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2020年02月06日

2020年2月6日開催 公開研究会開催報告 (研究チーム:「社会経済制度の理論研究と実証分析」)

【日 時】 2020年2月6日(木)16:00~17:30

【場   所】 多摩キャンパス 2号館4階 研究所会議室2

【テーマ】① Supersize me: Intangibles and Industry Concentration

       ② The Age of AI

【報告者】①Jonathan TIMMIS氏

     (International Finance Corporation, The World Bank Group, Economist)

       ②Timothy DeStefano氏

     (The Laboratory for Innovation Science at Harvard (LISH)Research Scientist)  

【要 旨】

 

① 日本を含む世界の多くの国で、大企業の市場占有度が高まっているという事実が、各国データから確認される。その理由の一つとして、近年は、機械設備などの有形資産よりも、技術知識・特許やノウハウ、情報などの無形資産の重要性が増してきたことがあるのではないかと想定される。2002年~2014年の世界各国の企業データを用いて、無形資産の重要性と市場集中度との関係を分析した。分析の結果、無形資産、特に研究開発や特許など革新的資産の重要性が高い産業で、市場集中度が高まっていることが確認された。特に、貿易や投資の自由化が進んでいる産業、デジタル技術集約度が高い産業では、無形資産の重要度と市場集中度との関係がより強いことも示された。集中度の高い産業では、新規参入が難しい傾向があることも示されたが、価格の上昇は見られなかった。つまり、市場集中度が高まっていることが、価格上昇を引き起こし消費者に不利益を与えているという証拠は、少なくとも短期的には見られなかった。

 

② 人工知能(AI)の導入について、多くの企業が高い関心を持っている。しかし、そもそもどのような技術や機械設備をAI関連の技術と捉えるのか、どのようなタイプの企業がAI関連技術を積極的に導入しているのか、AI導入に必要な要件は何か、さらにはAI導入が企業パフォーマンスにどのような影響を与えるのか、まだ分かっていないことが非常に多い。そこで、ハーバード・ビジネススクールでは、米国のみならず複数の国の企業に対して、主に電話によるアンケート調査を行い、AIの導入や活用に関する実態把握を行うため、現在アンケート調査の質問項目の設計や対象企業の選定を進めている。日本や欧州などの研究機関の中で、当調査への参加意思のある機関も募集中である。

 今回の公開研究会では、現在検討中の質問項目や対象企業等の素案を報告し、参加者からのさまざまな意見・コメントを受け、AIの導入とその影響について議論した。