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2019年12月21日

2019年12月21日開催 公開研究会開催報告 (国際経済研究部会)

【日 時】 2019年12月21日(土)15:00~17:00

【場 所】 中央大学後楽園キャンパス6418号室

【テーマ】 1、「米中対立とドルの力対中金融制裁の可能性」
        2、「リブラの実現性とデジタル通貨の行方――国際通貨はどうなる」

【報告者】 1、坂本 正弘 客員研究員                                                                 2、中條 誠一 客員研究員

【要 旨】

 

今回の国際金融研究会は、坂本正弘氏の「米中対立とドルの力」、中條誠一氏の「ビットコイン、リブラ、公的デジタル通貨」、中島真志氏の「リブラvs デジタル人民元」という3つの報告をしてもらった。

 坂本氏の報告では、米中間の対立は関税戦争という形で成されてきたが、これでは米国に大きな被害が出てきており、大統領選挙を控えるトランプ大統領は限界を感じている。そのため、次の段階としてファイナンシャル・ウォーが懸念されるという。

 実物経済面での米国の力は後退しているが、通貨・金融面では、ドルの力は強化されてきており、世界の取引はドル決済体制によって成り立っている。そうした中では、中国への金融制裁が発動される可能性があり、中国でも、その危険性が懸念されているとのことであった。そうした中では、中国がデジタル人民元の発行を推進しているのは、将来ドルへの依存を軽減し人民元の国際化を図る一つといえるかもしれないという。

 それを受けて、中條氏からビットコインと違って、リブラは価値の安定が図られ、新しい通貨としての機能を高めたが、民間が通貨を発行することには根本的な問題があることが指摘された。むしろ、各国政府が公的なデジタル通貨を発行することの方が重要であり、先にならなければならないとの指摘がなされた。

 そうした問題の提起の上で、中島氏から詳しいリブラと公的なデジタル通貨、特にデジタル人民元の説明がなされた。リブラは、ビットコインの抱える問題点の多くを解消する形で発行が計画されているため、通貨として有用性は高まっているという。しかし、ブロックチェーン技術を活用することによって、各国政府でもデジタル通貨の発行計画が進んでおり、中国ではすでにその準備は整ったという。そこで、最後に具体的なデジタル人民元の発行の仕組みについての説明がなされた。