社会科学研究所

創立30周年記念国際シンポジウム

1.ご挨拶

中央大学社会科学研究所は、今年2009年に、創立30周年を迎えます。この創立30周年の記念事業の一環として、グローバル化をキーワードとして国際シンポジウムを開催することにいたしました。

今日、グローバル化という問題は、地球社会全般に浸透している普遍的な傾向となっているということもあり、社会科学の諸領域を跨ぐ大きなテーマの1つとなっております。しかし、グローバル化についての定義や、それが歴史的にいつ始まったのかという基本的な問題に関しても議論があるところであります。また他方では、EUや東アジア共同体構想にみられるように、リージョナル化といわれる状況も世界的に進行しており、グローバル化とリージョナル化をどのように捉えるのかという問題も、大きな課題の1つとなっております。

本シンポジウムでは、「グローバル化と社会科学」というテーマで、グローバル化した現代世界において生じているさまざまな問題群に対して、既存の社会科学の各領域はどのように対応し、またどのように理論的に自己組織化を進めようとしているのか、そして将来的に、これらの状況に対してどのようなビジョンを提起することができるのか、このような問題意識のもとに、議論を深めたいと考えております。

本シンポジウムには、日本の研究者だけでなく、ヨーロッパや中国からの研究者にも参加して頂いております。また専門分野も、経済学、政治学、歴史学、国際経済学など多岐にわたっていることから、グローバル化に関して学際的な観点からの議論ができるものと期待しております。

多くの皆様の参加を、心からお待ち致しております。

2009年11月吉日
中央大学社会科学研究所所長 武山 眞行

2.プログラム

統一テーマ:「グローバル化と社会科学―社会科学はグローバル化をどのように捉えるのか―」

日時:2009年11月27日(金) 14時00分?17時00分

会場:中央大学多摩校舎2号館4階 研究所会議室4

主催:中央大学社会科学研究所

14:00―14:15
開会挨拶
<開会>
永井 和之 中央大学総長・学長
武山 眞行 中央大学社会科学研究所所長
14:15―15:35 <シンポジウム>
司会:星野 智(法学部教授)
14:15―14:35 <基調報告>
アンソニー・マグルー氏(サウサンプトン大学教授)
"Globalization in Hard Times: The Renaissance of Social Science"
14:35―14:55 李 文氏(中国社会科学院教授)
「中国研究者の対グローバル化観」
14:55―15:15 伊藤 誠氏(東京大学名誉教授)
「新自由主義的グローバリゼーションの意義と限界
 -社会科学としての経済学の任務-」
15:15―15:35 内田 孟男氏(経済学部教授・前社会科学研究所所長)
「グローバル・ガバナンスと社会科学」
15:35―15:50 休憩
15:50―17:00
ディスカッサント:
<パネルディスカッション>
中谷 義和氏(立命館大学名誉教授)
鶴田 満彦氏(中央大学名誉教授)
滝田 賢治氏(法学部教授)
閉会挨拶 内田 孟男
17:30 記念パーティー(研究所会議室2)

3.プロフィール(講演順)

アンソニー・マグルー サウサンプトン大学教授。専門は政治学。D・ヘルドと共同研究し、グローバル化に関する多くの著書を執筆している。著作に『変容する民主主義』(日本経済評論社)、『グローバル・トランスフォーメーションズ』(共著・中央大学出版部)など。
李 文 中国社会科学院・アジア太平洋研究所教授。専門は東アジア国際政治史他。中国の歴史のみならず、東アジアの国際関係をはじめ現代世界の歴史にも精通している。著書に『東亜社会運動』、『亜州政治概論』など。
伊藤 誠 東京大学名誉教授。専門は経済学。著書に『資本主義経済の理論』(岩波書店)、『サブプライムから世界恐慌へ』(青土社)など。
内田 孟男 中央大学経済学部教授。専門は国際公共政策。著書に『国連と地球市民社会の新しい地平』(共編著・東信堂)、『グローバル・ガバナンスの理論と政策』(共編著・中央大学出版部)など。
中谷 義和 立命館大学名誉教授。専門はアメリカ政治学。著書に『アメリカ政治学史序説』(ミネルヴァ書房)、『グローバル化とアメリカのヘゲモニー』(法律文化社)など。
鶴田 満彦 中央大学名誉教授。専門は経済学。著書に『現代政治経済学の理論』(青木書店)、『グローバル資本主義と日本経済』(桜井書店)など。
滝田 賢治 中央大学法学部教授。専門は国際政治史。著書に『太平洋国家アメリカへの道』(有信堂高文社)など。