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2018年06月07日

2018年6月7日開催 公開研究会開催報告 (現代資本主義分析研究会)

2018年6月7日(木) 公開研究会を開催しました。

【テーマ】アメリカの地域開発金融機関(CDFI)に関する「概括的」考察

     -地域における「市民主導型社会的金融」の可能性に焦点を合わせて-

【報告者】Prof.Yang Jun Ho (梁 峻 豪 氏:韓国 仁川大学)

【日   時】 2018年6月7日(木)16:40~18:20

【場   所】 中央大学多摩キャンパス 2号館4階 研究所会議室4

【要 旨】

     アメリカにおける地域経済の衰退とコミュニティの崩壊による都市または地域社会の急速な貧困化現象

     が、 1980年代以降のアメリカにおける新自由主義的政策に関わって生じているという認識に基づいて、

     本報告 では、新自由主義的な都市政策または地域政策の帰結として貧困問題が深刻化している各都市の

     復興の ために、1990年代以降のアメリカにおける「コミュニティ金融」と呼ばれる「地域開発金融

     (Community Development Finance)」が積極的に活用されていることに注目し、地域経済の活性化を

     念頭に置いて、 アメリカにおける「地域開発金融機関」に関する概括的な考察の試みが示されている。

     報告者は、「地域 開発金融」を地域における「市民主導型社会的金融」と位置づけ、「地域開発金融機

     関」の類型化と現況 の詳しい説明を行うとともに、その「地域開発金融機関」を支える制度的要因と地

     域市民によって統制 され調整されるガバナンス的要因について、諸事例を挙げながら具体的かつ詳細に

     論じている。また、 報告者は、アメリカの「地域開発金融機関」が、「地域再投資法」に基づいて保証

     されている市民の地域 金融機関に対するモニタリングを媒介として、地域の商業銀行による「地域開発

     金融機関」への再投資に よっても支えられている点に注目している。さらに、「地域開発金融機関」の

     経営全般において、地域 市民の参加が制度化されている点が、市民の主導する地域金融のあり方を示す

     ものとして注目されうる ことが指摘され、同じような「市民主導型社会的金融」の仕組みが、韓国ある

     いは日本で導入されること の必要性についても言及されており、このことが、「取引費用(Transaction

     Cost)」と「社会正義(Social Justice)」の観点からみて、非常に有益であると結論づけられている。