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よくいただくご質問
精密機械工学科が他の機械工学科と違う点はどこですか?
現在の機械はどんどんと小型化、高精度化されており、もはや先端技術で作られた機械は全て精密機械と呼んでも過言ではありません。精密機械工学科では、それぞれの教員が研究者として自分の専門分野で精密さを追求しています。そこで現れるのが機械システム全体としての挙動です。機械のある部分の精度を追求して行くと、その部分だけ良くしても駄目だということがわかり、視野を機械全体に広げた発想を迫られます。精密機械工学科では、基礎となる個々の知識だけでなく、その知識をベースとしながら、それらを統合したシステム全体を見渡すことのできる能力を涵養することを目指しています。これが、本精密機械工学科の目指す独自の教育のポリシーです。
精密機械工学科の入試について教えて下さい。
精密機械工学科には、指定校推薦入試、自己推薦入試(2009年度受験生より採用)の2種類の推薦入試、また一般の入学試験として、センター単独入試、センター併用入試、一般入試の3つがあります。 指定校推薦入試は、高校生活において3年間しっかりとバランスよく真面目に勉強した高校生を対象としています。また自己推薦入試(2009年度より採用)は、指定校の高校生も含め、とにかく機械が好き、中央大学の精密機械工学で是非勉強したい、という意欲ある学生と、海外帰国生が対象です。 一般入試では英語も含めた理科系の科目を真面目に勉強した皆さんに、センター併用試験では、特に数学、理科を得意とする皆さんに受験して欲しいと考えています。センター単独入試では、他の2つにはない現代国語が対象科目に含まれています。これは、理科系科目だけでなく、より幅広い視野を持った柔軟な発想のできる諸君にも入学して欲しいからです。
自己推薦入試はありますか?
精密機械工学科では、2009年度より自己推薦入試を開始します。
奨学金制度について教えて下さい。
理工学部奨学金制度をご覧ください。
4年間の間に留学を希望しています。留学について教えて下さい。
理工学部の国外留学制度を利用することができます。必修科目もありますので、留学時期・期間に関しては注意する必要がありますが、留学はグローバルな視野を養える大変貴重な機会ですので、是非前向きに検討して下さい。なお、留学中に現地で修得した単位は、学部における手続を経て、中央大学において修得したものとみなすことができます。
センター単独入試、一般入試では、受験科目は「物理」、「化学」、「生物」のどれか1つを選択すれば良いことになっていますが、「物理」がわからなくても大丈夫でしょうか。
「物理」の中でも特に力学は、機械を動かす根本の物理法則になります。絶対に必要です。一方、精密機械工学科では、卒業生が多様化の進む現代社会に常に対応しながら活躍し続けることのできるよう、多彩な才能、適応能力、意欲を持った学生諸君が入学してくれることを希望しています。そのような諸君の中には、高校で必ずしも「物理」をマスターしてこなかった人もいますので、1年生、2年生の2年間、カリキュラムの中できっちりと物理を勉強してもらいます。高校で「物理」を履修していることはもちろん期待しますが、入学時に「物理」がわからなくも大丈夫です。
入学してからの勉強に自信がありません。授業についていけるか心配です。高校生のうちに何を準備しておくべきでしょうか。
高校では、できるだけ幅広い勉強をして下さい。入学後に必要となる科目にとらわれる必要はありません。中央大学の入試に合格した諸君であれば大学卒業の力は十分に身に付きます。残念ながら留年してしまうのは、ほとんどの場合、授業への出席をしていないからです。まじめに出席し、授業をしっかりと聞いていれば、わからない話はないはずです。また、授業でわからなかった点があれば、遠慮なく教員に質問しましょう。懇切丁寧に答えてくれるはずです。とにかくポイントは“話をしっかりと聞く”、“わからないところを放っておかない”ことです。(まじめに出席し、ノートを一生懸命に作成している学生もよく見かけますが、話をしっかりと聞いていなければ、どんなにきれいなノートをとっても力はつきません。)
大学生活を送る心構えを教えて下さい。
大学に入ると、高校までと比べて自分の自由になる時間が増えます。この時間を無駄に過ごすか有意義に利用できるかで、大学生活の充実度が大きく変わってきます。皆さんの中にはサークル活動やアルバイトにのみ精を出し、大学での勉強は二の次になってしまう人もいます。しかし、就職時の面談で、“大学時代に得たものは?”と聞かれてアルバイト経験を話しても、たぶん呆れた顔をされ、“それならなぜ高い授業料を払って大学に入学したの?”と聞き返されて終わりでしょう。空いた時間でアルバイトをするのはもちろん結構ですが、やはり大学では勉強を第一と考えて下さい。特に理科系科目は積み重ねを要するものばかりですから、授業を最優先にしてください。大学での勉強の重要性は就職してから気づきます。時間のある時に授業料を払いながらアルバイトに精を出し、就職して時間がなくなってから更に高い授業を払って勉強する、ではあまりに非効率です。それからもうひとつ、一生付き合える友人を作って下さい。出身大学の有り難みも卒業してからわかります。自分が社会に出てから同じ大学出身者に感じる親近感は計り知れません。是非心がけて下さい。
大学の授業は出席しなくてはいけないのですか?
