企業研究所
2019年12月2日開催 公開研究会開催報告 (研究チーム:「社会経済制度の理論研究と実証分析」)
2019年12月02日
2019年12月2日(月)公開研究会を開催しました。
【日 時】 2019年12月2日(月)17:00~18:40
【場 所】 多摩キャンパス 2号館4階 研究所会議室1
【テーマ】 消費税率引上げが家計消費に与える影響
【報告者】 宇南山 卓 氏 (一橋大学経済研究所准教授)
【要 旨】
一橋大学の宇南山卓氏に、消費税率の引き上げが消費にどのような影響を与えたのかについて、
ち密な実証研究の成果を報告していただいた。消費税率の上昇は可処分所得の減少をもたら
すので消費を減らす一方、駆け込み消費に象徴されるように、税率引き上げの直前には
むしろ消費を増加させる効果もある。この点を考慮して、税率引き上げのアナウンス時点と
引き上げ実施時点とに分け、また、消費財も非耐久財、耐久財、備蓄可能財の3種類に分けた
実証研究を行った結果、2014年の消費税引き上げの効果はアナウンス時点に集中的に表れた
ことがわかったという。
この推計結果は、いわゆる消費のライフサイクル仮説や恒常所得仮説をサポートする結果である。
この研究成果を踏まえ、2019年の消費税率引き上げについて、活発な議論が行われた。