研究

平成24年度 中央大学学術研究奨励賞受賞者一覧

(順不同・敬称略)

氏名
(ふりがな)
所属身分
研究業績等の内容(要旨) 他機関からの受賞
○受賞名
○授賞機関
○受賞日
奨励賞推薦理由(要旨)
梅田 和昇
(うめだ かずのり)
理工学部教授
ネットワークセンシングに関する国際会議INSS2012における発表論文のBest Paper Award受賞 Best Paper Award 候補者らがネットワークセンシングに関する国際会議INSS2012で発表した論文Real-Time Background Modeling Based on Classified Dynamic Objects for Human Robot ApplicationがBest Paper Awardを受賞し、本学の名誉を高めた。本国際会議は、ネットワークセンシングに関する著名な国際会議であり、受賞の価値は高い。なお、筆頭著者のMoro氏は昨年度まで理工学研究所の嘱託職員であった。
INSS2012実行委員会
2012年6月13日
得平 茂樹
(えひら しげき)
理工学部助教
光合成微生物シアノバクテリアを研究材料に、細胞分化を制御する分子ネットワークを明らかにした。 研究奨励賞 候補者は、シアノバクテリアが形成するヘテロシストと呼ばれる細胞の分化制御メカニズムを分子レベルで明らかにした。ヘテロシストは、大気中の窒素ガスからアミノ酸をつくる能力、すなわち窒素固定能を持っている。シアノバクテリアの持つ窒素固定能に関する研究は、窒素肥料を必要としない作物栽培の基盤的研究として人類が直面する食糧問題の解決に多大な貢献をすると考えられる。また、ヘテロシストの持つ水素発生能力は、エネルギー問題を解決する鍵を握っているとも言われている。候補者の研究は農業の新展開のみならず、人類の抱えているエネルギー問題の解決にも寄与することが期待される。
日本ゲノム微生物学会
2012年3月11日
大草 孝介
(おおくさ こうすけ)
理工学部助教
映像データ中の人体の動きについて統計的モデリングを行い、そこから推定されたパラメータ群から、個人認証や異常歩行検出を行う方法を提案した。 奨励賞 氏は歩行運動の動画像データから歩行データのスケーリングパラメータの時間的変動成分を、分離して推定するための統計モデルを構築し、一連の研究成果を日本計算機統計学会誌に公表した。これまでの研究としては、パターンマッチングのものしかなく、統計的なランダムノイズを扱うモデルとしては類がなく、学会でも新しい分野への応用として高く評価され、若手研究者として奨励賞を受けるに至った。
日本計算機統計学会
2012年5月12日
久保田 彰
(くぼた あきら)
理工学部准教授
対象シーンからの光線群と焦点画像群との関係を明らかにし、効率的な画像再構成アルゴリズムを開発した。 論文賞 平成23年3月号に発表した論文「単一のレンズ系からの多様なボケ味の生成」は対象シーンから発した光線群の軌跡が空間変換により同一構造を持つことを定式化し、3次元ぼけ関数が光線群のレンズ系特性による重み付け和として表せることを示したもので映像情報メディアの進歩発展に寄与する優れた論文として認められた。
映像情報メディア学会
2012年5月24日
趙 晋輝
(ちょう しんき)
理工学部教授 
バリアフリーのIT社会を実現するために、色覚異常者の障害を克服すべく色弁別閾値を基準とした新しい色弱補正法の提案 論文賞
喜安善市賞
ICT社会において、個人専用情報端末が急速に普及した中で、色彩バリアフリーの観点から、色盲と色弱を含む色覚異常者への対応は重要な課題となってきた。
しかし、人間の色知覚は客観的に観測することは不可能であるため、厳密な色弱補正が困難とされてきた。本研究は色空間のリーマン幾何学に基づき、色弁別閾値を利用することで色弱者に健常者と同様の色感覚を与える画期的な方法を示した。
電子情報通信学会
2012年5月26日
中村 太郎
(なかむら たろう)
理工学部准教授
生物規範型ロボットに関する研究とそれを紹介した解説論文が評価された。 The Most Interesting Readings賞 被推薦者は、生物を規範としたロボットやメカトロニクスの研究を遂行しており、これらは基礎的研究にとどまらず、企業等との共同研究を介して各フィールドへの応用も期待されている。これらの成果を日本設計工学会学会誌46巻6号に解説論文で発表し、当該学会よりその優秀さが認められThe Most Interesting Readings賞(MIR賞)を受賞した。本賞は、設計工学の学会誌の解説論文等の記事のうち、読者に多大な感銘を与えたものの著者を表彰し、毎年60篇以上の記事のうち1編(同等レベルの場合3篇まで)が受賞する。
日本設計工学会
2012年5月19日
宮村 鐵夫
(みやむら てつお)
理工学部教授
著書「新製品・技術の開発と信頼性工学―信頼性のコンセプトによるマネジメントの進め方」において信頼性工学の意義、理論、方法論を多様な側面から明らかにし、新製品開発と技術開発のマネジメントの進め方に活用できるように、自らの研究成果を集大成している。6部19章で構成し、1,040ページからなる。 日経品質管理文献賞 本書は、信頼性工学の考え方と方法論を多様な側面から明らかにして、設計・計画や評価などの業務の遂行とマネジメントへ活用することを目的としている。「評価と設計のプロセス」、「負の機能の思考プロセス」、「システムの信頼性」と「情報の価値化とコミュニケーション」などの理論的な研究に加えて、新製品開発や実践的な課題を解決する場での議論と実践も踏まえて集大成している。
日本経済新聞社
2012年11月14日