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精密機械工学科
1.精密機械工学科における教育上の目的
理工学部の教育研究上の目的に加えて、精密さの追求を通じ、システム全体を把握することのできるグローバルな視野を持つ人材を育成することを本学科における教育上の理念とし、ものつくりのための確かな基礎学力に裏付けられた創造的実践能力を身に付けることを教育上の目的とします。
2.精密機械工学科における卒業の認定に関する方針(ディプロマ・ポリシー)
- (1)精密機械工学科において養成する人材像
ナノスケールからマクロスケールまでの現象の分析や計測・制御から、システム全体の設計までを通じて、国際人としての幅広い視野、ものごとへの強い目的意識、そして論理的な主張方法を身につけた、先端技術の開拓に貢献できる人材を養成します。 -
(2)精密機械工学科を卒業するために身に付けるべき資質・能力
理工学部を卒業するために身に付けるべき資質・能力に加え、精密機械工学に関する知識や技術を応用して問題を解決し、ものつくりの技術の継承と発展に寄与できる能力として、以下の専門性を獲得しているものとします。(A) 精密さの追求を通じてシステム全体を認識できるグローバルな視点を持っている。各種の機械や機器の精密さがそれぞれの設計、機構、計測、制御、製造法などと密接不可分の関係にあり、製品としての原価と性能に大きく影響していることを理解できる。
(B) 地球的視野と倫理的思考をもって技術者としての使命を自覚し、それを実践できる。人類を含めた生態系の健全性や安全性を持続させるための工学の貢献を具体的に理解できるとともに、ものつくりの技術体系としての精密機械工学が現代の科学技術革新に果たしている重要性を理解できる。
(C) 豊かな教養科目に裏付けされた柔軟な発想力と感性を身に付けている。多様な文化や社会について豊かな知識を有して活用でき、健全な市民および技術者として求められる倫理、義務と権利を理解して自律的に行動できる。
(D) 英語を用いた表現や会話の基礎能力を高め、国際人としての素養を修めている。日本語および国際的な交流に求められる英語や科学技術分野の英語を用いて、読み、書き、聞き、話すことができる。
(E) 数学、物理、情報処理などの基礎を習得し、高い論理的思考能力を持っている。工学領域の基礎的な課題や力学などに基づく現象を数理的・物理的に観察したり解析してその結果を評価でき、さらに問題解決のための創造的考察ができる。
(F) 精密機械の要素技術を習得し、その応用能力を実践的学修により向上させている。機械要素や精密計測機器類の基本的な仕様や機能を理解し扱うことができるとともに、それらの組合せにより多様な機構や機械を設計し、その試作や評価ができる。
(G) 新たな精密機械工学領域について継続的に学ぶことができ、創造的な課題解決能力を備えている。新たな科学技術の革新領域に継続して関心を持って学び、理解しようとする意欲があり、社会的要請や精密機械工学の発展につなげて論理的に考えるとともに、それらを自身の社会的および職業的な自立につなげて活用できる。
(H) 個性的かつ現実的な考案能力をもって精密機械を設計するとともに、その具現化に必要なプロセスについて習得している。自らの思考と工夫に基づく精密な機械・機器・機構を種々の制約条件のもとで設計し、ものつくりのプロセスに展開することができる。
(I) 精密機械の組立て、操作、分解、実験に自ら携わることにより、高い観察能力を持っている。実用に供されている精密な機械・機器・機構を分解・組立・調整・使用などを通じて体験的に学んでおり、それらの観察を通して設計・製作プロセスで配慮された基礎的意図を検証・評価できる。
(J) 課題に対して自主的かつ計画的に取組み、学際的知識をもって解決し、その成果をまとめて発表できる。計画期間内において、自ら課題を探索・発掘して企画し、課題解決のために新たに学習し、学際的・統合的・創造的に知識を応用して具体的成果として取りまとめ、発表できる。
(K)グループ単位によるプロジェクト型学習などでの実践を通じて養われた対話能力、協調性、組織力、指導力を備えている。
3.精密機械工学科における教育課程の編成及び実施に関する方針(カリキュラム・ポリシー)
本学科は、その教育上の目的に基づき高度な専門能力と創造性、豊かな教養を兼ね備えた人材を育成するため、卒業の認定に関する方針に従って、以下のようにカリキュラム(教育課程)を編成し、これを実施します。
①豊かな教養に裏打ちされた感性を磨き、地球的視野と倫理的思考能力を獲得させるために、外国語教育科目(英語、第二外国語)、総合教育科目(健康・スポーツ、人文社会、グローバル・学際)を設置します。
②専門教育科目を履修するための基礎としての数学および物理を確実に修得させるために、高等学校教育からの連続性に留意した教育を実施します。
③世界に冠たる日本のものつくりの技術を継承し発展させ、これを次世代へ伝える担い手を育成するために、日進月歩の技術革新に的確に対応できる基礎力の充実をめざします。そのために、工学基礎としての「力学」、「情報処理」、機械工学基礎としての「精密機械製図」、「機械力学」、「材料力学」、「流体力学」、「工業熱力学」、「伝熱工学」、「精密機械材料」、「材料加工学」、さらに精密さを追求するための「制御工学」、「計測工学」を基幹科目と位置づけ、演習を併設して知識と問題解決能力の修得を徹底します。
④基礎教育の徹底とともに、精密機械工学の応用の実際を学ばせ学生のキャリアデザインに資するために、ものつくりの現場の第一線で活躍する技術者を講師に迎える科目として「精密機械工学特別講義」を設置します。
⑤知識や技術の活用能力、問題解決能力、グループ活動における対話能力、組織的行動能力を磨くとともに、その後に続く専門教育科目の学習に対する動機付けとするために、課題解決型授業科目である「精密機械工学プロジェクト」を設置します。
⑥身につけた知識と技術を応用して問題解決のプロセスを実地に体験させると同時に、新たな学問的価値を創造し、その情報を発信する能力を育成するために、「卒業研究」を必修科目として設置し、指導教員と大学院生によるきめ細かな個別指導を行います。
4.精密機械工学科における入学者の受入れに関する方針(アドミッション・ポリシー)
理工学部の入学者受け入れ方針に加えて、本学科の教育理念に共感し、次のような志を持つ人を広く国内外から受け入れます。
①精密機械工学やその応用分野において、エンジニア、研究者として世界の第一線で活躍することを志す人
②修得した精密機械工学の知識や技術を使って、新たな課題に意欲的に挑戦することで自己実現を志す人
③精密機械工学の知識や技術の社会的役割を大局的な視点から理解し、その応用と実践を通じて人々の役に立つことを志す人