研究

平成21年度 中央大学学術研究奨励賞受賞者一覧

(順不同・敬称略)

氏名
(ふりがな)
所属身分
研究業績等の内容(要旨) 他機関からの受賞
○受賞名
○授賞機関
○受賞日
奨励賞推薦理由(要旨)
土居 範久
(どい のりひさ)
理工学部教授
プロキシを利用したHTTPリクエスト解析によるフィッシングサイト検出システムの提案 平成20年度論文賞 受賞された「情報処理学会」の「論文賞」は,平成19年10月から平成20年9月までの間に論文誌「ジャーナル」「数理モデル化と応用」「コンピューティングシステム」に掲載された対象論文578編のなかから選ばれた9編に対して授与されたものであり,受賞対象論文では,近年,深刻化しているインターネットを利用したフィッシング被害を防ぐための画期的な方式を提案しており,本学の学術研究奨励賞に値するものである。
社団法人情報処理学会
2009年5月29日
中條 武志
(なかじょう たけし)
理工学部教授
日経品質管理文献賞を受賞した。開発・営業・スタッフの小集団プロセス改善活動-全員参加による経営革新- 日経品質管理文献賞 中條武志教授は社団法人日本品質管理学会の「管理・間接職場における小集団改善活動研究会」の代表として活発な調査・研究を主導して目覚ましい成果をあげ、その成果を編纂して「開発・営業・スタッフの小集団プロセス改善活動」(日科技連出版社、322頁、2009年6月)として刊行した。この文献が品質管理界における優秀文献としてデミング賞委員会から推薦され日経新聞社主催の「日経品質管理文献賞」を受賞されたので推薦致します。
日本経済新聞社
2009年11月11日
船造 俊孝
(ふなづくり としたか)
理工学部教授
超臨界流体中における拡散係数の測定と相関 平成21年度化学工学会研究賞 本候補者は、基礎的な輸送物性の一つである超臨界二酸化炭素中の相互拡散係数を高い精度で測定する方法を開発し、これまで測定が困難であった工業的に有用な数多くの溶質の拡散係数を系統的に測定するとともに、その推算法および相関式を確立したもので、完成度の高い研究を行った。また、基礎的ではあるが、装置設計や最適化などに有用な知見を与えるものであり、工業的な貢献度も高い。
社団法人化学工学会
2009年12月18日
中村 太郎
(なかむら たろう)
理工学部准教授
軸方向繊維強化型人工筋肉の開発とその可変剛性制御手法に関する研究で日本ロボット学会より研究奨励賞を受賞した。 日本ロボット学会研究奨励賞 候補者が受賞した日本ロボット学会研究奨励賞は、日本ロボット学会が主催・共催する幾つかの学術講演会において論文と発表が特に優れていた、35歳以下の新進気鋭の若手に授与される名誉ある賞である。候補者は、第13回ロボティクスシンポジアにて発表した「力学的平衡モデルに基づいた軸方向繊維強化型ゴム人工筋の可変剛性制御」の論文が特に優秀であると認められ本受賞に至った。世界をリードする日本のロボット界において、高い評価を得た本候補者の研究業績は本学学術研究奨励賞にふさわしいものと確信し、本候補者を推薦する。
社団法人日本ロボット学会
2009年9月16日
鳥海 重喜
(とりうみ しげき)
理工学部助教  
本研究は、電車を利用中の人の時間的・空間的分布を数値的に解明することによって、走行中の電車の首都直下型地震による人的被害を推定したものである。 第29回日本オペレーションズ・
リサーチ学会事例研究賞
全列車の乗客数の推定値に基づき、走行速度別に想定される脱線率を勘案して死傷者数を推定した結果は大いに説得力に富んでおり、今後の避難・救出計画を立案するための基礎データとして大きな意味がある。オペレーションズ・リサーチを駆使した客観的な手法に基づいて、中央防災会議の想定よりもはるかに多い死傷者数を予測した研究成果は、今後の防災計画に一石を投じる内容となっている。本研究の方法は非常に興味深く、現実の地震対策を立てる上での強力なツールにもなり得る。
社団法人日本オペレーションズ・
リサーチ学会
2009年3月17日
久保田 敬一
(くぼた けいいち)
戦略経営研究科教授  
論文 Expected Return, Liquidity Risk, and the Contrarian Strategy(共著者:早稲田大学 竹原均氏)マルチファクターによる資産価格理論が、日本株式のリスクとリターン構造を整合的に説明できることを実証的に発見、市場の内含するリスクが市場流動性に関連していることを明らかにし、市場があるべき姿への含意を与えた。 アメリカ個人投資家協会
最優秀論文賞
氏の論文は、爾来米国に対して遅れを取っている日本の経営・ファイナンス研究において、米国の南西部ファイナンス学会年次大会にて、AAII(American Association of Individual Investors)最優秀論文賞を受賞された。さらに、米国学術誌Managerial Financeにおいても査読が終了、近刊となっており、学会会員のみならず、広く世界のファイナンス研究者の閲覧に供されることになる。日本のデータについての、日本の研究者による研究がアメリカ投資家協会の賞を授与されることは極めて稀なことであると言え、世界レベルにおいて、本業績が最先端の業績であると認められたことからこれを推薦する。
Southwestern Finance Association
米国南西部ファイナンス学会
2009年2月27日
松下 光司
(まつした こうじ)
戦略経営研究科
准教授
松下光司准教授の論文「セールス・プロモーションによるブランド・エクイティ構築 ― 一致度と精緻化を先行要因とした説明モデル―」(『消費者行動研究』,2009年,第15巻1・2号,p.1-18)が、2009年第39回消費者行動研究コンファレンスにおいて、日本消費者行動研究学会研究奨励賞(青木幸弘賞)を受賞した。同論文が、消費者行動研究の発展に貢献する優秀なものであると認められたためである。なお、日本消費者行動研究学会は、1992年に設立された日本学術会議協力学術研究団体である。 研究奨励賞(青木幸弘賞) 今回学会賞受賞対象となった論文は、セールス・プロモーションがブランド・エクイティに与える影響を説明する一般的なモデルを構築し、その経験的妥当性を実証したものである。セールス・プロモーションがブランド・エクイティに与える影響を検討した過去の研究では、個別のセールス・プロモーション手法にのみ適応可能なモデルの構築に注力していた。それに比べ、本論文は、各種プロモーション手段を消費者の情報処理プロセスと関連付けることで、ブランド構築プロセスについてのより包括的なモデルを構築することに成功した。この点において、松下准教授の本論文は、消費者行動研究の理論の発展に大きな貢献をなすものであり、中央大学学術研究奨励賞として推薦に値すると認めるものである。
日本消費者行動研究学会
2009年10月31日
折田 明子
(おりた あきこ)
戦略経営研究科
助教
インターネット上で情報交換を行う際の匿名性の構造を明確にし、利用者の心理と社会制度の両面から将来の発展可能性を示している。 優秀論文賞 インターネットを介した情報取得と情報発信は一般化し様々なビジネスやコミュニティが発展している。しかし情報セキュリティの正しい認識の欠如から社会的な問題も起こっている。本研究はインターネット利用者の匿名性に対する心理を分析し、ネットコミュニティが健全に発展するためのヒントと社会制度に対する提言を与えている。本分野の研究は緒についた段階だが、候補者の研究業績は研究進歩に大きな影響を与える。
情報社会学会
2009年6月6日