保健体育研究所

システム生理学研究班

研究班概要

生体の構造と機能を個体レベルで統合的に理解する「システム生理学」の観点から人の行動を理解しようとする研究班を2020年度に立ち上げました。運動生理学や応用生理学も踏まえつつ身体運動を科学していきます。
現在は、①フロー状態と呼ばれる没入感を伴う特異的かつ最適な集中状態に関する研究ならびに②登山やこれに関わる低酸素トレーニングなど極限下における身体機能に注目した研究に取り組んでいます。

2023年度研究計画概要

① フロー状態に関する研究

② 登山時の血中酸素濃度・心拍数・乳酸値・血糖値・ケトン体値の動態把握

③ 低酸素トレーニングが高所登山でのパフォーマンスに与える影響

④ パンプ状態の緩和に関する研究

⑤ 筋肉のパンプアップ(筋使用後の筋硬化状態)とその緩和に関する研究

過年度研究活動報告

2022年度

■研究成果

①学会発表
瀧波 慧,中谷康司,小野弓絵.村上慎吾 エアロバイク運動中における 生理学的・心理学的指標を用いたフロー評価. NEURO2022 (第45回日本神経科学大会), 2022.7.2
村上慎吾,影山快人,槇凜太朗,中谷康司,小野弓絵 体性感覚刺激による事象関連電位を用いたVR 映像に対する没⼊度の定量的評価手法. 生体医工学シンポジウム2022(熊本城ホール), 2022.9.10

②論文発表
特になし。

■学会・研究会出張

会議名:NEURO2022
主催:日本神経科学会・日本神経化学会・日本神経回路学会
日時:2022年6月30日~7月3日
会場:沖縄コンベンションセンター・宜野湾市立体育館(ハイブリッド開催)
参加者:中谷康司,村上慎吾,赤羽悟美

会議名:生体医工学シンポジウム2022
主催:日本生体医工学会
日時:2022年9月9日~9月10日
会場:熊本城ホール(オンライン開催)
参加者:村上慎吾

会議名:第7回低酸素セミナー
主催:日本低酸素トレーニング協会
日時:2022年11月18日
会場:オンライン開催
参加者:中谷康司

会議名:第100回日本生理学会大会
主催:日本生理学会
日時:2023年3月14日~3月16日
会場:国立京都国際会館(ハイブリッド開催)
参加者:中谷康司,村上慎吾,赤羽悟美

2021年度

■研究成果

①学会発表
大会名:生体医工学シンポジウム2021
発表者:Ryo Ogawa, Kaito Kageyama, Yasushi Nakatani, Yumie Ono, Shingo Murakami Quantitative Evaluation of VR Immersion in 2D and 3D Images Using Event-Related Potentials.
日時: 2021年9月17日
開催地:富山大学(オンライン開催)

※ 本研究は生体医工学シンポジウム2021 ベストリサーチアワードを受賞した。

主催:日本生理学会大会
大会名:第99回日本生理学会大会
日時: 2022年3月18日
発表者:影山快人、小川諒、中谷康司、小野弓絵、村上慎吾 事象関連電位を利用した VR没入度の評価手法
開催地:東北大学川内北キャンパス(ハイブリット形式)

②論文発表
発表者:Ryo Ogawa, Kaito Kageyama, Yasushi Nakatani, Yumie Ono, Shingo Murakami
題名:Event-related Potentials-based Evaluation of Attention Allocation while Watching Virtual Reality.
投稿誌:Advanced Biomedical Engineering, 11, 1-9. 2022/1 DOI:10.14326/abe.11.1

■学会出張

主催:生体医工学シンポジウム2021組織委員会
大会名:生体医工学シンポジウム2021
日時:2021年9月17日~18日
参加者:村上慎吾
会場:富山大学(オンライン開催)

主催:日本生理学会
大会名:第99回日本生理学会大会
日時:2022年3月16日~18日
参加者:中谷康司、村上慎吾、赤羽悟美
会場:東北大学(ハイブリッド開催)

2020年度

【研究活動概要】
本研究班では、①運動条件・前頭前野の脳血流・精神状態(フロー状態、幸福感など)の関係性についての検討、②登山時の血中酸素濃度・心拍数・乳酸値・血糖値・ケトン体値の動態把握、③低酸素トレーニングが高所登山でのパフォーマンスに与える影響の3 つを現在のテーマとしている。
本年度から予算配分が始まり、新たな機器が導入され、現在、研究準備が進んでいる。ただし、本年度に関しては、新型コロナウイルスの影響により、本来、予定していた研究活動を十分に実施することはできなかった。
なお、テーマ①については、村上(研究代表者)、中谷他で「フロー状態の生理学的想起条件と機序の解明 」(2020年度~2022年度)のテーマで学内共同研究費に採択されている (9,870,000 円)。

【研究会・出張等の実施】
2021年2月~3月 テーマ③の安全な実験システム管理および実験の運営に向けて、中谷が一般社団法人 日本低酸素トレーニング協会が開催する低酸素システムトレーナー(低酸素装置の維持運転管理)ならびに低酸素トレーニングトレーナー(低酸素トレーニングの指導)の受講し、両資格を統括する低酸素シニアトレーナーの資格を取得した。

日程 内容
2021年3月22日 新たな実験システムの構築についての話し合い(多摩校舎第1体育館)を実施した(参加者:中谷、村上)
2021年3月28~30日 第98回日本生理学会大会(オンライン)に中谷、村上、赤羽が参加した。

※なお、上記以外についての研究会や情報交換、打ち合わせは随時、Webex を通じてオンラインで実施した。

2019年度

システム生理学研究班は、立ち上げ段階にあり、本年度は予算配分がないため、今後の研究活動に向けた準備を実施した。
村上(研究代表者)、中谷他で今後の研究テーマについて検討をおこない、学内共同研究費に「フロー状態の生理学的想起条件と機序の解明」(2020年度~2022年度)のテーマで応募し、採択された(9,870,000円)。
研究活動の基礎をもとに、中谷が中央大学保健体育研究所編『健康スポーツ50講』において、担当項目について執筆した。

【研究会・出張等の実施】

日程 内容
8月17日~19日  公益社団法人日本山岳会のエクアドル外交樹立100周年記念登山隊の事前トレーニング(富士山測候所2泊3日)に中谷が帯同し、 登山中その他、高所環境における生体データの測定を実施した。
9月1日~14日 上記登山隊の現地遠征に中谷が帯同し(古武道研究班出張)、登山中その他、高所環境における生体データの測定を実施した。
10 月11日 中谷が低酸素セミナー(日本低酸素トレーニング協会)に参加した。