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2019年05月15日

2019年5月15日開催 公開研究会開催報告 (国民生活問題研究会)

2019年5月15日(水) 公開研究会を開催しました。

【テーマ】 Social security and supervision of social security policies and laws in Vietnam

【報告者】 Le Quoc Hoi 氏 (レー・クォク・ホイ 氏)

      〈ハノイ国民経済大学准教授、経済発展ジャーナル編集長〉

【日   時】   2019年5月15日(水)10:00~11:35

【場   所】   多摩キャンパス2号館4階 研究所会議室1

【要 旨】

 

 ハノイ国民経済大学准教授、レー・クォク・ホイ 氏より、テーマに関して英語での報告を受け、参加者からの活発な質疑応答が英語を中心になされた。ドイモイ改革以降、社会主義市場経済の建設を進めるベトナムでは、社会保険制度の創設を先行させながら社会保障を構築している。2017年の社会保険加入率は、強制加入の対象となる国民1390万人にまで拡大し、制度創設の2007年当時と比べて2.3倍になっている。医療保険、失業保険も着実に整備されつつある。また、保険料の使用者と労働者の負担割合も、使用者18%、労働者8%と負担能力の低い労働者の拠出負担を軽減する措置がとられている。

 質疑応答の中では、ベトナム労働省の職員による社会保障全般に関する国の政策について補足的な説明が成された。ホイ氏は、ベトナムの社会保障の現時点での制約や弱点を以下の諸点にまとめて報告した。第1に、法が定めた社会保険の全国民に対する包摂率はまだ不十分である。第2に、世代間の格差が残っている。第3に、ベトナムの高齢化率はまだ12%程度だが、その上昇は今後社会保険基金の脅威となる。第4に、強制加入の社会保険といってもそれを必要とする潜在的加入者に十分に行き届いていない。2017年時点で、労働年齢の労働力人口の29%しか社会保険に加入しておらず、残りの約70%は失業保険の適用を受けていない。第5に、退職年金・手当の長期財政見通しも不均衡の見通しである。最後に、社会保険政策と他の社会保障政策との調整が今後の課題として残されている。

 日本とベトナムの社会保障の発展段階の相違をめぐって興味深い質疑応答が活発になされ、有意義な公開研究会となった。