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2019年11月19日

2019年11月19日(火)公開研究会開催報告 (ポスト・ケインズ派経済学研究会)

【日   時】   2019年11月19日(火) 14:00~17:00

【場   所】   駿河台記念館480号室

【テーマ】 Keynes as an investor

【報告者】   Maria Cristina Marcuzzo 氏(Professor,University of Rome “La Sapienza”

【要 旨】 

 

 報告者であるMarcuzzo教授はイタリアにおけるケインズおよびケンブリッジ経済学研究のリーダーともいえる人物であり、世界的にも幅広く活躍している。今回は報告者の訪日日程の関係で平日に行われたため、参加者はあまり多くなかったが、他大学の教員や大学院生など、本テーマに関心を持つ研究者の参加を得ることができた。

 

 まず、配付資料 Keynes's approach to investment in Stock Markets. A reappraisalに基づいて報告が行われ、その後、活発な議論が行われた。

 Keynesは『一般理論』などの革新的な経済理論を生み出した経済学者として有名であるが、彼の主要な関心は貨幣・金融理論にあった。彼は理論面で貢献するだけでなく、実践面では大学の財政担当として、生命保険会社等の役員として、また個人的な投資家として、株式等の資産運用を行っていたことでも知られている。

 しかし、彼の実践活動に関する資料は断片的であり解読も困難なため、この方面の研究が進んでいるとはいいがたい。Marcuzzo教授は、ケインズおよびその周辺のケンブリッジの経済学者のオリジナルの資料に長年取り組んできたことから、そこから得られた知見を元に、この問題に取り組んできた。当日の報告は現時点での到達点を示すものであり、著作には明示的に現れないケインズの考え方を推測する上で、興味深い示唆が得られた。

 また、ケインズやケンブリッジの経済学者に関心を持つ内外の研究者が集う貴重な機会として、このテーマに限らず、さまざまな意見交換も行われて、極めて有益であった。