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2017年12月14日

公開講演会「21世紀の日本と中国」開催報告(法学部・社会科学研究所)

入江 昭 ハーバード大学名誉教授

2017年11月6日(月)、多摩キャンパス8号館8302号室にて、下記の公開講演会を開催しました。

 

【日 時】 2017年11月6日(月)11:00~12:30

【場 所】 中央大学 多摩キャンパス8号館8302号室

【テーマ】 21世紀の日本と中国

【報告者】 入江 昭(ハーバード大学名誉教授)

【主   催】 法学部/社会科学研究所 研究チーム「国際関係の理論と実際」

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【要 旨】

 はじめに1960年代以降の世界的な状況に触れて、1960年代の世界的な学生運動やベトナム反戦運動の高まりのなかで、学生や若い世代の政治的関心が高揚する一方、これらの世代は同時に、冷戦中であるとはいえ、戦後世界の平和な時代のなかで生きていた点を指摘した。そしてこの世代の若者とりわけ研究者のなかには、研究に集中できない世代でもあったけれども、国際政治におけるアメリカの位置づけについて学ぶ価値を見出し、国際関係や覇権主義の時代に関する研究に専念した人たちも多くいた。しかし、国際政治において重要なのは、国家や覇権の問題というよりも、人と人とのつながりであり、文化や市民というレベルでの交流であることを強調した。

 21世紀の日本と中国というテーマに関しては、まず、第二次世界大戦以前の日本と中国との関係に言及され、20世紀の植民地主義の時代において日本が天皇制という体制のもとで中国を侵略した歴史、またその歴史が植民地支配からの解放の歴史であった点についても言及した。他方、日本は敗戦によってアメリカに占領され、戦後は戦前の日中間の関係と類似して、アメリカによる占領からの解放の歴史であるが、沖縄の米軍基地は依然として存在し続けている点に触れ、それを継続させている現在のアメリカのトランプ政権と安倍政権について批判的に言及した。

 最後に、21世紀の日本と中国の関係を考えるうえで大切な点は、国際関係において人間中心の時代が到来し、国家間の関係よりも市民を基礎とした人間関係を築くことであるとされた。また21世紀の日中関係を考えるうえで歴史に学ぶことの重要性を強調した。

(研究チーム 記)