研究

文学部教授 有賀敦紀:手触りで変わるコーヒーの味 ―世界初・さらさらした触感が酸味を弱めることを発見―

概要

 中央大学文学部教授の有賀敦紀と大学院文学研究科学生(研究時)の久保夏海さんは、手触りがコーヒーの味わいに影響を及ぼすことを発見しました。
 これまで、コーヒーカップの材質がコーヒーの味覚評価に影響することが報告されていました。しかし、それらの研究では視覚情報や唇からの触覚の影響を十分に排除できておらず、手で感じる触感そのものの効果は明らかになっていませんでした。
 本研究は、コーヒーの味覚評価における「手触りだけの効果」を世界で初めて実証したものです。
 具体的には、ざらざらした手触りのスリーブを付けたカップで飲む場合よりも、さらさらしたスリーブを付けたカップで飲む場合の方が、コーヒーの酸味が弱く感じられました。さらに、カップやスリーブとは無関係の物体に触れている場合でも、さらさらした手触りはコーヒーの酸味を弱めました。これは、普段コーヒーを飲む際に触れている机やスマートフォンなどの手触りが、コーヒーの味わいに影響する可能性を示しています。
 近年、カップやスリーブの素材は、「ブランド体験」の一部として注目されています。本研究は、スリーブや周辺素材の手触りによってコーヒーの味覚体験が変化する可能性を示すとともに、今後、飲用シーンを感覚全体からデザインすることの重要性を示唆するものです。
 本研究成果は、2026年6月3日(日本時間)に国際学術誌「Multisensory Research」でオンライン公開されました。

【研究者】
中央大学文学部
 有賀 敦紀 教授

【発表論文】
雑誌名: Multisensory Research
題名: The contextually tolerant but temporally intolerant sensation transference from tactile to taste in drinking coffee
著者名:Natsumi Kubo & Atsunori Ariga
DOI: https://doi.org/10.1163/22134808-bja10198

 

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