経済研究所
2019年12月14日(土)公開研究会開催報告 (社会経済ミクロデータ研究会)
2019年12月14日
【日 時】 2019年12月14日(土) 15:00~17:30
【場 所】 多摩キャンパス2号館4階 研究所会議室3
【テーマ】 1.「生活時間と家計消費の地域パネル分析」
2.「平均対数偏差による所得分布の要因分解」
【報告者】 1.栗原 由紀子 客員研究員(立命館大学准教授)
2.木村 和範 氏(北海学園大学名誉教授)
【要 旨】
第1報告:生活時間と家計消費の地域パネル分析(要旨)―栗原由紀子 客員研究員
本研究は,社会生活基本調査と全国消費実態調査による公的統計ミクロデータを用いて,1990年代から地域単位におけるパネルデータを作成することで,消費支出と生活時間の関係を捉えることを目的としている。地域単位での集計データの利用という制約の下でも,パネルデータとして利用することで,食費や補習教育などが就業している妻の生活時間の増減に影響を及ぼしている様子などが報告された。
第2報告:平均対数偏差による所得分布の要因分解(要旨)―木村和範 氏
2000年代に入り所得格差の拡大をめぐる議論において,それが高齢化といった人口動態効果による見かけ上の格差であるのか否かが問題の焦点の一つとなっていた。本報告では,その是非についてムッカジーとショロックスの平均対数偏差の異時点間の要因分解式に基づき格差の実質的意味を検討した。その結果,人口動態効果には実体的基礎と実質的な意味があることを多様な要因分解式を援用しながら示された。
木村和範 氏