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政策文化総合研究所

第30回中央大学学術シンポジウム「情報文明における共生思想構築に向けての基礎的研究」主催公開シンポジウム開催のお知らせ

日程
2024年3月13日(水)15:00~17:30
場所
市ヶ谷田町キャンパス(中央大学ミドルブリッジ) 11階101号室
日程
2024年3月13日(水)15:00~17:30
場所
市ヶ谷田町キャンパス(中央大学ミドルブリッジ) 11階101号室
内容

主  催    第30回中央大学学術シンポジウム「情報文明における共生思想構築に向けての基礎的研究 

       (研究代表者:保坂 俊司 研究員(本学国際情報学部教授))


 

シンポジスト: ・佐野 仁美 氏(慶應義塾大学政策・メディア研究科研究員)    
         「情報文明のAI」
        ・松田 康男 氏(比較思想学会評議員)
         「許されざる人工知能(AI)・許されるAI」

 

講演概要  :(※ページ下部の「導入レジュメ」も併せてご覧ください。)

佐野 仁美 氏「情報文明のAI」

西洋科学文明は、それまで雄大な自然環境と一体であった人間が、神の領域であった万物の因果関係の支配者となりうる実感に包み込まれた時代であったのではないだろうか。自然環境の支配者として地球の資源を使い込み、自然環境を一瞬で破壊する兵器をも産み出した。人間が人間であることにある種の万能感に満ちたのが、西洋科学文明の中の人間であっただろう。
しかし、2024年現在、人間は「AI脅威論」を唱えるなど、AIに怯えている様だ。なぜ人間はAIを脅威として見なすのだろうか。デジタルテクノロジーはこの30年以上急速な進化を続け生活を便利にするツールとして浸透して来た、しかし生成AIの広まり以降は顕著に、AIの利便性と驚異性の二面性に着目し、人間はAIとの共生の道を模索している。
これは、西洋科学文明の根底にある核となる性質が揺らいでいるからだろう。AIの登場によって、物事の因果関係の支配者の階層構造においてAIが人間の上に立つ可能性に人間は動揺する。地球の自然環境の支配者および自然因果の解明者として、万能感に包まれていた人間の立ち位置が不明確になり始め、文明のアイデンティティを喪失しかけているのも見れる。
しかし、AIだけに着目しては、人間とAIの関係性を明確に客観視できない。この数十年の間に、デジタル自然環境は地球規模での変革を遂げており、新しい情報文明の中でのAIと人間の立ち位置を見直すことが重要である。


松田 康男 氏「許されざる人工知能(AI)・許されるAI」

昨今AI論、文明論はそれぞれ盛んであるが、AIが近未来の人類の方向を決める要因になり得る広範な科学技術である以上、AI論と文明論を有機的に結合した新しい総合的理論が必要である。また、その文明論も従来のような「人間」のみを視野に入れたものでは不十分であり、現在AIと密接に関連しながら加速度的に進展しつつあるバイオテク・ナノテク等も視野に入れ、脳とAIの結合・サイボーグ等まで視野に入れた文明論でなければならない。そのような新しい文明論として、世界的な環境破壊によって失われた自然との共生の回復に不可欠な「人間生物学的基礎」(「人間」が生物として持っている基本特性。言語能力等)の中核的要素として「人間に於ける無意識の重要性」を特に唱えたい。意識と無意識は「人間生物学的基礎」を土台に複雑で貴重な関係を持っており、これを破壊・阻害するAIは許されない。そして、「無意識の働きが自然と密接な構造になっている日本人」こそ、このような主張と実践の世界に於ける始動役として相応しいことを、発表者のドイツ人達との長年の交流の経験による異文化体験を踏まえて示したい。



【参加申し込み方法】

事前申し込み等は不要ですので、当日、会場へ直接ご来場ください。

◆本学学部生・院生・教職員、学外の一般の方の参加も歓迎いたします。

 

<お問合せ先>
中央大学政策文化総合研究所
〒192-0393
東京都八王子市東中野742-1
電話:042-674-3276

参加費

無料