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2019年08月21日

2019年8月21日開催 公開研究会開催報告 (現代資本主義分析研究会)

2019年8月21日(水) 公開研究会を開催しました。

【テーマ】 宅配便事業者のロジスティック戦略に関する研究

【報告者】 金 弘錫 氏(高崎商科大学教授)

【日   時】   2019年8月21日(水)13:00~14:00

【場   所】  多摩キャンパス7号館3階 7304教室

【要 旨】

 

近年、宅配事業ではドライバーの不足や再配達、物流センターなどの投資負担の増大などが大きな問題となっている。とりわけ再配達や小口多頻度配送の増加による問題が深刻化しており、その対応および改善策の検討が求められている。これまでの宅配事業者の経営問題の解決に関する研究は、経営全般に関する改善策を探る研究が多く、宅配便事業者のロジスティック戦略のような部分的な問題に対象を絞る研究は少なかった。本報告は、宅配便事業者のロジスティック戦略のあり方を中心に宅配便事業者の問題を検討することを目的とする。

 本報告では、宅配便事業者のロジスティック戦略の現状を明らかにしたうえで、ロジスティック戦略に関して早急に取り組むべき課題を、(1)ロジスティック戦略の再構築、(2)ロジスティック人材育成戦略、に分けて検討した。

 この課題検討を通して、それぞれの企業が抱えているロジスティック戦略の課題には、企業の規模や戦略の方向性などの差があるとはいえ、より長期的な視点でのロジスティック戦略の再構築を通して、企業競争力の強化や顧客満足の向上をはかりうることが示された。とりわけ、社会貢献の一環として進められているグリーン・ロジスティックスを強化するためには、再配達の削減に対する取り組みが有効であることがわかった。

 また、企業の成長に欠かせない人材育成を前提として、多様な働き方にたいする対応策や持続的なロジスティックス革新が何よりも大切であることもわかった。

 本報告は、主に大手宅配便3社のロジスティック戦略の事例の考察に研究対象を絞ったので、他の宅配便事業者や通販業者のロジスティック戦略などに関するより詳細な考察には至っていない。それゆえ、この点は今後の研究課題とする。