Eventイベント

日本比較法研究所

中央大学国際関係法研究会第100回記念例会開催のお知らせ

日程
2024年7月20日(土)10:00-17:45
場所
茗荷谷キャンパス 2E04号室
日程
2024年7月20日(土)10:00-17:45
場所
茗荷谷キャンパス 2E04号室
内容

中央大学国際関係法研究会第100回記念例会のお知らせ

日時:2024年7月20日(土)10:00~17:45
場所:中央大学茗荷谷キャンパス 2階 2E04教室

◇午前の部
10:00-10:05 開会の辞
10:05-12:00 共通テーマ「国家管轄権:そのさまざまなかたち」
座長:目賀田周一郎(ケア・インターナショナル・ジャパン理事長、元中央大学法学部教授)

報告者:小島千枝(中央大学法学部教授)
報告題名:「海洋における抗議活動と国際法―欧州人権裁判所2023年6月27日判決Bryan対ロシアを手掛かりにして―」
報告要旨:公海およびEEZにおける抗議活動は、平和的である限り、海洋法では旗国の「航行の自由」として、人権法では「表現の自由」として保護される。しかしながら、海上での抗議活動がどの程度の妨害行為を含んでいれば、これらの自由が制限され、沿岸国や旗国が管轄権を行使できるのかについての基準は一致していない。本報告では、この問題について、アークティック・サンライズ号事件裁定(2015)と同じ事実についてロシアによる欧州人権条約違反を認めた欧州人権裁判所のBryan対ロシア事件判決(2023)を手掛かりに分析を試みる。

報告者:尾崎久仁子(中央大学法学部特任教授)
報告題名:「武力紛争とテロ犯罪の訴追・処罰」
報告要旨:本報告の目的は、2001年の同時多発テロを契機として急速な変化を遂げた国際的なテロ行為に対する対応と武力紛争法との関係について、テロ犯罪の訴追・処罰という(国際)刑事法的観点から、改めて論点整理を行い、今後の展望について考察することである。その際に、この問題について多くの示唆を提供するガザの事例、特に、2023年のガザ紛争の直接のきっかけとなった同年7月のハマスによるテロ行為を参考事例として取り上げる。

12:00-13:30 昼休み

◇午後の部
13:30-15:30 共通テーマ「国家管轄権:そのさまざまなかたち」
座長:西海真樹(中央大学法学部教授)

報告者:小坂田裕子(中央大学大学院法務研究科教授)
報告題名:「欧州人権条約第3条の違法性審査における人間の尊厳概念の役割―欧州人権裁判所2015年9月28日大法廷判決Bouyid対ベルギー」
報告要旨:人間の尊厳概念は、多くの国際人権文書で言及されており、国際人権規約前文で規定されるように人権の淵源として考えられている。この点、欧州人権条約それ自体には人間の尊厳への言及はなく、欧州人権条約第13議定書の前文で言及されるのみである。もっとも、欧州人権裁判所は複数の判決で人間の尊厳に依拠した欧州人権条約の解釈を展開している。特に、欧州人権条約第3条の「品位を傷つける取扱いもしくは刑罰」の審査において、人間の尊厳概念はしばしば重要な役割を果たしてきた。本報告では、人間の尊厳概念が争点となったBouyid事件判決を紹介し、欧州人権条約第3条の違法性審査における同概念の役割について明らかにしたい。

報告者:北村泰三(中央大学名誉教授)
報告題名:「庇護の外部化と国際法」
報告要旨:領域的庇護権とは、自国領域内において国家が庇護を付与する権能である。しかし、最近の英国法に見られるように、庇護の外部化が取り沙汰されている。すなわち難民、庇護希望者の領域外への押し戻し、第3国における庇護審査、庇護希望者の収容などである。それは、国家領域内で行われる機能の全部または一部を領域外に移転するプロセスである。本報告では、そうした庇護の外部化に焦点を当てて国際法上の問題点を検討する。

15:30-15:40 休憩
15:40-17:40 個別報告
座長:宮野洋一(中央大学法学部教授)

報告者:西海真樹(中央大学法学部教授)
報告題名:「戦間期国際法学における社会連帯学派—ジョルジュ・セルとレオン・ブルジョワの国際法思想—」
報告要旨:戦間期の国際法学には、2つの主軸がある。1つは国際紛争の裁判可能性をめぐる動きであり、もう1つは戦争違法化の流れである。本報告では、戦間期に活躍し国際的な影響力をもったフランス人、レオン・ブルジョワとジョルジュ・セルをとりあげる。いずれも連帯主義・客観主義の立場からあるべき国際法制度を提唱し、その実現のために政治家として、学者として努めた人である。本報告では、2人の国際法思想を紹介し、評価したい。

報告者:柳井俊二(元国際海洋法裁判所所長、元中央大学法学部教授)
報告題名:「ITLOS判事の18年-海洋における法の支配に対するITLOSの貢献-」
報告要旨:3年間の所長時代を含め18年余にわたるITLOS判事としての経験を振り返るとともに、四半世紀にわたるITLOSの判例を概観し、その傾向等を分析する。また、海洋紛争の平和的解決を通ずる国際社会へのITLOSの貢献及び勧告的意見を通ずる海洋法の解釈の明確化について報告する。更に、ITLOSがその判例を通じて海洋法の漸進的発達に対して行って来た貢献につき具体例に即して解説する。

17:40-17:45 閉会の辞
18:00-20:00 懇親会

形式:ハイブリッド形式(対面及びWebex)
ミーティングリンク:
https://chuo-u.webex.com/chuo-u/j.php?MTID=m56c2a30da36e3384df987fdb2ba1f76d
ミーティング番号: 2519 618 0455
パスワード: PtsvTTi7T28

記念例会への対面参加をご希望の方は、2024年7月19日(金)までに、こちらのGoogleフォームからお申込みください。皆様方の多数のご参加をお待ちしております。なお、研究会後の懇親会への申し込みは終了いたしました。
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中央大学国際関係法研究会
会長: 小島千枝 (中央大学法学部教授)
事務局:関穂乃佳 (中央大学大学院法学研究科博士前期課程)

★皆様のご参加をお待ちしております★