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専攻紹介

社会的背景と趣旨

21世紀の最重要課題は、地球環境と人間の健康の両立です。気候変動や都市化に伴う環境変化、世界的な人口増大に伴う水問題、エネルギー問題、食料問題等の課題解決には、今後の科学技術研究が「有限な地球環境の持続可能な発展」を基本に据えた上で、その枠組の再構築を行いつつ、新しい科学技術の開発を行うことが求められています。

このような背景の中で、中央大学大学院理工学研究科都市環境学専攻は、安全・安心な国土都市づくりを目標とし、社会基盤整備・計画マネジメントにおいて時代を先導する研究開発を行い、多くの技術者・研究者を輩出してまいりました。また、地球環境の時代における新たな技術開発と、国ごとの歴史・文化・風土を尊重する国際的視野をもった専門家を育成するために、2010年「国際水環境理工学人材育成プログラム」を創設し、推進してまいりました。

一方、自然環境との共生、エネルギー問題への取り組み、そして何よりもそこに暮らす人間の「生活の質」への科学的アプローチが社会基盤整備の基本にあるべきという理念から、2013年、理工学部において人間総合理工学科が創設されました。現在、人の健康と生活の質の向上を目標とする「ヒューマン・ウェルネス」、自然との共生をめざす「人と環境」、そして次世代の水・エネルギー問題を解決するための「環境とエネルギー」の研究と教育が、鋭意、進められております。

持続可能な社会の実現に向けては、社会基盤整備の科学技術体系に、人間の視点と自然との共生を実現していくための科学的方法論を導入し、二者の融合により先端的研究領域を創出していくことが不可欠であると考え、二つの学科が協力し、大学院カリキュラムの充実を図って参りました。

このような理由から、2017年度より都市環境学専攻は都市人間環境学専攻として装いを新たにし、大きな飛躍を目指しています。

教育理念

都市人間環境学専攻では、次の3点を教育の理念として人材を育成します。

1 ) 地球環境の持続可能な発展に向け、社会基盤、都市環境デザイン、水環境、自然共生、エネルギー、ヒューマン・ウェルネスの専門的な知識、技術を修得し、国際社会で活躍できる人材の育成を目指します。

2 )安全・安心な環境の形成と、そこに暮らす人間の生活の質を高め、健康長寿社会を実現するための専門的な知識、技術を修得し、一人ひとりの人間の尊厳を踏まえた社会的活動を行うことができる人材の育成を目指します。

3 )都市人間環境学の基本的知識、技術、生命倫理を修得することにより、新しい領域を切り開いていくことができる人材の育成を目指します。

4つのコース

「都市・国土」コース

専門知識や情報技術などを駆使して具体的な構造物、時空間環境を計画・設計できる、また防災の知識を社会に還元できる高度なエンジニアの育成を目指します。

 

「環境」コース

社会科学や統計学の知識を有し、異分野の専門家や市民と協働で地域または地球規模の環境・エネルギー問題を解決しながら、地域をマネジメントできる人材の育成を目指します。

 

「人間」コース

人の豊かさや感性、健康、思考、行動様式等を学び、安心安全な社会の実現を目指した科学者、技術者の養成を目指します。

 

「国際水環境」コース

我が国の産業界と行政の風土ならびにその利点に習熟し、かつ国ごとの歴史・文化・風土を尊重する国際的視野を持った高度専門職業人としての水環境・水処理技術者の育成を目指します。