研究
研究開発機構 機構助教 大場章弘が国際賞Education 2.0 Conference-Visionaries Awardを受賞
2023年07月03日
研究開発機構 機構助教・大場 章弘がUAEのドバイで開催された2023年6月19日の授賞式において、国際賞Education 2.0 Conference-Visionaries Awardを受賞しました。
受賞にあたり、Education2.0 Conferenceから以下のコメントをいただいております。
Visionaries Awardは2022年に新設された国際賞で、あなたはアジアでは初の受賞者として選ばれました。受賞者数はごく少数で、あなたもその一人です。この賞は非常に限定的で、一握りの人々だけに授与されるため、すべての人が受賞するわけではありません。」
“The Visionaries Award recognizes and honors exceptional innovators for their significant contributions that have truly affected global change in the field of Education and learning. Visionaries Award has started since 2022. We have not selected anybody in Asia for this. We have selected only a few, and you are one of them. Not everyone gets this award, as it is very limited and given to only a handful of people.”
大場機構助教がモンゴルや中国内モンゴル自治区において気候変動に伴う異常気象や砂漠化によって家畜被害等の農牧業へ甚大な被害に苦しむ遊牧民や農家が適応できる仕組みを現地コミュニティや研究機関、政府機関とデマンド・ドリブンアプローチで協働して構築し、遊牧民や農家が異常気象や砂漠化への適応行動を実現した成果やキャパシティビルディングを含む研究活動が前回受賞したEducation2.0-Outstanding Leadership Awardにおいて高く評価されました。
この研究活動の結果、実際にモンゴルでは研究対象年において対象地域の遊牧民約3割が伝統的な遊牧スタイルを変えて適応行動を起こしました。現在ではさらにこの技術や仕組みを基盤としてモンゴル全土に活動が広がり、以降国家として異常気象による甚大な被害に至っていない重要な要素の一つとして、この寄与が教育・ラーニング分野における多大な貢献をしたと評価され、Education 2.0 Conference-Visionaries Awardが授与されました。
なお、まだまだ現地では異常気象への適応に対して予断を許さない状況が続いており、現地では国際的な団体や国家が一体となって不断の努力を続ける必要があるため、大場機構助教は所属する研究開発機構の気候変動ユニットで今後とも継続的な協働を続けて参ります。
さらに、当ユニットは現在、パリ協定で合意された気候変動枠組条約(UNFCCC)へ各国が提出する隔年透明性報告書(BTR)において、各国の温室効果ガス(GHG)排出量の検証や作成を支援するための検証可能なGHG排出量推定方法をGOSAT衛星観測データの活用によってモンゴル、カザフスタンやウズベキスタンをはじめとする中央アジア諸国と協働で構築する研究開発を進めておりますが、現地の需要を十分に捉えながら研究機関や政府機関と深く協働していくことが欠かせないプロジェクトとなっております。同賞は今後のユニット研究活動において各国の研究・政府機関やコミュニティと協働する際のアプローチの基盤となるだけでなく、さらに発展・促進させる重要な役割を果たすことが期待されます。
受賞の詳細については、下記も併せてご覧ください。