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2014年09月25日

研究開発機構 檀 一平太研究室:研究成果の記者会見を開催

9月24日、研究開発機構「認知脳情報活用研究ユニット(研究代表者:理工学部教授 檀 一平太)」の研究成果に関する記者会見会を実施しました。

「ADHD治療薬の効果を光トポグラフィ脳機能検査で可視化!‐個人の症状に応じたテーラーメイド治療の基礎を確立‐」

<発表者>
中央大学理工学部人間総合理工学科・研究開発機構 教授 檀一平太
自治医科大学医学部小児科学教室 講師 門田行史・教授 山形崇倫・助教 長嶋雅子


<概要>
自治医科大学(門田、山形)、中央大学(檀)らの共同研究グループは、光を用いた無侵襲の脳機能イメージング法である光トポグラフィを利用して、注意欠如・多動症(ADHD)治療薬について、「薬の効き方」を可視化することに成功しました。
ADHDは全人口の5%以上に幼児期から発症する代表的な神経発達障害で、「待てずに反射的に行動してしまう(衝動性)」、「落ち着きがない(多動性)」、「忘れ物をする事が多い(不注意症状)」といった症状を伴います。従来、ADHDの診断と治療効果の検討は行動観察が中心であり、客観的評価方法の開発が望まれていました。
今回の実験では、6歳から14歳のADHD児約50名に、塩酸メチルフェニデート徐放薬、または、アトモキセチンを服用してもらいました。さらに、別の日にプラセボ薬(薬効成分のない薬)を服用してもらいました。服用前後に、行動抑制ゲーム、または、注意ゲーム中の脳の活動を、光トポグラフィによって計測しました。一回の計測は6分程度です。比較対照として、薬を服用していない定型発達児約50名にも同様の課題を行いました。
定型発達児の場合、行動抑制ゲーム中に右前頭前野、注意ゲーム中に右前頭前野と右頭頂葉の活動が見られました。ADHD児の場合、服薬前、プラセボ薬服薬時とも活動は見られませんでした。一方、塩酸メチルフェニデート徐放薬服用後は、注意、行動抑制ゲーム中のどちらでも、右前頭前野の活動が強めに回復しました。アトモキセチンを服用後は、行動抑制ゲーム中には右前頭前野、注意ゲーム中には右前頭前野と右頭頂葉の活動が弱めに回復しました。
このように、ADHD児への薬物治療効果を光トポグラフィで可視化できることが分りました。さらに、薬の種類や脳の活動内容によって、それぞれの薬特有の脳機能の回復効果があることが分りました。今後、この研究を発展させ、光トポグラフィで脳活動を参考にしながら、ADHDの症状や薬の効き方に応じて薬物治療の効果を確認する、テーラーメイド治療の開発を推進してまいります。


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