研究開発機構
研究開発機構教授 福岡 捷二:科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞
2017年04月12日
研究開発機構教授 福岡 捷二
研究開発機構教授 福岡 捷二(「持続可能な河川・流域システムの研究プロジェクト」研究代表者)が、「平成29年度科学技術分野の文部科学大臣表彰」を受賞しました。本表彰は、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者を対象とし、文部科学省が決定するものです。福岡は「河道設計法の体系化と治水と環境の調和した統合化技術の研究」における優れた業績が評価され、研究部門での受賞となりました。
≪研究内容≫
大規模な洪水氾濫が社会や経済に与える影響は大きい。しかし、従来は、洪水流の理解が不十分で、経験的技術が主流であった。また、治水優先のコンクリート護岸が実施され、水際の生物の生育、生息、および水際景観等、河川環境への配慮が不十分であった。
本研究では、洪水流の力学と河道の水理を科学的に明らかにすることにより、外力を定量的に評価し、河岸の安全性を高め、水害を減じる水理設計技術を確立した。また、治水と環境の調和する安全性の高い独創的な河道の設計・管理技術を構築した。
本研究により、解析技術・観測技術が不十分であったために、洪水流を定量的に評価できなかった従来の河川技術を、科学的・合理的に河道設計を行えるようにした。また、治水と環境の調和した技術基準が整備され、地域住民に親しまれる多様な川づくりが行なえるようになり、国土の安全性の向上および社会の質の向上をもたらした。
本成果は、治水と環境の調和した河川設計技術を確立し、国土の安全性、快適性の向上により、社会的かつ経済的に大きな効果をもたらすこと、また想定される気候変動による洪水の強大化に対し、技術の体系化、総合化により減災に寄与することが期待される。
福岡は、平成16年度より本学研究開発機構に研究ユニットを設置し、今日に至るまで多くの研究プロジェクトを立ち上げ、多大な業績を挙げてきました。今後もさらなる研究・社会貢献が期待されます。
表彰式は4/19に文部科学省にて行われ、松野文部科学大臣より授賞予定です。