理工学部の科目の多くは、数学を初めとした基礎科目の上に成り立っています。このため、1年次に授業をさぼり、これら基礎科目をわからないままにしてしまうとその後が大変です。また、絶対にマスターして欲しい科目は必修となっており、授業への出席を要求します。必修以外の科目においても、そもそも履修は授業への出席を大前提としています。4年で卒業するには、授業への出席は欠かせません。
英語は苦手です。理工学部でも勉強しなくてはいけないのでしょうか。
英語は研究を遂行する上で欠かせません。研究を進めるには国内外を問わず他人の研究成果をしっかりと調べなくてはなりません。これらの研究の多くは英語論文として発表されています。また、自分の成果を世界に向けて発信する際にも英語を使います。入学後の英語カリキュラムも充実していますので、入学後も英語をしっかりと勉強して下さい。意欲さえあれば必ず使えるようになります。
成績判定の基準となるGPAとは何ですか?
GPAとはGrade Point Averageの略称で、成績評価の方法として最近利用されるようになりました。これまでの成績評価法として、単位を取った科目の単位数に成績を掛け合わせ、これの総合点を用いるというものがありました。この考え方では、それぞれの科目の成績が悪くてもたくさん単位を取れば成績基準はアップします。例えば、Aを4点、Bを3点、Cを2点、Dを1点とする時、Aの成績を1つ(合計点4点)とるよりDの成績を5つ(合計点5点)とった方が、評価が上になます。Dは最低の合格ラインですから、これでは本当の意味で成績の良し悪しが判断できません。そこで、とった単位数に拠らずに成績の平均を算出することとしたものがGPAの考え方です。この例では、Aが1つだけの人のGPAは4点、Dを5つとった人のGPAは1点です。ただし、GPAを上げるために、苦手科目をとらず得意科目に集中して少しの科目しか履修しないことになると、卒業に必要な単位が足りなくなってしまいます。一方、履修登録をしているにもかかわらず試験を放棄した科目は0点扱いとなります。履修登録の際には、必要な科目は確実に登録し、ただし勉強が間に合わなくなるほどの科目数を登録することのないよう、しっかりと計画立てて履修科目を決定して下さい。
卒業研究では具体的にどんなことをするのですか?
1つの研究テーマを通じて、研究に必要な方法論を学びます。具体的な指導は配属された研究室の指導教員によって行われますが、研究の基本は、まず与えられたテーマの何が問題なのかを調べ、それを解決するための方法を調べ、それらをヒントに、あるいは適用しながら研究対象に応じた工夫を加えることで、自分のオリジナルの解を得ていきます。この問題解決のプロセスは研究テーマにはよらないので、研究テーマは違っても身に付く能力は同じです。この問題解決能力は社会に出て大きな武器となるでしょう。
精密機械工学科ではどんな研究ができますか?
精密機械工学科には、通常合計で14名の教授、准教授が所属し、それぞれが独自の研究をしています。当学科では、これらを大きく3つの領域、機械サイエンス系、エコプロセス系、メカトロニクス系に分類し、それぞれの系に該当する講義を示しています(カリキュラム表)。機械サイエンス系では機械力学、熱力学、流体力学、材料力学など、エコプロセス系では環境に配慮した設計、生産システム、加工システム、材料など、メカトロニクス系ではロボット、インテリジェントセンサ、音響工学、制御工学に関する研究が行われています。大変に幅の広い研究領域がありますので、入学してからの選択肢はたくさんあります。(詳しくは研究室紹介をご覧下さい。)
多くの大学にロボット関連の学科があります。中央大学のロボットはどこが違うのですか?
多くの大学では、ロボットを教材としてメカトロニクス教育が行われています。つまり自分達でロボットをつくってみる、その経験を通じてメカトロニクスの基礎を理解する、といった扱いです。これに対して中央大学の各研究室では、ロボットそのものを研究対象としています。メカトロニクスの基礎を理解した上で、どのようなコンセプトでロボットを作ることが社会の役に立つのか、それを実現するにはどのような技術を新たに開発しなくてはならないのか、そのためには何を勉強し、どのようなアプローチをとるべきか。4年生の卒業研究、あるいは大学院に進学して行う修士論文の研究テーマに対して、日々取り組んでもらいます。その成果は多くの学会発表として、世の中に情報発信されています。大変難しそうですが、本学科に入学できた学生さんは自信を持って結構です。研究発表を行っているのは皆さんの先輩達ですから。
ロボットの研究室が中央大学理工学部の他学科にもあります。何が違うのですか?
