情報工学科・専攻

情報工学科4年 今枝俊輔さんが 学長賞を受賞

情報工学科4年 今枝さん(知能・情報制御研究室)

情報工学科4年 今枝俊輔さんが、2022年度学長賞を受賞しました。

「学長賞」は、学力・人物ともに特に優れ、大学全体を活性化する人材であると期待される学生を対象に奨学金を給付するものです。理工学部では、学部4年生を対象として選考が実施され、最も優秀であると認められた1名に授与されます。

受賞した今枝さんに、インタビューしました。

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Q. 情報工学科に進学したきっかけを教えてください。

もともと電子工作に興味があり、高校時代から基板を作って物を動かすということをよくやっていました。物を動かすには基板だけでは成立せず、プログラムを書く工程が出てきます。プログラミングに初めて触れたのはその時でした。その後も、自分が打つと自動でオセロが光ってひっくり返り、それに対しコンピュータが打ち返してくれるオセロのプログラムなどを自作していました。その際にAI(人工知能)の面白さに気が付き、さらに深く学びたいと思い情報工学科に入りました。

高校時代に自作したAI搭載オセロ

Q. 大学生活では、どのようにプログラミングの腕を磨いていますか?

AtCoder(アットコーダー:世界最高峰の競技プログラミングサイト)が週に一回ほど開催しているコンテストに参加して、自分の現在地を知りながら技能を高めています。プログラミング能力を数値化することは難しいので、それを連続的な数値として表すことができる点が競技プログラミングの魅力です。人とのレベルの差を実感したり、過去の自分との比較をしたりすることによって、モチベーションの維持や自分の成長につなげています。

 

Q. 情報工学科で印象に残っている授業は何ですか?

『画像・映像コンテンツ演習』です。プログラミングを一人ですると、プロジェクトの内容が自分の想像した範囲内にとどまってしまうことが多くなりがちです。この授業はチームで一つのものを作り上げるので、チームメンバーの意見を取り入れつつ、チームの中で自分には何ができるのかを考えさせてくれます。

インタビューの様子

Q. チーム開発は個人開発よりも大変ですか?

チーム開発では全ての作業を自分でやる必要がないのは良い点ですが、意見の相違をすり合わせる作業などが発生するので、簡単ではありません。誰かがマネジメントしていないとチームがバラバラになってしまいます。チーム開発では「マネジメント」という点が大切であると気付かされました。

 

Q. マネジメントする上で、どのようなことに気を付けましたか?

画像・映像コンテンツ演習、全て受講していますが、最初の頃は何もわからないまま「全員プログラマーで、全員で作る!」という方法でおこなっていました。しかし演習を重ねるごとに、チームメンバーの能力やマネジメントのやり方などを知り、どんなタスクが必要なのか先に考えておくことで、効率よくタスクの配分をおこなうことができるようになっていきました。ほかにも、メンバー同士のコミュニケーションにも気を遣い、チームの士気を高められるように努めました。

LEDキューブ(左)と四足歩行ロボット(右)

Q. 最近興味があることを教えてください。

ものづくりが好きなので、四足歩行ロボットや自作キーボード、LEDキューブなど、様々なものを並行して作っています。最近は、キーボードとマウスを統一したデバイスをハードウェアからファームウェアまですべて自分で作ることにもチャレンジしています。入力デバイスを自作することで、外見から機能まで自由自在にカスタマイズできる点が魅力だと感じています。例えば、自分の指に合わせたキー配置や任意の入力の自動化など、通常のキーボードではできないことをおこなうことができます。

 

Q. 卒業後の進路は決まっていますか?

学部卒業後は大学院へ進学する予定です。現在、双眼内視鏡映像を3次元再構成するという医用工学のプロジェクトに携わっていて、大学院へ進学した後はこのプロジェクトの進展に、より貢献していきたいと思っています。このプロジェクトは、左右二つのカメラで撮影した内視鏡映像を立体化するものです。このプロジェクトを通じて、手術支援ロボットの自律レベルの向上や、医学教育の発展へ寄与できればと思います。

 

Q. 後輩へメッセージをお願いします。

単に情報工学を学ぶと言ってもさまざまな観点があり、競技プログラミングなどのサービスを用いて考察力や実装力を高めたり、チームで開発を行って開発力やマネジメント力を高めたりするなど、幅広く学ぶことが大切だと考えます。一つの能力に固執するのではなく、視野を広げて中央大学で学んでいただければ、様々な面で活躍できると思います。