経済研究所

2019年1月24日開催 公開研究会開催報告 (「中国政治経済研究部会」・「現代政策研究会」)

2019年01月24日

2019年1月24日(木) 公開研究会を開催しました。

【共通テーマ】日中経済関係と中国デジタル経済の分析

【報告者】

 王 岩 氏(長春大学経済学院副教授)

 ②田 中景 氏(海南師範大学経済管理学院教授)

 ③張 仙鋒 氏(海南師範大学情報科学技術学院教授)

 ④付 海燕 氏(海南師範大学情報科学技術学院教授

 

【テーマ】

 ①「中国対日本直接投資的現状与環境分析」

  (中国の対日直接投資の現状と環境分析)

 ②「少子化的経済影響及対策」

  (少子化の経済的影響と対策)

 ③「酒店网络口碑与智能酒店应用」

  (ホテルのネット口コミとインテリジェント・ホテルの活用)

 ④「不确定环境下旅游环境承载力的多目标满意优化模型及求解策略」

  (不確定環境下における旅行環境支持力の多目標満足最適化モデルと求解策略)

                                    

【日   時】 2019年1月24日(木)13:30~17:00

【場   所】 中央大学多摩キャンパス 2号館4階 研究所会議室1

【要 旨】

 報告後の質疑では、中日会社制度やコーポレートガバナンスの違いにおける制度と現実の違い、取締役会の役割や機能、新古典派経済学の方法論の頑健性、中央・地方政府関係や地方政府の独立性などについて熱心な議論が行われた。第一級の研究業績をお持ちの先生方による報告はどれも興味深く、参加者の研究意欲を誘発する刺激的なものであった。

 

王 岩氏(長春大学経済学院副教授)

「中国対日本直接投資的現状与環境分析(中国の対日直接投資の現状と環境分析)」をテーマとして、日中関係の動向に触れた後、中国の対日投資の規模や対象業種の現状、中国の対日投資増大の要因を取り上げ、最後に直接投資の理論的基礎と政策提言について自身の見解を披歴された。

 

田 中景氏(海南師範大学経済管理学院教授)

「少子化的経済影響及対策(少子化の経済的影響と対策)」をテーマとして、日本の少子化の現状と動向、その経済的影響、出生率低下の要因について述べた後、少子化問題を克服するための積極策を展開してきたフランスの教訓に触れ、最後に日本がとるべき政策について提言された。

 

張 仙鋒氏(海南師範大学情報科学技術学院教授)

「酒店网络口碑与智能酒店应用(ホテルのネット口コミとインテリジェント・ホテルの活用)」をテーマとして、海南師範大学のeビジネス・eコマース教育研究ネットワークの紹介の後、中国におけるeビジネス・eコマースの発展状況を踏まえて、ネット上の評価システムの効果と信頼性についての自身の研究について報告された。

 

付 海燕氏(海南師範大学情報科学技術学院教授)

「不确定环境下旅游环境承载力的多目标满意优化模型及求解策略(不確定環境下における旅行環境支持力の多目標満足最適化モデルと求解策略)」として、中国におけるビッグデータ技術・産業の発展状況について紹介され、次いで海南師範大学の研究チームにおけるビッグデータ科学の発展状況と研究内容について紹介された。

 

 

4氏の報告は、主に日本の経済・社会動向に関わる報告と、中国のデジタル経済の発展動向に関わる報告とに大きく分かれるものであった。日本の動向については中国の研究者の視点からの分析として興味を引くものであった。また、中国のデジタル経済化については日本に紹介されていない点が多く取り上げられ、中国の先端産業戦略「中国製造2025」を背景として、技術とイノベーションによってけん引される中国経済の今後を示唆するものであった。(文責:谷口洋志)