日本比較法研究所

創設60周年記念講演会

日本比較法研究所 創設60周年記念講演会

1.趣旨

1948年に創設された日本比較法研究所は,2008年12月に創設60周年を迎え,新たな60年に歩み出した。当研究所が創立された60年前と今日では,法をとりまく環境には大きな変化がみられる。とりわけ,「グローバル化」というキーワードに象徴される国境を越えた経済活動の増大は,国境を越えた法接触や法交渉の拡大をもたらし,各国・地域の法は相互に影響を与えあっている。
こうした変化は、新たな問題や課題を生み出した。法領域でのグローバル化は法実務分野で顕著であるが、その先端においては、ビジネスチャンスの獲得を睨んで、各国が、市場や経済活動を規律する準拠法として自国の法を援用しようとせめぎ合い、あるいはグローバル企業による国家法の枠組みを超えたCourt Shoppingが行われているという現実がある。しかしながら、このような状況の下においてこそ、地球規模での経済活動を規律する法的な枠組みや各国の利害を超えて見出される法の支配の確立、すなわち、公正なルールや普遍的な法の生成が求められているのではないだろうか。 今回の記念講演会では、「比較法研究の将来」という共通テーマの下、自国の法についての正しい認識を前提に、他国の法を -その背景にある文化を尊重しつつ- 正しく対比し理解するという比較法研究の営みが、グローバル化社会における法発展にどのように寄与できるか、について考えたい。

2.プログラム

日時:2009年3月6日(金)15時~

場所:中央大学多摩校舎 2号館44階 研究所会議室4

統一テーマ: 「比較法研究の将来」

司 会:柳川 重規所員

15:00 開会の辞 丸山 秀平 前日本比較法研究所所長
15:15 講 演 : 「EU統合後の比較法研究の変遷」
  マルティン・ヘンスラー/ケルン大学教授
  コメント 佐藤 信行所員
15:45 講 演 : 「アメリカから見た,中国,日本の動向」
  フランク・アッパム/ニューヨーク大学教授
  コメント 佐藤 信行所員
16:15 講 演 : 「法曹養成と比較法研究」
  長内 了/日本比較法研究所所員・中央大学教授
16:45 休 憩
17:00 質疑応答
17:45 閉会の辞 只木 誠 日本比較法研究所所長
17:50 懇親会
  会場:研究所会議室1