国際関係といった複眼的な視角も積極的に採りいれながら、検討を進めていく。こうした分析の積み重ねが、これまでの歴史像をとらえ直すとともに、日本政治の未来を切り拓く指針を手にすることにつながるといえよう。
現代企業文化の国際比較研究 佐々木 正道 文学部
主要各国はそれ固有の産業文明の中で独自の企業文化を発達させてきたが、それが今日、グローバリゼーションと産業構造の変化のもとで、新自由主義思想と画一的マネジメント技法の浸透(米国型主導の)で大きく変容してきているように見える。この研究は日・独・露・中・伊5カ国を軸としてその変容と現代的特徴を追及し、あわせて従業員福祉と企業の社会的責任の今日的課題を問う。
政治行動の実証分析 安野 智子 文学部
ICPSR(ミシガン大学)をはじめとするデータアーカイブの社会調査データ分析を柱にして政治行動について実証的な検討を行う。具体的には投票行動、政治参加、コミュニケーションなどのトピックを扱う。学内外の研究者による講演なども取り入れ、最新の研究成果の報告・議論を行っていく。
グローバル化と社会科学 星野 智 法学部
グローバル化と地球規模の問題群についてはさまざまな領域について膨大な研究があるが、それらと社会科学との関係については、あまり先行研究・調査は存在しない。本学社会科学研究所設立30周年を記念して、国際ワークショップを開催し、環境、開発、貧困、紛争、グローバル・ガバナンスなどに関する社会科学の関与と貢献、そして今後の課題について討議し、その成果を広く世界に発信する。
多摩キャンパスの自然Ⅱ 武田 直邦 商学部
自然環境に恵まれた多摩キャンパスにおける生物相の実態を広く広範囲に明らかにし、併せて植物や小動物にみられる絶滅危惧種や貴重種の増殖と保全を計っていく。前回同様成果は学部の自然教育やFLPの環境教育に供し、一般教職員の方にも随時機を得てお伝えする。
ヨーロッパ研究ネットワーク 新原 道信 文学部
1995年12月に中央大学駿河台記念館において、当研究所主催の国際シンポジウム「冷戦後の欧州新秩序と日欧関係」が開催された。このシンポジウムは、フランス、イギリス、ドイツ、イタリア、オーストリア、スウェーデン、ハンガリー、スロヴァキアからの16名の研究者と21名の日本人研究者が参加して行われた。このシンポジウムの開催を契機として、ヨーロッパと日本の大学及び研究所の研究者が学術・研究交流を通じて自由に研究プロジェクトを組織することができるよう、1996年4月から「ヨーロッパ研究ネットワーク(International Network of European Studies:INES)」をスタートさせた。事業としては、1)ヨーロッパから研究者を招聘して「ヨーロッパおよび日欧関係」について研究交流を図る,2)国内の研究者を招いて同テーマについて研究交流を図る,3)同テーマについて関心のある国内外の研究機関・研究者のリストを作りディレクトリーを作成する,の3つを考えており、1999年度にはその基盤つくりとして、イタリアのナポリ大学“フェデリコⅡ世”社会学部をはじめとする研究機関と研究交流協定を締結した。
フォーラム「科学論」(再編) 小林 道正 経済学部
このフォーラムは、研究所の設立当初から、各研究チームと研究活動の一層の高揚を図るために、哲学及び自然科学の研究者の参加を得て、社会科学の基本的かつ原理的諸問題を現代的な課題意識から、公開討論の場を設けて提起、かつ究明し、これによって社会諸科学の進歩と統合化を追求しようとするようとする目的の元に設立されたものであって、本研究所の特色ある企画の一つであると言える。また、「科学者の社会的責任」について考える場として位置づけている。これまで、外部講師を招き、社会科学が直面している共通の問題について、年に一度シンポジウム形式での討論を行ってきている。発足以来数度の再編を経て今日に至っている。