研究

経済学部・佐々木創教授が、日本国・環境省とタイ王国・天然資源環境省が共催した国際会議に招聘され基調講演とファシリテーターを務めました。

2020年01月22日

本学経済学部・佐々木創教授が、日本国・環境省とタイ王国・天然資源環境省が共催した「日本・タイ環境ウィーク」(※1)におけるSWAT-JWRF Joint Seminar, “Municipal Solid Waste Management in Thailand- Challenges and Opportunities –”に招聘され、基調講演とパネルディスカッションのファシリテーターを務めました。

同セミナーでは、まず佐々木教授がタイの家庭ゴミ処理の現状は依然として途上国型のオープンダンピング(写真参照)が多数残っていること、インフォーマルセクターに依存したリサイクルには限界があることなどを指摘し、タイの廃プラスチック対策の現状(※2)を報告しました。

 

その上で、タイの一人当たり廃棄物発生量は、日本が容器包装リサイクル法を制定した1995年レベルにあり、1月から始まったレジ袋の無料配布禁止を契機に分別ゴミ袋や分別収集を導入する好機にあることや、リサイクル材の需要喚起策なども踏まえた長期計画が必要であることを提案しました。

 

パネルディスカッションでは、長期計画の重要性をテーマにその他の講演者と議論しました。まず、タイの廃棄物処理、特に焼却発電(Waste to Energy)は官民連携(PPP:Public Private Partnership)で実施されることが多いものの、実質的には公共部門の関与が乏しく民間丸投げに近くPure Private Projectになっていることなど重要な問題提起を共有しました。

これらを解消するためにも、タイでは廃棄物発生量や組成などのデータの信頼性の向上が不可欠であり、その次に住民合意形成を図りながら計画を立案すること、その計画を実行するだけの財源の裏付けの重要性などが議論されました。

 

これらの報告は科学研究費助成事業 若手研究(A)「国際環境ビジネス促進策に資する環境サービス貿易定量評価手法の開発(17H04722)」による成果の一部です。