研究

八王子市図書館との共同研究中間報告会を開催しました。

2020年02月13日

 2020年1月28日(火)、八王子市中央図書館にて、中央大学と八王子市図書館との共同研究中間報告会を開催しました。

 この共同研究は、2017年4月に本学と八王子市が締結した包括連携協定に基づき、2017年度より本学文学部・小山憲司教授を代表とする研究チームと八王子市図書館部が実施しています。この共同研究では、八王子市における図書館整備および図書館関連教育の向上を測ることを目的として、「読書感想文および図書館利用実態に関する研究」を実施しています。

 今回の中間報告会では、この共同研究に参加する3名の学生がそれぞれの観点から研究した成果を発表しました。

人口・年齢・地域性に着目した利用者データの分析について」

【報告者】青木 優大(文学研究科博士前期課程2年)

この共同研究に関わった約2年の活動のまとめとして、八王子市図書館の利用データを基に図書館の利用実態を可視化する取組みについて発表しました。たとえば貸出数を地図上に投影することで、図書館の各分館がどのエリアの住民にどれだけ利用されているか、といった情報を可視化することで、それぞれの分館の特性や利用状況について考察しました。

「八王子市図書館と電子書籍」

【報告者】穴山 甲斐(文学部4年)

八王子市図書館で提供されている電子書籍サービスについて、その仕組みを概観するとともに、年代別や性別での貸出状況やジャンル別の貸出状況について分析した結果を発表しました。また、質疑を通じて、単に利用者にとって人気のある図書を集めるだけではなく、「知の拠点」としての図書館の役割について会場全体で再認識する場面もありました。

「読書感想文コンクールからみる読書傾向」

【報告者】新川夏海(文学部2年)

八王子読書感想文コンクールの応募作品を分析し、読書感想文を書く際にどのような書籍が選ばれているかという傾向について発表しました。その結果、小学生は幅広いジャンルへ興味・関心を持っていると同時に、映画化や漫画化が作品を知るきっかけになっていることや、書籍の形態(文庫か、児童書か)や選択した目的による傾向についても言及し、読書を促進するにあたってどういった情報提供が有効になるかという課題について示唆しました。

報告会の最後には、共同研究者である国際情報学部・飯尾教授、文学部・小山教授、八王子市図書館部・佐藤部長よりそれぞれ講評があり、図書館の利用実態や読書感想文コンクールに関するデータ分析を持続的に取り組むことで、今後の図書館の在り方を検討することにつながることを関係者間で共有しました。