Eventイベント
人文科学研究所
人文科学研究所主催公開講演会開催のお知らせ(「視覚と認知の発達」」チーム)
- 日程
- 2018年2月16日(金)15:30~17:30
- 場所
- 駿河台記念館420 号室
- 日程
- 2018年2月16日(金)15:30~17:30
- 場所
- 駿河台記念館420 号室
- 内容
講 師: 佐々木 恭志郎 氏
(早稲田大学理工学術院・日本学術振興会特別研究員)
テーマ: 「気持ち悪さを探る」
要 旨: 我々はいろいろな対象から多様な気持ち悪さを感じる。
排泄物で汚れたトイレを見たとき,黒板を引っ掻いた
音を聞いたとき,強烈な臭いをかいだとき,汗などでベ
タついた肌に触れたとき,心霊スポットを訪れたときな
ど,気持ち悪さに関する体験は世に溢れている。このよ
うに日常でたびたび経験する気持ち悪さだが,それが
どのような仕組みで生じているのかについてはまだ未
解明な点が多い。本講演では,不気味の谷
(アンドロイドや人形が喚起する気持ち悪さ),食わず嫌
い,トライポフォビア
(円形物体の集合が喚起する気持ち悪さ)
などの気持ち悪さに関する現象をいくつか取り上げ,そ
れらの知見に基づいて気持ち悪さの認知的メカニズム
を紐解いていく。さらに,気持ち悪さ研究の今後の展開
について議論したいと考えている。
講 師: 中島 悠介 氏 (早稲田大学文学部助手)
テーマ: 「残効を用いた方位・運動処理メカニズムの検討」
要 旨: 視覚的残効は,神経細胞の応答特性をよく反映した
現象であり,視覚処理の脳内過程を調べるための有
力な手段として知られる。本研究では,随伴性残効と
残効の座標系を利用して,方位残効と運動残効のメ
カニズムについて検討を行った。随伴性残効は,ある
視覚特徴の残効が他の視覚特徴に依存して生じる
現象である。我々は,方位・運動残効が周辺の文脈
的な情報に随伴する周辺随伴性残効を報告した。さ
らに,これらの随伴性残効が,順応刺激とテスト刺激
が網膜座標において一致する時にのみ観察される
のか,非網膜座標において一致する時でも観察され
るのかを調べることにより,視覚経路のどの段階で生
じるのかを明らかにした。これらの結果は,視覚経路
において階層的な情報統合処理が行われていること
を示唆する。また,その存在について論争のある非
網膜座標の方位残効を検討するために,パブロフ型
条件づけを知覚測定に応用して,残効を客観的に測
定した。その結果,非網膜座標でも方位残効が生じ
ることを示した。
以 上
- 企画実施名義
人文科学研究所研究会チーム「視覚と認知の発達」