経済研究所

2019年8月21日開催 公開研究会開催報告 (現代政策研究会)

2019年08月21日

2019年8月21日(水) 公開研究会を開催しました。

【テーマ】 中国内陸部の経済発展―重慶物流センター構築の実例

【報告者】 毛 衛兵 氏(四川外国語大学国際商学院准教授)

【日   時】 2019年8月21日(水)10:30~12:30

【場   所】 中央大学多摩キャンパス 2号館4階 研究所会議室3

【要 旨】

 重慶市は中国の直市として、約3000万人の人口を有しており、3億人の人口を有する中国西南地区のセンターとしての機能を果たしている。毛氏は本報告において、重慶市の発展の歴史的な成果を紹介した後で、現状分析を展開する。1997年に重慶市は直市になってからも、年平均10%以上の経済成長を実現している。しかしながら、2018年には成長率が6.0%となり、全国平均の6.8%を下回った。この背景には、政府による投資の減速など要因があり、これに対する、産業構造の変化を促進する対策が進められている。長期的には「一帯一路」のプロジェクトの成功により国境の壁を超えた広域的な経済開発の効果が期待されている。

この報告に対して、9月11日に重慶市の四川外国語大学で行われるシンポジュウムの事前討論会として、田中研究員からの討論が行われた。報告論文は、The Fourth Industrial Revolution and Sustainable Regional Structureである。本報告は、世界経済はグローバル化の第二段階にあり、デジタル化と地域経済は縮小都市の仮説が適合する状況にある。重慶と人口規模が同じである東京圏での2010年代の実証研究に基づき、第4次産業革命とよばれる東京圏での経済構造改革の中で進行した非製造業部門の中での変革を紹介する。

本報告会は、重慶市は東京圏で取り組まれたのと同じ性質の課題に直面していることが確認され、出席者の間での問題の共有が進んだ。