研究

文学部教授 有賀敦紀:厚いグラスは甘く、薄いグラスは苦く ~触覚がひらく新しいビールの楽しみ方~

概要

 中央大学はサッポロビール株式会社とビールグラスが味わいに与える影響を共同研究しています。今回、文学部の有賀敦紀教授と文学研究科大学院生の久保夏海さんは、サッポロビール株式会社製造部アシスタントマネージャーの小泉智洋さんと商品・技術イノベーション部リーダーの勝又郁実さんとの共同研究により、唇に伝わるグラスの“触覚”がビールの味わいに影響を及ぼすことを発見しました。具体的には、成人48名に対する実験から、飲み口の厚いグラスではビールの甘味が強く、薄いグラスでは苦味が強く感じられる傾向を明らかにしました。
 近年、飲み口の薄い「うすはりグラス」が人気を集めていますが、本研究は、グラスの厚みによってビールの味覚体験や飲用シーンの幅が広がる可能性を示すものです。グラス選びによって、ビールの楽しみ方がこれまで以上に豊かになることが期待されます。
 本研究の成果は、2025年11月に国際学術誌「Food Quality and Preference」のオンライン版で公開されました。

【研究者】    有賀 敦紀  中央大学文学部 教授 (人文社会学科)

【発表(雑誌・学会)】 

論文タイトル: Tasting beer based on the tactile thickness of the glass lip
著者: Atsunori Ariga, Natsumi Kubo, Tomohiro Koizumi, & Ikumi Katsumata
発表雑誌: Food Quality and Preference
出版社: Elsevier
掲載日:
オンライン公開 2025年11月17日(https://authors.elsevier.com/a/1m8V-3O579rYFp
Version of Record 2025年11月21日
DOI: https://doi.org/10.1016/j.foodqual.2025.105801

備考: 「Food Quality and Preference」誌は、食の品質と消費者の好みに関する幅広い研究を掲載する食心理学分野の国際的な査読付き学術雑誌です。

 詳細は、「プレスリリース」をご覧ください。

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