経済研究所

2020年2月10日(月)公開研究会開催報告 (経済政策研究部会)

2020年02月10日

2020年2月10日(月) 公開研究会を開催しました。

【日   時】   2020年2月10日(月) 15:00~17:00

【場   所】   多摩キャンパス2号館4階 研究所会議室3

【テーマ】 Moderate political opinion is necessary for political stability

【報告者】   岡崎 哲郎 氏(拓殖大学政経学部教授)

【要 旨】

 

 候補者の誘意性、つまり能力、判断力、リーダーシップ等が政策と並んで重要とされる状況を考え、報道機関の多様性が選挙に与える影響について分析する。右翼的政党と左翼的政党の2つが存在するとする。候補者の誘意性が有権者には知られていないが、その情報を持つ報道機関はその誘意性も考慮して報道姿勢を決める。そして、各有権者は、その報道機関の報道をもとに、政党の誘意性を推測して投票し、選挙の結果が定まる。政党は、報道機関の支持を得るために報道機関の好む政策を訴える誘因があると同時に、有権者に好まれる政策を選ぶ誘因も持つ。特に、報道機関の政治的イデオロギーが偏っている場合、これら二つの誘因から純粋戦略でのナッシュ均衡が存在しない場合があるのに対して、中間的な報道機関が存在し、その政治的イデオロギーがある程度穏健であるなら、常に純粋戦略から成るナッシュ均衡が存在し、しかもその均衡は唯一であることが示される。