経済研究所

【経済研】『ディスカッションペーパー』No.416 (小高由起子研究員『障害者が参加する職場集団の構造の比較事例検討 : 大企業(特例子会社)と中小企業における職務の決め方と支援体制に着目して』)を発行しました

2025年12月4日に発行された『ディスカッションペーパー』No.416を学術リポジトリで全文公開いたしました。

論文名:障害者が参加する職場集団の構造の比較事例検討:大企業(特例子会社)と中小企業における職務の決め方と支援体制に着目して

執筆者:小高 由起子研究員(中央大学経済学部)

キーワード:障害者雇用、職場集団、特例子会社、中小企業、支援体制、排除/包摂、職務設計

要 旨:

 本稿は、日本の障害者雇用政策の進展を背景に、大企業(特例子会社)と中小企業における障害者の労働・雇用参加が、どのような職場集団の構造によって特徴づけられているのかを比較検討したものである。本稿では、高齢・障害・求職者雇用支援機構が毎月発行する『働く広場』掲載の先進事例75件を分析し、①雇用に取り組むきっかけ、②職務の決め方、③支援体制、④一般従業員の理解促進の4点から両者の相違を明らかにした。

 考察からは、特例子会社では、親会社から切り出した補助業務を中心とする「業務切り出し型」の職務設計と、ジョブコーチ等による制度化された支援体制が整備され、支援・被支援の関係を基盤とする職場集団が形成されていたことを明らかにした。一方、中小企業では、人手不足や地域ネットワークを契機に雇用が進み、一般従業員と協働する「業務組み込み型」の職務設計が主流で、目的共有型の職場集団が形成されていた。

 また、三井(2018)の「支援の論理/包摂の論理」から整理すると、特例子会社は支援の論理が強く、中小企業は包摂の論理が強い構造が示された。両者の特徴を踏まえ、支援と包摂が適切に結びつくことが障害者の参加の質の向上に必要であることを論じた。

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