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2018年10月15日

公開研究会「社会意識と社会変動」開催報告(社会科学研究所)

2018年9月28日(金)、中央大学多摩キャンパスにて、下記の公開研究会を開催しました。

【日 時】 2018年9月28日(金)12:40~16:10

【場 所】 中央大学多摩キャンパス2号館4階 研究所会議室2

【主 催】 中央大学社会科学研究所 研究チーム「社会変動」(幹事:野宮 大志郎)

【開催テーマ】

社会意識と社会変動

【開催趣旨】

 社会変動の把握に際して、政治経済変動などいわゆる「ハード」な事象の変動やそれらの変動をもとに社会変動のあり方を類推するプラクティスはよくなされている。これに対して、文化や意識などいわゆる「ソフト」な事象の変動を掴む研究やプラクティスは比較的少ない。本研究会では、「土地所有意識」、「言説」、「信頼感」といった三つの意識領域をもとに、社会変動のあり方を掴む努力を紹介した。これらの発表により、文化・意識領域での変動理解について議論を進めることができた。

【発表内容】 

1.「情報化社会における「信頼感」-全国意識調査(平成29年実施)を中心に」

  佐々木 正道 客員研究員(元中央大学教授)

2.「農村社会の変動:在村・不在村者の土地所有意識から」

  片野 洋平 客員研究員(鳥取大学准教授)

3.「聖化する被爆者:言説空間の変動を掴む」

  野宮 大志郎 研究員(中央大学教授)

 社会意識変化について、三つの異なった観点と手法からの報告が行われた。佐々木報告は、日本社会における「信頼」のあり方について最新のデータを使って変動を観察したものであった。これに対して、片野報告は不在村地主の土地所有に関する意識の変化について論じたものであった。最後の野宮報告は、戦後、被爆者に対する社会意識の変化についてシンボル化という観点からの観察を伝えたものであった。三つの意識変動の捉え方についても、佐々木報告はコレスポンデンス分析、片野報告は重回帰分析、野宮報告はトレンド分析とネットワーク分析を用いてそれぞれの対象の把握を行っていた。社会変動の測定について、多様な観点からの把握の試みが提示されたことで、参加者はあらためて変動をつかむことの困難と重要性に気付かされた研究会となった。(主催チーム記)