中央大学は、2025年10月3日(金)、上智大学四谷キャンパスにおいて、上智大学、芝浦工業大学と合同でスタッフ・ディベロップメント(SD: Staff Development)研修会を開催しました。
本研修会は、大学における研究支援業務の高度化に対応し、研究支援を担うURA(University Research Administrator)及び職員が、国の競争的研究費制度や大規模研究開発プロジェクトの政策意図・事業設計を的確に理解し、各種申請支援や採択率向上に貢献できるようになることを目的として実施しました。
研修前半では、公益財団法人未来工学研究所の安藤二香 主任研究員を講師に迎え、「研究開発プログラムのマネジメントにおけるロジックモデルの活用とその意義」をテーマにご講演いただきました。
講演では、競争的研究費制度において重視されるロジックモデルの基本構造や、研究開発評価の視点について、具体的な事例を交えながら体系的に紹介されました。
また、科学技術振興機構(JST)社会技術研究開発(RISTEX)事業で過年度まで行われていた研究開発領域「持続可能な多世代共創社会のデザイン」における事例をもとに、研究開発プログラムの設計・評価・マネジメントにおいてロジックモデルが果たす役割や重要性について、具体的に解説されました。加えて、ロジックモデルは研究者と関係者間の共通理解を促進し、提案内容の妥当性や成果の社会的意義を明確にするための有効なツールであることが強調されました。
後半はワークショップ形式で行われ、これまでに上智大学、中央大学で実際に採択されたRISTEXのプログラムを題材に、小グループに分かれてロジックモデルを用いた分析を実施しました。具体的には、「この課題がなぜ採択されたのか」という視点から、模造紙や付箋を使って仮説の構造を可視化し、成果の受け手や社会的インパクトまでを含めた論理的な道筋を構築しました。発表では、課題の背景、活動内容、期待される成果とその波及効果について議論が交わされ、参加者間で多様な視点を共有しました。
参加者からは、「プロジェクトが求めている結果に対し、理論立ててストーリーを分かりやすく整理する必要があると学びがあった」「第三者からみてロジックモデルがわかりやすい内容であればあるほど、理解も深まり、採択につながるのではないかと感じた」などの感想が寄せられました。
参考:上智大学Webサイト トピックス「中央大学・上智大学・芝浦工業大学が合同でSD研修会を開催しました」