研究

国際経営学部准教授 楊川・法学部教授 海部健三:消費者がウナギに求めるのは 「国産」「無投薬」そして「持続可能性」

概要

 中央大学国際経営学部准教授の楊川および法学部教授の海部健三は、中国・西北農林科技大学の研究者との国際共同研究として、日本市場を対象に、ウナギ製品の産地表示(日本産/中国産)、認証ラベル(持続可能性認証/無投薬認証)、および価格の4属性が消費者の購買選択に与える影響を、離散選択実験(Discrete Choice Experiment: DCE)注1)により実証分析しました。推定結果に基づき、各属性に対する支払意思額(Willingness to Pay: WTP、ある属性が付くことで追加で支払ってもよい金額)注2)を推計し、さらに潜在クラスモデル(Latent Class Model: LCM)注3)により、消費者を複数のタイプに分類しました。
 日本市場では「日本産」が最大の価値要因である一方、認証ラベルも消費者の選択に影響し得ます。本研究は、無投薬や持続可能性といった情報が、消費者にとって「追加で支払う価値のある情報」として受け止められ得ることを示す結果となりました。認証付き製品の普及がウナギの持続的な利用への一助となる可能性が示唆されます。

 本研究は、2026年3月10日に中央大学国際経営学部が発行した『国際経営学論纂(Journal of Global Management)』に掲載されました。
 論文名: 「持続可能性認証付きウナギに対する消費者選好と支払意思額の分析―離散選択実験による日本市場の実証研究―
 著者: 
  楊 川(中央大学 国際経営学部 准教授)
  甄 世航(Shihang ZHEN、西北農林科技大学 経済管理学院 大学院生〔現:ドイツIAMO在学中〕)
  海部 健三(中央大学 法学部 教授)
  任 彦軍(Yanjun REN、西北農林科技大学 経済管理学院 教授)
 

注1)離散選択実験(DCE): 複数の選択肢(属性の組み合わせが異なる商品案)を提示し、選択結果から各属性の影響を推定する調査・分析手法。
注2)支払意思額(WTP): ある属性(例:認証ラベル)のために追加で支払ってもよい金額。
注3)潜在クラスモデル(LCM): 好みの近い人々を複数のセグメントに分けて推定する手法。

本研究のポイント

・オンライン調査により、日本市場におけるウナギ製品に対して消費者が追加で支払ってもよい金額(WTP)を定量的に分析した。

・消費者が示した最大のプレミアムは「日本産」であり、中国産に対して、日本産プレミアムは平均+1,102円であった。

・「無投薬」(+280.7円)および「持続可能性」(+262.1円)も、「国産」ほどではないものの、いずれも数百円規模のプレミアムとして評価された。

・「無投薬」「持続可能性」は認証ラベルとして提示され、実験内では一定のプレミアムが確認された。
消費者はその選好に従って、低価格選好型(28.9%)、国産志向型(27.7%)、健康志向型(19.7%)、高価格追求型(12.9%)、ウナギ回避型(10.8%)に分類された。

 詳細は、「プレスリリース」をご参照ください。

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