経済研究所新着ニュース

2019年09月11日

2019年9月11日開催 公開研究会開催報告 (「中国政治経済研究部会」、共催「現代政策研究会」)

2019年9月11日(水) 四川外国語大学国際商学院大教室で、公開研究会を開催しました。

時   間   :  9:00~12:00

テーマ   :  ①「一帯一路構想の動向」

      ②  Rehabilitation of the Decentralization in the Centralizing Process of Global     

       Communities

      ③「中米貿易摩擦:公共選択の視点」

      ④「地域産業に支援された観光」

報告者   : ① 李 訓  氏(四川外国語大学国際商学院学院長)

      ② 田中 廣滋 氏(中央大学経済学部教授、本研究所研究員)

      ③ 谷口 洋志 氏(中央大学経済学部教授、本研究所研究員)

      ④ 田中廣滋 ゼミ

参加者  :  150名

使用言語:   中国語(通訳あり)

 

【要 旨】

 

李訓氏は、習近平政権が進める「一帯一路」構想における重慶の役割を中心に、最近の動向について報告された。具体的には、重慶が「一帯一路」構想における「陸のルート」の始発点として欧州諸国へのゲートウェイとなっており、鉄道・航空・海運の長距離輸送網整備、地下鉄・モノレール・MRTの短距離輸送網の整備、自動車・パソコン産業・ハイテク産業の展開、アフリカ諸国との関係強化などが進展していることを報告された。

田中廣滋氏は、都市が縮小していく縮小都市仮説を提示したうえで、クールノー=ホテリング=田中モデルに基づいて分析し、さらに東京圏を例とした実証分析を紹介した。議論のいくつかは自身の複数の論文に基づき、その内容が詳細かつ多岐にわたることから、報告ではその概略について解説された。特に注目を集めたのは、住宅や先端技術に関して高品質市場と低品質市場に分け、低品質市場から高品質市場への移行に必要な条件について解説された部分であった。

谷口洋志氏は、米中貿易戦争における米国側の事情や背景について統計資料を用いながら分析した結果について報告した。米中の貿易不均衡については、米国側と中国側との間には非対称性があること、米国では農産物を除くほとんどの製品において競争力を失っていること、地域別でもほとんどの地域で貿易赤字が拡大し、特にラスト・ベストでの貿易赤字がトランプ政権誕生に寄与したことなどが紹介された。

田中廣滋ゼミは、地域の産業と観光を結び付けた地域創生の具体的事例について紹介した、特に、使われなくなった古民家を利用して芸術家を誘致し、芸術品を展示するなどの先進的事例について紹介した。

以上のように、中央大学の教員・学部学生だけでなく、四川外国語大学の教員、大学院生、学部学生などが多数参加して、海外(中国)開催の盛大な国際シンポジウムとなった。シンポジウム終了後は、大学内施設を案内していただき、先端的なICT機器を使って授業が行われるなどの説明を受けた。また、アフリカとの経済協力やアフリカ人学生支援の計画を進めている事業家とも懇談するなど、盛り沢山の海外開催となった。