社会科学研究所

公開研究会「グローバル時代における政治、アトラクション、そして社会理論」開催報告

2019年09月21日

【日 時】 2019年9月21日(土) 13:00~16:00

【場 所】 多摩キャンパス 2号館4階研究所会議室1

【主 催】 中央大学社会科学研究所(研究チーム「社会変動」)

 

【テーマ】

「グローバル時代における政治、アトラクション、そして社会理論」

【報告者】 

 倉本由紀子客員研究員(文学部兼任講師)

 斎藤理客員研究員(山口県立国際文化学部教授)

 矢野善郎客員研究員(文学部教授)

 

【報告要旨】

 本研究会は「グローバル時代における政治、アトラクション、そして社会理論」と銘打って開催されているが、その開催の趣旨には、ひとつ大きく隠されたテーマがあった。すなわち、研究の背後にある理論的支柱の異なる三人の研究者それぞれの議論を混ぜ合わせてみたら、一体何が生み出されるか、という問である。一人ひとりの人間がはるかに多くの他者と、またはるかに多様な形態をとりながら相互作用を行う今日では、社会学はもとより、近代の社会科学が生み出されたその前提が崩壊しかけているのかもしれない。では、社会科学は、今日、何ができるのか。本研究会では、国際関係論、都市構造論、社会理論の専門家三人に話題を提供していただき、相互に共有できる問題点、理論的な出発点、またどの領域でも注目すべき社会現象などを抽出することに努力した。

その結果、「アイデンティティ」を紡ぎ出す作業はグローバルなレベルでも都心の観光レベルでも、それぞれの仕方で行われていること、人間の営みがますます統合し、一体化するように見える今日であっても、それとは別に、あるいはそれ以外の存在として社会的に強力な力を発揮する何かが、特定の領域空間・時間空間の中に、厳然として存在する、ということが共通認識として浮かび上がってきた。

今回の研究会で、捉えることのできた上記認識をもとに、さらに今後、相互研鑽を通して、社会の今日的問題とその根源たる「力」のあり方を探っていきたい。

 

(参加者数:15名)