経済研究所

2018年6月23日開催 公開研究会開催報告 (食農連携研究会)

2018年06月23日

2018年6月23日(土) 公開研究会を開催しました。

【全体テーマ】 食農連携による地域活性化戦略-銚子市の事例を対象として-

 

 第1報告「ランキングによる都市の持つ『成長可能性』」の可視化

      森川 健 氏(野村総合研究所上級コンサルタント)

 第2報告「地域創生と信用金庫の役割」

      松岡 明夫 氏(銚子信用金庫理事長)

 第3報告「銚子市の現状と課題」

      笹本 博史 氏(銚子市観光商工課)

 第4報告「銚子市の観光資源の現状と課題-現地調査を踏まえて-」

      吉本 亜生 氏・野澤 ののか 氏(中央大学経済学部3年)

 

【日   時】   2018年6月23日(土)13:00~16:30

【場   所】   多摩キャンパス2号館4階 研究所会議室2

【要 旨】

 

第1報告「ランキングによる都市の持つ『成長可能性』」の可視化」(森川報告)では、地方創生の理想像を地方都市が自立して世界と結びつき、外貨を獲得できる「ローカルハブ」になることとし、そのポテンシャルを探るために国内100都市を対象に産業創発力を評価したランキングを作成した。分析の結果、福岡市をはじめ、各地方都市もローカルハブとなりうることが確認された。今後は各都市が限られた国内市場を奪い合うのではなく、自らの強みを活かし、他都市との差別化を図りながら「ローカルハブ」となって世界と結びつくことが重要であることが指摘された。

 

第2報告「地域創生と信用金庫の役割」(松岡報告)および第3報告「銚子市の現状と課題」(笹本報告)では、銚子市の人口減少が自然減・社会減の両方に起因しており、それが産業活力(卸売・小売業、農水産業)の低下と銚子市の財政基盤のぜい弱性を招いていることが示された。そのため、今後は「銚子市しごと・ひと・まち創出総合戦略」を推進し、①「稼ぐ力」所得アップ産業創出プロジェクト、②郷土定着・移住促進プロジェクトを柱に、関連事業に取組んでいくことの重要性が提起された。

 

第4報告「銚子市の観光資源の現状と課題-現地調査を踏まえて-」(吉本・野澤報告)では、銚子市の観光資源の実態調査をもとに、「食」とツーリズムに関する観光振興戦略とその課題が示された。分析の結果、観光振興の対象としてインバウンド(特に中国人旅行者)が有効であり、それに即したターゲティングやプロモーションが必要であることが確認された。