研究

ひらめき☆ときめきサイエンス~ようこそ大学の研究室へ『縄文土器の謎をさぐろう! 年代を測る・混ざっているものを探す』を実施

2024年度に引き続き、文学部教授・小林謙一が日本学術振興会科学研究費「ひらめき☆ときめきサイエンス~ようこそ大学の研究室へ」に採択され、プログラム『縄文土器を科学しよう!縄文は何年前なのか?土器をどう使ったのか?』を多摩キャンパスで実施しました(第1回7月18日(土)、第2回8月29日(土))。

受講者のみなさんは熱心に取り組んでおり、今回のプログラムを通して考古学の素晴らしさや楽しさを感じることができたのではないでしょうか。

小林教授からのコメントは次のとおりです。
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今年も、ひらめきときめきサイエンスを無事終了することができました。第1回(7月18日)の土器から年代測定用試料をサンプリングする回は対面で12名、第2回(8月29日)の年代を調べる回では、体調により欠席された方もおられて小学生から高校生11名と保護者数名の参加となりました。

 

第1回7月18日のワークショップでは、最初に全体説明のあと(写真1)、2 班に分かれて年代測定のサンプリングをする班と、土器をCT機器で透視をしたり、黒曜石の化学成分を調べる科学分析の班に分かれてワークを行い、1時間ほどで交代をしました。
年代測定では、それぞれにお焦げやススがついている縄文土器片を配布し、説明をしたうえで、補助の学生が個別に指導しながら、実際の土器から測定する炭化物をそぎ落とし、四角く切ったアルミホイールに包んでナンバリングして収納し、付着状況などをワークシートに記録しました(写真2)。
科学分析の班では、何かの圧痕がついている縄文土器をCT機器で透視して植物遺体を捜し(写真3)、蛍光X線装置を使って黒曜石の元素成分を調べる方法を機器によってデモ操作して体験しました。
 

第2回の8月29日は、前回採取した土器付着物を、夏休みのうちに私が年代測定用に前処理し、東京大学総合博物館年代測定実験室へ持ち込んで炭素14 年代測定をおこなったことを報告し、その測定方法についてパワーポイントで紹介しました。
なお、7月に採取したサンプルについては測定中で測定結果が間に合わなかったため、一部は受講者が採取した土器から以前に別の箇所からサンプリングした炭化物を測定してあった測定値について、サンプリングした土器からの測定値であると説明した上で各受講者に土器付着物の炭素14年代測定値を示しました。
そのうえで、測定された炭素14 年代値はそのままでは実際の年代ではないことと、補正して実年代を推定する「較正」という方法があることを説明して、希望した2人の受講者には、実際にパソコンでオクスフォード大学のホームページ上に公開されている計算ソフトに測定値を打ち込むことで較正年代の算出をしてもらいました。
ほかの受講者には、こちらで入力した結果を画面で確認してもらいました。数値を入れるたびにグラフが変わり、統計的に算出された年代推定値が画面に映し出されるので、それぞれ自分が測った土器の年代が換算された数値をよみとってワークシートに記入してもらい、それが縄文時代のいつ頃の年代なのかを、配布した年代の表をもとに検討してもらいました(写真4)。
圧痕調査では、前回作成した圧痕や研究室でこれまでに調査した圧痕レプリカを顕微鏡で拡大してみてもらい、それが何かを考えてもらいました。また、体験用の植物遺体の圧痕から、レプリカを作る体験をしました(写真5)。作成した圧痕レプリカは、持ち帰ってもらいました。

最後に体験として土器の文様を写し取る拓本をおこないました。縄文土器の文様を拓影として残すことができ、それらを裏紙に貼り付けて持ち帰ってもらいました(写真6)。