Eventイベント

物理学科・専攻

物理学科談話会: 助教の先生方の最新の研究成果

日程
2019年10月9日(水) 17:00-18:00
場所
後楽園キャンパス 6号館7階 6701号教室
日程
2019年10月9日(水) 17:00-18:00
場所
後楽園キャンパス 6号館7階 6701号教室
講演者

阿部 真志 先生  (東條研究室)

成塚 拓真 先生  (脇田研究室)

 

 

内容

第一部 (17:0017:30)

講演者: 阿部 真志 先生 (東條研究室 所属)

題 目: 多光子励起を用いた原子の状態操作

概 要:

原子・分子は離散的なエネルギー準位を持つ系の代表例である。また、レーザー光は(1) 狭線幅による正確なエネルギー授受と(2)長いコヒーレンス性による(位相を含めた)状態操作が可能である。このため、これまでレーザー光を使って原子・分子の量子状態操作が盛んに行われ、レーザー冷却をはじめとした量子エレクトロニクス分野が発展してきた。特にアルカリ金属原子は水素様原子とみなせるため、理論との対応がよく、実験結果の物理的解釈が容易である。アルカリ金属原子のルビジウム原子では多くの量子状態操作が行われているが、多光子を用いた状態操作はまだ発展途上である。本講演ではルビジウム原子の多光子過程後の状態生成とその状態による磁場の依存性についての実験結果と理論モデルとの比較を報告する。また、冷却原子を使うことでこれまで困難であった量子状態の生成についての結果を紹介する。

 

第二部 (17:3018:00)

講演者: 成塚 拓真 先生 (脇田研究室 所属)

題 目: Vicsek Modelの隣接時間分布で見られる統計則

概 要:

 少数の構成要素による集団運動は,バクテリアの系やサッカーなどの集団スポーツにおいて見られる.こうした少数多体系では,秩序変数などの平均的な量だけでなく,個体の配置や隣接関係といった集団の内部構造に着目する必要がある.本講演では,群れの運動のミニマルモデルとして知られるVicsek modelに着目し,その隣接時間分布を議論する.なお,隣接関係は,(a) ドロネー三角形分割,(b) ユークリッド距離,によって定める.Vicsek modelでは,相互作用半径と呼ばれるパラメータによって,集団のふるまいがランダムな運動から秩序立った運動へと変化する.そこで,様々な相互作用半径に対して隣接時間分布を調べると,集団運動の質的な変化に応じて,その形状が指数分布からべき分布へと変化することが分かった.また,べき分布の指数(べき指数)は,隣接関係を特徴付ける1次元時系列((a) ボロノイ線の長さ,および(b) 個体間距離)のハースト指数に対応付くことが分かった.

企画実施名義

問い合わせ先:中大・理工・物理 佐藤 博彦
e-mail: hirohiko@phys.chuo-u.ac.jp
tel: (03) 3817-1781