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2019年01月21日

2019年1月21日開催 公開研究会開催報告 (国際経済研究部会)

2019年1月21日(月) 公開研究会を開催しました。


【テーマ】中国家計インクルーシブ・ファイナンス:

      国際比較、ミクロ測定及び経済的影響

【報告者】尹 志超 氏(首都経済貿易大学/金融学院)

【日   時】2019年1月21日(月)10:30~12:30

【場   所】多摩キャンパス2号館4階 研究所会議室2

【要   旨】

「中国家計インクルーシブ・ファイナンス:国際比較、ミクロ測定及び経済的影響」というテーマで、まずこの研究の背景と意義、先行研究のサーベイと国際比較で行った。次に、CHFSデータを用いて、独自のインクルーシブ・ファイナンス指数を構築し、家計収入に与える影響を実証的に明らかにした。

中国は2015年末に「インクルーシブ・ファイナンスに関する発展計画の推進(2016-2020)」を公表し、金融サービスのカバー率、可用性、および満足度を向上させるとともみ経済発展を達成する重要な手段であるとしている。しかし、インクルーシブ・ファイナンスの研究はまだ体系的になっておらず、その含意についても、国内外において統一的な認識がされていない。特にミクロデータを用いた測定および家計所得に与える影響の研究がまだ少ないのが現状である。
本研究では、世界銀行とIMFの最新データを用いた国際比較を通じて、中国のインクルーシブ・ファイナンスの発展状況は他のBRICSの国を上回っているが、先進国に比べて大きなギャップがあることを指摘している。その上で、2017年CHFIS調査を用いて、独自の指数を作成し、実証研究を行った。この結果、非農業就業人数の増加、起業家精神の促進、リスク金融市場への参加を促すなどを通じて、インクルーシブ・ファイナンスによる家計収入を増加させるメカニズムが明らかにされた。また、インクルーシブ·ファイナンスは、低所得世帯の所得増加に顕著なプラス效果をもたらすと結論つけた。