ロボットを構成する知識、技術は多岐に渡ります。たとえば、本体の設計に関する知識、動かすための制御に関する知識、ロボットの感覚に関する知識、知能に関する知識‥。ロボットはこれらを統合して出来上がっています。各研究室はそれぞれ自分の得意分野を持ち、その技術を磨くことでロボットの性能向上に貢献しています。たとえば精密機械工学科では、精密機械工学科の知識をベースとして、生物を規範とした構造を初めとするロボットの構造を研究している研究室、様々な形態のロボットの動かし方を研究している研究室、カメラの映像や各種センサから身の回りの環境や状況を認識する研究をしている研究室があります。他の学科にも同様に、それぞれの学科独自の知識をバックグラウンドとしたロボット研究へのアプローチがあります。いずれもロボット研究に違はいありませんが、就職の際には、それぞれの学科毎に企業の求めるバックグラウンドが異なりますので、この点は意識して下さい。
精密機械工学科でどうしてもやってみたい研究があります。入学すれば必ずやらせてもらえるのですか?
精密機械工学科での研究活動は、4年生での卒業研究が主になります。4年生に進級する前に、学生全員に対して配属希望研究室の調査を行います。その希望と3年次前期までの学業成績を考慮して配属研究室を決定します。どうしても進みたい研究室のある学生は、1年次からの勉強を特にしっかりと行って下さい。万一、希望通りの研究室に進学できなくても、決してがっかりすることはありません。まだ研究経験の無い皆さんにとって、研究テーマは憧れであることと思います。しかし、一旦課題が与えられて自分で考える楽しさを経験すれば、どの研究室においても充実した研究生活が送れることを保証します。あまり目標を限定しすぎないことも必要です。
将来は大学院に進学すべきですか?大学院に進学すると何か良いことがあるのでしょうか?
精密機械工学科で4年間しっかりと勉強した諸君には、大学院進学を強く勧めます。大学院修士課程の2年間は、学部で勉強した内容を、研究テーマに合わせて実践的に応用するフェーズになります。皆さんは4年生時の卒業研究を通じて、はじめて創造的な経験をします。この1年は主に研究のための訓練の期間といえます。これに対して大学院の2年間は、教員の指導を受けながらも自分自身で研究テーマを設定し、自分の力で問題の解き方を考えていかなくてはなりません。学会発表を行うのも主に大学院生となっています。この他にも、TA(ティーチングアシスタント)や研究室の後輩の研究指導など、コミュニケーションやリーダーシップをとるための様々な機会にも恵まれます。また、修士の2年間で得られる実力は、就職する際に企業でも高く評価してもらえますので、就職後のキャリアパスを考えた場合にも有利です。大学院への進学は、様々な意味で、その後の人生にとって貴重なものとなるでしょう。
将来は大学院への進学(入学)を希望しています。大学で何を勉強しておけばいいでしょうか?
精密工学専攻に入学するには2通りの道があります。1つは、学部時代の成績による推薦入学、もう1つは夏に行われる大学院入試です。3年次までの成績(GPA)の上位約1/3の学生を対象に、大学院への推薦を行います。しっかりと勉強して下さい。進学を希望しているにもかかわらず残念ながら推薦されなかった学生と、他大学から入学を希望する学生を対象として、4年次の夏に一般入試が行われます。科目は英語、数学、力学、専門科目(材料力学または制御工学)です。ただし英語には筆記試験ではなくTOEICのスコアを利用しますので、受験予定者は少なくとも入試日より3年以内にTOEIC、またはTOEIC-IPを受験しておく必要があります。入試の可能性のある方は必ず受験しておいて下さい。
就職先は精密機械業界が主になるのですか?
精密機械工学科への求人は景気に左右されずに常に毎年3000社を超えており、その業種も様々です。自動車、大手家電メーカー、精密機器メーカーなどの超一流企業がすべて含まれています。(求人一覧)
精密機械工学科で何か資格はとれますか?
こちらをご覧ください。
自動車が大好きです。精密機械工学科では自動車の勉強はできますか。
精密機械工学科のカリキュラムは通常の機械工学科のカリキュラムを包含しており、自動車に関連した科目も含まれます。就職の際には精密業界だけでなく機械系の企業からも同等に求人がたくさんきます。その中にはもちろんほとんどの自動車会社、自動車関連会社が含まれ、毎年大勢の卒業生が就職しています。
卒業後に会社に入ってから何をやるのかイメージがわかないので、大学で何を一生懸命にやれば良いのかわかりません。
精密機械工学科では、専門科目を勉強するための目的をできるだけ早く理解してもらうため、1年次において、各教員が行っている専門分野をわかりやすく皆さんに紹介し、大学の授業がどのように役立つのかを紹介する授業があります。この他、企業の方にも協力をお願いし、製品として市場に出回っている各種精密機械を実際に分解しながら、そこに利用されている技術の紹介をしてもらっています。3年次には、精密機械特別講義という授業において、多くの企業の第一線で活躍されている方をお招きし、企業において実際に取り組んでいる技術課題について紹介をしてもらっています。更に、夏休みを利用したインターンシップを授業単位として認定する制度を設けており、2~3週間、企業に行って業務の実体験を行うことができます。日頃から自分が興味を持てそうなことを調べる習慣を身に着け、これらの授業やインターンシップを利用して、自分なりの将来のイメージを固めていって欲しいと思います。そのためにも、まずは精密機械工学科で準備したカリキュラムをしっかりと身につけることに一生懸命取り組むことが重要です。