理工学研究所

高強度インターバル運動による「脳の認知機能」の向上と高所登山や激しいスポーツによる同機能の低下を引き起こす脳機能メカニズムを解明

2018年01月30日

理工学部教授 (人間総合理工学科)檀 一平太が筑波大学の研究者らと連携した共同研究の成果(2件)が、ニューロイメージング研究の国際学術誌「NeuroImage」オンライン版に掲載されました。

 

 本研究グループは、サイクリング(バイク)フィットネスなどの強い強度の運動と休息を組み合わせる「高強度インターバル運動」が、ヒトの注意・集中、計画・判断などの処理能力といった「脳の認知機能」を向上することを明らかにしました。そしてこの能機能のメカニズムとして、実際にそれらの処理実行機能を担う脳部位(左脳の前頭前野背外側部)の活動が活発になっていることを、光トポグラフィー装置を用いた脳機能イメージング法により世界で初めて明らかにしました。

 この成果は、体力レベルが低い高齢者や疾患者などをターゲットとした心身の活力低下問題の改善策(認知症予防など、新たな運動療法)への応用が期待されます。

 

 さらに本研究グループは、登山等の高所での低酸素環境を伴う活動やスポーツ等の激しい運動による「脳の認知機能」の低下(脳疲労)において、この脳機能のメカニズムも左脳の前頭前野背外側部の活動低下によることを脳機能イメージング法により実証しました。

 この成果により、高所登山時だけでなく、マラソンやトレイルラン、サッカーのロスタイムなど激運動時にアスリートが経験する運動性認知疲労対策への応用が期待されます。

 

リンク:

■プレスリリース(2件)

(1)少しキツくても休み休みの運動で認知機能アップ! —高強度インターバル運動で高まる認知機能と脳内神経基盤の解明—(平成29年12月27日 筑波大学)

(2)運動による脳疲労のメカニズムを解明 ―低酸素環境で行う中強度運動は前頭前野機能を低下させる―(平成30年1月23日 筑波大学、中央大学)

 

■研究者情報

Dan's Lab at Chuo University(中央大学理工学部人間総合理工学科 応用認知脳科学研究室)

中央大学研究者情報データベース(檀 一平太)